【CCNA】CCNAでよく見かけるOSPFのneighbor構築できない問題【対策】
CCNAの範囲に含まれているルーティングプロトコルの1つであるOSPF。EIGRPと並び、ICND2の1つの山となる単元です。
内容としてはリンクステート型としての特徴、ルーティングテーブルを構築するまでの動作、DRとBDR、
各種コマンドなど、プロトコルとしての特徴的なところから設定まで幅広く問われていますが、
今回はその中でもよく見かける
OSPFのneighbor関係が構築できない問題
について、よくあるパターンについて解説していきたいと思います。
【解説】
いくつかのパターンが考えられる問題になります。
代表的なものを見ていきましょう。
1.Hello-Deadインターバルが異なっている
原因として考えられるOSPF固有の問題の1つです。
OSPFにおいて、ルーター間での関係構築はHelloパケットを用いたneighborの探索から始まります。
その際にHelloパケットに含まれている情報の1つがこのHelloインターバルとDeadインターバルになります。
Helloインターバルはneighborの探索と生存確認に用いられるHelloパケットの送信間隔を定め、
Deadインターバルはneighborから受け取るHelloパケットが何秒間受け取れなかった場合にそのneighborが動作していないと判断するか、という設定になります。
OSPFのneighbor関係構築の条件の1つがHello-Deadインターバルが一致していること、になります。
2.エリアIDが異なっている
こちらもOSPF固有の問題です。
OSPFはエリアを形成することで効率的な階層設計を行っています。
そのエリアを示す情報が、Helloパケットに含まれているエリアIDです。
networkコマンドで指定するものですが、エリアIDが一致していること、というのも
OSPFのneighbor関係構築の条件の1つになります。
3.インターフェースが有効になっていない
4.インターフェースに設定されたIPアドレスが間違っている(サブネットマスクが間違っている)
こちらはOSPFの問題ではなく、OSPFが動作するインターフェースに原因があるパターンです。
neighbor関係を構築するインターフェース間で、インターフェースがdownしていたり
ネットワークの異なるIPアドレスが設定されていたりするような、そもそも通信が成り立っていない場合については
Helloパケットが行き来できなくなりますのでneighbor関係も構築できません。
5.passive-interfaceが有効になっている
こちらはOSPFやEIGRPで有効な設定で、不要なHelloパケットが流れるのを防ぐことが出来ます。
インターフェース単位で設定していくものになりますので、本来Helloパケットを送信して
neighbor関係を構築しなければならないインターフェースで設定してしまうと、Helloパケットが送られず
neighbor関係は構築できなくなります。
その他にも、
6.ルーターIDの設定が間違っている(一意のものになっていない)
7.カプセル化の設定が間違っている(シリアルインターフェースの場合)
8.PPPの認証の設定が間違っている(同上)
などが挙げられます。
今回確認したneighbor関係が構築できないパターンの問題は、ほとんどの内容が
running-configの記載のみで判断がつくものになります。(一部除く)
こういった問題に遭遇した際は、今回取り上げたポイントを思い出し、
show running-config などを活用して設定内容をチェックしてみてください。
以上、OSPFのneighbor関係構築できない問題のよくあるパターンについての解説でした。
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