【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【ディストリビュートリスト編】

CCNPの試験で出題されるような問題を見ながら、CCNAに比べて深くなった部分や、CCNAでは触れていなかった部分を解説していきます！
今回はルーティングのフィルタリングに関する内容を書いていこうと思います。
CCNAに合格して、次の資格としてCCNPを学習中の方や、またはこれからCCNPの学習を始めようとしている方の助けになれば幸いです。

問題1

ダイナミックルーティングで交換されるアップデートに対してフィルタリングを行うことのメリットは次のうちどれですか。(2つ選択)

特定のネットワークを隠ぺいすることが出来る。
ルーティングテーブルが大きくなる。
経路の冗長化を行うことが出来る。
ルーティングループを防ぐことが出来る。

問題1の解答と解説を表示

解答）A,D

ルートフィルタリングとは、ルータ間で交換されるアドバタイズをカットして、ルーティングテーブルに登録する情報をカットすることです。前回まで解説していた、再配送でのルーティングループや必要のないネットワークをアドバタイズしないことによって、ネットワークの隠ぺいを行うことが出来ます。
また、ルーティングアップデートをフィルタリングする手法としては、他にもパッシブインターフェイスやルートマップなどがあります。
パッシブインターフェイスを設定すると、設定したインターフェースからのHelloパケットやルーティングアップデートが一切送られなくなります。ディストリビュートリストを使用することで、全てのアップデートではなく、必要なアップデートのみを選択してアドバタイズすることが出来ます。

問題2

ディストリビュートリストを使用して、ダイナミックルーティングのアップデートをフィルタリングする際に、OSPFのフィルタリングの特徴として正しい記述は以下のうちどれですか。

OSPFのフィルタリングを行うと、Helloパケットが送信されなくなる。
OSPFのフィルタリングを行うと、Helloパケットは送信されるが、LSAが送信されなくなる。
OSPFのフィルタリングを行うと、アップデート情報の交換は行われるが、ルーティングテーブルに反映されない。
ディストリビュートリストでは、OSPFのフィルタリングを行うことが出来ない。

問題2の解答と解説を表示

解答）C

ディストリビュートリストを使用してルーティングアップデートの情報をフィルタリングする際に、OSPFでは動作の方法に注意が必要です。
ディストリビュートリストでは、「in方向」と「out方向」のどちらかに設定を行うことが出来ます。「in方向」は隣接したルータからのアドバタイズに対してフィルタリングを行い、「out方向」はそのルータから隣のルータにアップデートを送る際にフィルタリングを行います。
OSPFの場合、全てのルータでリンクステートデータベースを同期し、SPFアルゴリズムを使用してルーティングテーブルを作成することによって、全てのルータで経路を作成していますので、LSAの交換をしなくなると、各ルータで作成されるルーティングテーブルに差異が生じてしまいます。よって、OSPFでディストリビュートリストの設定を行う場合、「out方向」でのフィルタリングを行うことはできません。

問題3

Cisco機器でディストリビュートリストの設定を行う際の正しいコマンドは次のうちどれですか。

(config-router)#distribute-list < ACL番号 > out
(config-router)#distribute-list < ACL番号 > in <インターフェース>
(config-router)#distribute-list < IPアドレス > <ワイルドカードマスク> in <インターフェース>
(config-router)#distribute-list < IPアドレス > mask <サブネットマスク> in <インターフェース>

問題3の解答と解説を表示

解答）B

Cisco機器でディストリビュートリストの設定を行う場合、まずACLを作成します。ACLで、アドバタイズを許可するネットワークと拒否するネットワークを識別します。作成したACLをフィルタリングを行うルーティングプロトコルのルーティングモードで、インターフェースを指定して適用します。設定コマンドは以下の通りです。
（config-router）#distribute-list　[ACLリスト番号　|　ACL名]　in　[インターフェース]

（config-router）#distribute-list　[ACLリスト番号　|　ACL名]　out　
[インターフェース　|　ルーティングプロトコル]

問題2でも解説しましたが、OSPFでは送信時にフィルタリングすることが出来ないので、注意が必要です。
ルーティングプロトコルは「out」のときのみ設定可能で、再配布先に渡される前にフィルタリングしたいプロトコルを指定します。