【CCNA試験対策問題】ネットワークの基礎から学んでいこう!【ルーティングプロトコル編】Part 5
CCNAの取得を目指している方へ向けて、試験範囲の対策問題を作成してみました。
前回に引き続きルーティングプロトコルに関する内容に絞った問題を出題していこうと思います。
ダイナミックルーティングには様々なルーティングプロトコルがあり、CCNAでは代表的な「RIP」と「OSPF」、そしてCisco独自のルーティングプロトコルである「EIGRP」について出題されます。しっかりと理解しておきましょう!
問題1
EIGRPを動作させたルータ同士で、ネイバー関係を確立するために揃える必要がある項目はどれですか。次の中から2つ選択してください。
- サブネットマスク
- AS番号
- HelloインターバルとDeadインターバル
- プロセスID
- ルータID
- K値
問題1の解答と解説を表示
解答)B,F
EIGRPは、拡張ディスタンスベクタ型に分類されるルーティングプロトコルです。このルーティングプロトコルは、ディスタンスベクタ型のプロトコルをベースにして、リンクステート型のルーティングプロトコルの良いところを組み込んだ「ディスタンスベクタ型とリンクステート型の良いとこ取り」のようなルーティングプロトコルです。
EIGRPでは、リンクステート型の特徴にある、「Helloパケットを使用したネイバーの探索と生存確認」の仕組みを取り入れています。ネイバー関係を確立するためには、「AS番号」と「K値」の2つの値をルータ同士で揃える必要があります。
問題2
次の中で、EIGRPのみが持つ特徴として正しいものはどれですか。2つ選択してください。
- クラスフルルーティングプロトコルである。
- ルータの識別のためにルータIDを使用する。
- 等コストロードバランシングを実装している。
- 不等コストロードバランシングを実装している。
- Helloパケットを利用してネイバーを探索する。
- 障害発生時に再計算を行わずに経路の切り替えを行うことが出来る。
問題2の解答と解説を表示
解答)D,F
EIGRPでは、他のルーティングプロトコルとは異なり、等コストロードバランシングだけではなく、「不等コストロードバランシング」に対応しています。等コストロードバランシングが、メトリックが同じ値の経路が複数ある場合に、その経路を全てルーティングテーブルに登録し、通信を分散させて転送する機能であるのに対し、不等コストロードバランシングとは、管理者が指定した範囲で、メトリックが異なる経路もルーティングテーブルに登録し、メトリックの値によって、割合を調整しながら、通信を分散して転送する機能です。
また、OSPFやRIPと比較すると、障害発生時の動作が大きく違います。RIPやOSPFでは、障害を検出したら、それから経路の再計算を行い、別の経路に切り替えていましたが、EIGRPでは、通常時の最適経路となる「サクセサ」に加えて、障害発生時に使用する経路となる「フィージブルサクセサ」という経路もあらかじめ計算して決定しておくという機能があります。
このフィージブルサクセサが選出されている状態で障害が発生すると、ルータは再計算することなく、予備の経路としてフィージブルサクセサの経路を使用するよう、ルーティングテーブルを書き換えます。これによって、障害発生時の非常に高速なコンバージェンスを実現しています。
問題3
EIGRPで学習した全ての経路や、フィージブルサクセサを表示するコマンドはどれですか。
- #show ip eigrp neighbors
- #show ip eigrp topology
- #show ip eigrp route
- #show ip protocols
- #show ip route
問題3の解答と解説を表示
解答)B
EIGRPでは、学習した全ての経路を「トポロジーテーブル」と呼ばれるテーブルに格納します。その中でDUALというアルゴリズムを使用して、サクセサとフィージブルサクセサを選出します。トポロジーテーブルを確認することが出来るコマンドは「#show ip eigrp topology (all-links)」です。
≪間違い選択肢≫
- #show ip eigrp neghborsはネイバーテーブルを表示するコマンドです。このコマンドでは、ネイバー関係を確立している隣接ルータの情報が確認できます。
- このようなコマンドは存在しません。
- #show ip protocolsはルーティングプロトコルに関する情報を一覧表示できるコマンドです。EIGRPのAS番号や、動作させているインターフェース、AD値やK値などを確認することが出来ます。
- #show ip routeはルーティングテーブルを表示するコマンドです。ルーティングテーブルに登録される経路はトポロジーテーブルの全ての経路の中から計算された最適経路(サクセサ)のみになります。また、最適経路が複数ある場合、等コストロードバランシングや不等コストロードバランシングがされていることも確認することが出来ます。
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