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【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【EIGRP編】Part 2
2019.10.07

【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【EIGRP編】Part 2

【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【EIGRP編】Part 2

CCNPの試験で出題されるような問題を見ながら、CCNAに比べて深くなった部分や、CCNAでは触れていなかった部分を解説していきます!
今回もEIGRPに関する問題を出題していこうと思います。
CCNAに合格して、次の資格としてCCNPを学習中の方や、またはこれからCCNPの学習を始めようとしている方の助けになれば幸いです。

問題1


ルータは192.168.10.0/24のネットワークへの経路を学習し、上の図のようなトポロジーテーブルが作成されています。このトポロジーテーブルからDUALアルゴリズムで経路の計算が行われると192.168.10.0/24のネットワークへのサクセサ、フィージブルサクセサはどのようになりますか。また、不等コストロードバランスは有効にされていません。(2つ選択)

  1. 192.168.1.2の経路がサクセサに選出される。
  2. 192.168.2.2の経路がサクセサに選出される。
  3. 192.168.1.2の経路がフィージブルサクセサに選出される。
  4. 192.168.2.2の経路がフィージブルサクセサに選出される。
  5. フィージブルサクセサは選出されない。
問題1の解答と解説を表示

解答)A,E

トポロジーテーブルからサクセサとフィージブルサクセサを読み取る問題です。トポロジーテーブルを見てみると、192.168.10.0/24のネットワークへの経路は「192.168.1.2」と「192.168.2.2」の2台のルータから学習していることが分かります。
まずはサクセサを見ていきます。サクセサはフィージブルディスタンスが最も小さい経路です。それぞれの経路のIPアドレスの後に(○○/○○)のように表示されている値がその経路のフィージブルディスタンス(FD)とアドバタイズドディスタンス(AD)です。(フィージブルディスタンス(FD) / アドバタイズドディスタンス(AD))というように表示されます。よって、フィージブルディスタンスの最も小さい「192.168.1.2の経路」がサクセサに選出されます。
次にフィージブルサクセサです。フィージブルディスタンスが2番目に小さい経路がフィージブルサクセサに選出されますが、選出されるためには「サクセサのフィージブルディスタンス(FD) > フィージブルサクセサ候補のアドバタイズドディスタンス(AD)」という条件を満たしている必要があります。今回のトポロジーテーブルを見ると、サクセサ(192.168.1.2の経路)のフィージブルディスタンスは「33280」、フィージブルサクセサ候補(192.168.2.2の経路)のアドバタイズドディスタンスも「33280」と、同じ値になっています。
この場合も条件を満たしていることにはならず、フィージブルサクセサに選出されません。よって、AとEが正解になります。

問題2


EIGRPが動作しているルータで上記のようなトポロジーテーブルが作成されています。このルータから172.16.100.0/24のネットワークへのサクセサがダウンしたとき、どのような動作を行いますか。

  1. ネイバールータにReplyパケットを送信して問い合わせを行い、Active状態に移行する。
  2. ネイバールータにQueryパケットを送信して問い合わせを行い、Passive状態に移行する。
  3. 再計算や問い合わせを行うことなく、フィージブルサクセサに経路を切り替える。
  4. ネイバールータにQueryパケットを送信して問い合わせを行い、Active状態に移行する。
  5. ネイバールータにReplyパケットを送信して問い合わせを行い、Passive状態に移行する。
問題2の解答と解説を表示

解答)C

この問題も、サクセサとフィージブルサクセサに関する問題です。サクセサの選出、フィージブルサクセサの選出については、問題1で解説を行った通りです。
今回は、EIGRPで障害の発生などでサクセサが利用できなくなった際の動作に関する問題です。
トポロジーテーブルの内容からDUALでサクセサが選出されると、サクセサはルーティングテーブルにも登録され、通信の転送先として使用されます。サクセサがダウンして使用不可になった際の動作は、フィージブルサクセサが選出されているかどうかで異なります。

  1. フィージブルサクセサが選出されている場合
    フィージブルサクセサが選出されている場合、サクセサがダウンすると即座にフィージブルサクセサをサクセサに切り替えます。その際に再計算などは行われず、非常に高速なコンバージェンスが可能となっています。また、DUALでのフィージブルサクセサを選出する際の条件によって、再計算を行わなくてもルーティングループが起こることのないような経路を取ることが出来るようになっています。
  2. フィージブルサクセサが選出されていない場合
    フィージブルサクセサが選出されていない場合、即座に経路の切り替えを行うことはできません。ルータは、ネイバールータにQueryパケットを送信して、経路の問い合わせと障害発生の通知を行います。Queryパケットを送信したルータは、経路の再計算を行う必要があるため、「Active状態」に移行して、通信の転送などを行わなくなります。Queryパケットを受け取ったルータは、受け取った宛先への経路の切り替えを行うか、さらにネイバールータにQueryパケットを送信して問い合わせを行います。経路の切り替えを行ったルータは、その情報をネイバールータに通知するために、「Replyパケット」を送信します。Queryパケットを送信したルータがReplyパケットを受信すると、受け取った情報をもとに経路の再計算を行い、新しいサクセサの選出を行います。新しいサクセサが選出されると、ルータは「Active状態」から「Passive状態」へと移行し、通信の転送を再開します。
    「Active状態」と「Passive状態」の意味を間違って覚えることのないように気を付けましょう!!

問題3

EIGRPでのSIA状態について正しい記述は次のうちどれですか。

  1. ルータがPassive状態のままになる。
  2. ルータがActive状態のままになる。
  3. ルータがHelloパケットを受け取っていない。
  4. ルータがAckパケットを待っている状態。

問題3の解答と解説を表示

解答)B

SIA(Stuck In Active)とは、EIGRPが動作してるルータでサクセサが利用できなくなった際に起こる可能性がある状態です。
フィージブルサクセサが選出されていない状態でサクセサがダウンすると、ネイバールータに新しい経路の問い合わせを行うために、Queryパケットを送信します。Queryパケットを受信したネイバールータは、その宛先に対するフィージブルサクセサがあれば、それをサクセサに切り替えてReplyパケットを返します。ここで、フィージブルサクセサが存在しない場合、さらにネイバールータにQueryパケットを送信して経路の問い合わせを行います。このように、何度もネイバールータにQueryパケットを送信するという動作が繰り返され、Replyパケットが返ってこない状態が続いてしまうと、ルータは「Active状態」になったままになってしまい、通信の転送を行うことが出来ません。
また、Replyパケットを返したとしても、ルータが何らかの理由で受け取ることが出来なかった場合なども「Active状態」になったままになってしまいます。
このような状態を「SIA(Stuck In Active)」と呼びます。

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