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【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【OSPF編】Part 3
2019.10.03

【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【OSPF編】Part 3

【CCNP試験対策】練習問題で学ぶCCNP【OSPF編】Part 3

今回から、「練習問題で学ぶCCNP」というタイトルでいろいろと書いていこうと思います!
今回も引き続き、CCNPの試験で出題されるような問題を見ながら、CCNAに比べて深くなった部分や、CCNAでは触れていなかった部分を解説していきます!
CCNAに合格して、次の資格としてCCNPを学習中の方や、またはこれからCCNPの学習を始めようとしている方の助けになれば幸いです。

問題1


上の図のようにルータが接続されていて、OSPFが有効にされている。現在の設定に追加して、エリア1を完全スタブエリアにしようと考えています。
この設定に必要なコマンドは次のうちどれですか。全て選択してください。

  1. R2(config-router)#area 1 stub
  2. R2(config-router)#area 1 stub totally
  3. R2(config-router)#area 1 stub no-summary
  4. R3(config-router)#area 1 stub
  5. R3(config-router)#area 1 stub totally
  6. R3(config-router)#area 1 stub no-summary
問題1の解答と解説を表示

解答)C,D

OSPFには、様々な種類のエリアが存在しています。複数のエリアを使用してOSPFを動作させる際には、中心となるエリア0(バックボーンエリア)、その他の番号で表されるエリアで構成します。
0以外の番号で合わらされるエリアは一般に「標準エリア」と呼ばれます。標準エリアには、特殊な役割をするエリアの設定をすることができ、「スタブエリア」、「完全スタブエリア」、「NSSA」、「完全NSSA」の4つがあります。
それぞれのエリアで、どのタイプのLSAを転送するかどうかということが変化します。
今回は、「完全スタブエリア」の設定です。
完全スタブエリアの設定をするコマンドは「ABRで」
(config-router)#area <エリアID> stub no-summary
の設定を行います。
また、ここで注意が必要な点ですが、ABRで上記のコマンドを設定するだけでは、正常に動作してくれません!!
OSPFでの情報交換には、ルータ同士でネイバー関係を構築する必要があります。このとき、ネイバー関係を確立するための条件がいくつかあったと思いますが、その中の「スタブフラグが同じになっていること」という条件がポイントになります。
この「スタブフラグ」は、そのエリアでスタブエリア等の設定がされているかどうかを表していて、スタブエリアの設定をする際など、それがそろっていないとネイバー関係を確立することが出来ません。したがって、スタブエリアなどの設定を行う際には、スタブエリアに所属するルータ全てで同じ設定をする必要があります。
この問題の場合は、ABRになるルータでは完全スタブエリアの設定、それ以外のエリア1に所属するルータでは通常のスタブエリアの設定をすることが出来ます。

問題2

OSPFのネイバー関係の確立までに遷移する状態のうち、DR/BDRの選出後にどの状態に移行しますか。

  1. DOWM
  2. INIT
  3. 2WAY
  4. EXSTART
  5. EXCHANGE
  6. LOADING
  7. FULL
問題2の解答と解説を表示

解答)D

OSPFでは、プロトコルを有効化してから、ルーティングテーブルの完成(コンバージェンス)までにいくつかの状態に遷移しながら、動作を行います。
OSPFには、主に選択肢の7つの状態があります。それぞれの状態についてまとめます。

  1. DOWN
    OSPFのルータの初期状態です。隣接するルータからのHelloパケットを受信していない状態です。
  2. INIT
    ネイバーからHelloパケットを受信したが、その中に受信側のルータIDが入っていない状態です。
  3. 2WAY
    2台のルータ間でお互いにHelloパケットを交換し、双方向の通信が確立した状態です。マルチアクセス環境の場合は、この状態でDRとBDRの選出を行います。
  4. EXSTART
    経路の情報交換を行う際の最初の状態です。マスターとスレーブ(どちらのルータから先に情報を送るか)を決定し、LSAの情報交換が可能になった状態です。
  5. EXCHANGE
    DBDを相互に交換している状態です。DBDとは、LSDBに格納されているLSAの情報リストのようなものです。
  6. LOADING
    相手のルータから受信したDBDと、自身のLSDBを比較して、自身が持っていないLSAの情報を隣のルータにLSRで要求し、相手からのLSRを受け取った場合、要求されたLSAの情報をまとめて相手にLSUで送信します。
  7. FULL
    LSAの交換が終了して、完全に隣接関係が結ばれた状態です。この状態に遷移した後は、変化が無ければ、30分に1回、LASを交換してデータベースの同期を行います。

問題3


上記の図のようなルータ構成になっており、R2とR3間でバーチャルリンクの設定を行う必要があります。OSPFのバーチャルリンクの設定を正しく行うために必要なコマンドは次のうちどれですか。(2つ選択)

  1. R2(config-router)#area 1 virtual-link 2.2.2.2
  2. R2(config-router)#area 1 virtual-link 3.3.3.3
  3. R2(config-router)#area 2 virtual-link 3.3.3.3
  4. R3(config-router)#area 1 virtual-link 2.2.2.2
  5. R3(config-router)#area 1 virtual-link 3.3.3.3
  6. R3(config-router)#area 2 virtual-link 3.3.3.3

問題3の解答と解説を表示

解答)B,D

OSPFで複数のエリアを使用してネットワークを構成する場合、標準エリアは必ずバックボーンエリアに接続している必要があります。ですが、例外的に「バーチャルリンク」という機能を使用することによって、標準エリアとバックボーンエリアの間に1つのエリアが存在していても、仮想的にリンクを作成することが出来ます。
バーチャルリンクを設定する際は、仮想的なリンクを作成するABR同士で設定します。
設定コマンドは(config-router)#area <通過するエリアID> virtual-link <反対側のルータのルータID> です。
今回の構成では、R2とR3の間でバーチャルリンクを作成し、通過するエリアは「エリア1」ですので、R2ではR2(config-router)#area 1 virtual-link 3.3.3.3、R3ではR3(config-router)#area 1 virtual-link 2.2.2.2 のコマンドを設定することでバーチャルリンクを作成することが出来ます。

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