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【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【再配送編】Part 1

【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【再配送編】Part 1

【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【再配送編】Part 1

CCNPの試験で出題されるような問題を見ながら、CCNAに比べて深くなった部分や、CCNAでは触れていなかった部分を解説していきます!
前回まではOSPFやEIGRPについて書いてきました。今回はそのようなルーティングプロトコルが混在する環境に焦点を当てていきます。
CCNAに合格して、次の資格としてCCNPを学習中の方や、またはこれからCCNPの学習を始めようとしている方の助けになれば幸いです。

問題1

次の記述のうち、再配送を行うことの利点として正しいものはどれですか。

  1. ネットワークを簡素化することが出来る。
  2. マルチベンダ環境でのルーティングが可能になる。
  3. ルーティングプロトコルを統一することが出来る。
  4. ルータのリソースを抑えることが出来る。
問題1の解答と解説を表示

解答)B

再配送とは、異なるルーティングプロトコルで学習した情報を交換するための仕組みです。
前回まで、OSPFやEIGRPの記事を書いてきましたが、他にもRIPやIS-IS、BGPといった様々なルーティングプロトコルが存在します。それらのルーティングプロトコルでは、それぞれ最適経路の計算方法やメトリックとして異なる値を使用しています。
例を挙げると、RIPでは隣接したルータ同士でルーティングテーブルを交換し、ホップ数をもとに最適経路を計算しますが、EIGRPでは、Helloパケットを交換するという工程を経て、差分情報のみをアップデートします。その際にEIGRPでは、「帯域幅」「遅延」「負荷」「信頼性」「MTU」の5つの項目をもとに計算し、かなり大きな数値となります。この2つのプロトコルのメトリックを使用すると、RIPでは最大ホップ数が「15」とされていますので、EIGRPの経路は全て学習できないということになります。
このようなルーティングプロトコル同士の差異を吸収するために、再配送を行います。
再配送を行うことによって、EIGRPのようなCisco機器独自のルーティングプロトコルを使用している環境に他のルーティングプロトコルを使用した機器を接続してもお互いに経路を学習させることが出来るようになります。
ですが、ネットワーク管理が複雑化することや、複数の境界ルータが存在するような構成では、ルーティングループが発生してしまうというような欠点もあります。

問題2

各ルーティングプロトコルのデフォルトのシードメトリックについて正しい組み合わせは次のうちどれですか。

  1. RIP : 5
  2. OSPF : 100
  3. EIGRP : 無限大
  4. BGP : 0
問題2の解答と解説を表示

解答)C

再配送を行う際には、異なるルーティングプロトコルの経路情報を受け取る際に、その経路のメトリックの値をどのように扱うかを解決する必要があります。再配送では、その基準となる値が決められており、その値を「シードメトリック」と呼びます。シードメトリックの一覧を下の表に表します。

再配送先のルーティングプロトコル シードメトリック
RIP 無限大
IGRP/EIGRP 無限大
OSPF 20
IS-IS 0
BGP IGPのメトリックをそのままMEDにする

「RIP」「IGRP」「EIGRP」のように無限大となっているプロトコルに関しては、デフォルトのままでは経路が伝わりません。
経路を伝えるためには、設定コマンドでシードメトリック値をデフォルトから変更する必要があります。

問題3

Cisco機器での再配送の設定コマンドで使用するオプションと、その意味の組み合わせとして正しいものはどれですか。

  1. metric : このオプションを指定することによって、シードメトリック値にデフォルトの値を使用する。
  2. metric-type : このオプションを指定することによって、シードメトリックの値をデフォルトから変更することが出来る。
  3. match : ACLを使用して再配送するネットワークをフィルタリングする。
  4. subnets : このオプションを指定することによって、可変長サブネットマスクなどのサブネットマスクの情報を通知できる。
問題3の解答と解説を表示

解答)D

Cisco機器での再配送の設定コマンドは「(config-router)#redistribute プロトコル [プロセスID] 
<オプション>
[level-1 | level-2 | level-1-2] [metric メトリック] [metric-type タイプ] [match {internal | external 1 | external 2}] [tag タグ値] [route-map マップタグ] [subnets]」
のようになっています。
プロトコルとプロセスIDは必須になっていますが、その他はオプションになっており、プロトコルによって指定しなければいけないもの、指定しておくべきものなどが分かれています。
今回の問題の選択肢にあるオプションの正しい意味は次のようになっています。

オプション 意味
metric シードメトリック値を指定します。RIPやIGRP、EIGRPではデフォルトが無限大になっていますので、必須のオプションです。
metric-type OSPFへ再配布されるリンクタイプです。タイプ1とタイプ2があります。 
match OSPFのルートを再配布する場合に使用されます。「internal」自律システム内の内部ルートの再配布です。「external 1」タイプ1外部ルート(E1) 「external 2」タイプ2外部ルート(E2)となります。ルートのフィルタリングができます。
subnets  サブネットを通知するかどうかの設定です。可変長サブネットマスクを使用している場合は必須のオプションになります。

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