【CCNA試験対策】ネットワークの基礎から学んでいこう!【IPv6解説編】Part 2
CCNAの勉強をしている方に向けて、今回もIPv6解説編です!
IPv6アドレスの種類とその特徴をメインに書いていこうと思います。
IPv6の問題が苦手だという方も多いと思いますが、試験を受ける上でこれは覚えておくといいよ!的なことも書いていこうと思うので、お付き合いください!
【目次】
IPv6アドレスの種類
IPv4アドレスの学習をした際にユニキャストアドレス、マルチキャストアドレス、ブロードキャストアドレスといったように通信の届く範囲によってアドレスの種類が複数あったと思います。IPv6アドレスにもアドレスの種類はいろいろ存在しています。その中でも、特に覚えておいてほしいものをピックアップして紹介していきます。
IPv6で覚えておいてほしいアドレスの種類は、ユニキャストアドレス、マルチキャストアドレス、エニーキャストアドレスの3つです。
ここまで読んできたCCNAの勉強中の方は、「おや?あいつがいないぞ。」と思うのではないでしょうか。
既に知っている方も多いかもしれませんが、IPv6では、ブロードキャストが廃止されています!
その部分はマルチキャストが代わりになってくれているわけです。
では、それらの3種類について詳しく書いていきます。
-
ユニキャストアドレス
-
マルチキャストアドレス
-
エニーキャストアドレス
-
特殊アドレス
-
ループバックアドレス
ループバックアドレスはipv4でも出てきましたが自身を表す仮想的なIPアドレスです。IPv4では「127.0.0.1」がループバックアドレスに当たります。IPv6では、「::1」で表されます。
-
未指定アドレス
ユニキャストアドレスは、IPv4でも出てきたと思いますが、1対1での通信をする際に使用されるアドレスです。これは、IPv6になっても意味は変わりません。
マルチキャストアドレスは1対複数の通信に使用されるアドレスです。こちらもIPv4でも出てきたと思います。
複数のインターフェースを同じマルチキャストアドレスが割り当てられた、特定のマルチキャストグループに参加させることによって、1台がマルチキャストアドレスに対して通信を送信すると、その通信が複製されてマルチキャストグループに参加している宛先に送られます。返信にはユニキャストが利用されます。前述したように、IPv6ではブロードキャストアドレスが廃止されたので、その代わりにオールノードマルチキャストアドレス(全てのノード(機器)に対して通信を送るマルチキャストアドレス)を利用します。
マルチキャストアドレスは、アドレスの先頭が「FF●●:~」で始まります。オールノードマルチキャストアドレスは「FF02::1」を使用します。
エニーキャストアドレスはIPv4には無い、IPv6で新しく導入されたアドレスです。エニーキャストは、マルチキャストと同じようにグループを作成し、それらに同じアドレスが割り当てられているという状態は似ています。マルチキャストはその宛先に向かって通信を送るとグループに属するノード全体(複数)に通信を送りましたが、エニーキャストは「そのグループに属するネットワーク的に一番近いノードのどれか1つ」に送られます。
上に書いたような3種類のアドレスの他に、特殊アドレスというものが用意されています。
IPv4でも出てきた「ループバックアドレス」、そして「未指定アドレス」の2つを紹介します。
未指定アドレスは、ノードにまだアドレスが割り当てられていない状態である時にノードが持つアドレスです。IPv6アドレスの自動取得をする場合などに、ノードの初期化段階において送信元アドレスとして使用されます。全ビットが0のアドレスであり、「::」で表記されます。
IPv6アドレスのスコープの範囲
次に、パケットの到達範囲を表す「スコープ」というものについて書いていきます。IPv4でも、グローバルアドレス、プライベートアドレスとあったように、パケットの到達範囲によっても種類分けがされます。その中で、グローバル、ユニークローカル、リンクローカルの3つを紹介しようと思います。
-
グローバル
-
ユニークローカル
-
リンクローカル
グローバルアドレスは、IPv4でも同じように出てきますが、インターネット(WAN)上で使用されるアドレスです。ネットワーク上で一意となるアドレスです。前半の64ビットで「ネットワーク部」を表し、後半部で「インターフェース」を表します。
まえに出てきたアドレスの種類と合わせて、一般には「グローバルユニキャストアドレス」と呼ばれます。これはIANAという組織が管理していて先頭の3ビットが「001」、実際のアドレスでは「2001:~」のような先頭が2で始まるアドレスになります。
ユニークローカルアドレスは、IPv4でのプライベートアドレスのように、ローカルでの使用向けに使われるアドレスです。一般的に「ユニークローカルユニキャストアドレス」のことを指し、「FC00:~」のように表記されます。
リンクローカルアドレスは、DHCPサーバが存在しないネットワークで、各インターフェース毎に初期化する際に自動で生成される、リンクがつながっているところでのみ有効なアドレスです。あまり意識したことは無いかもしれませんがIPv4にもリンクローカルアドレスは存在しています。
IPアドレスを設定しようとしたとき、「169.254.●.●」というアドレスが勝手に設定されていたという経験が無いでしょうか。実はそれがIPv4でのリンクローカルアドレスです。一般にリンクローカルユニキャストアドレスが利用され、このアドレスはルータには中継されないため、インターネット上では使用できないようになっています。リンクローカルアドレスは、先頭の10ビットが「1111111010」と決められており、実際のアドレスでは「FE80:~」で始まるアドレスになります。
まとめ
今回の記事では、IPv6アドレスの種類と特徴を書いてきました。
今回のポイントをまとめました。
- IPv6アドレスの種類で覚えておくものは主に3つ!
- ユニキャスト
→1対1の通信に使用される。 - マルチキャスト
→1対複数の通信に使用される。IPv4までのブロードキャストの代わりもやってくれる。
※IPv6ではブロードキャストは廃止された! - エニーキャスト
→宛先グループ内の一番近いノードへ通信を送る。 - IPv6アドレスのスコープで覚えておくものは3つ!
- グローバル
→インターネット上で利用するアドレス。先頭のビットが「001」、アドレスでは「2●●●:~」で始まる。 - ユニークローカル
→プライベートアドレスのようにローカルでの使用向けのアドレス。アドレスは「FC00:~」で始まる。 - リンクローカル
→接続されたリンク内でのみ有効なアドレス。DHCPなどで自動取得できないときに割り当てられる。アドレスは「FE00:~」で始まる。 - 特殊アドレスで覚えておくものは2つ!
→ループバックアドレス「::1」と未指定アドレス「::」
次回以降の記事では、CiscoルータでのIPv6の設定や、ルーティングについて書いていこうと思います。
↓ IPv6関連のCCNA試験対策問題も作成しているのでそちらもぜひチェックしてみてください!
【CCNA試験対策問題】ネットワークの基礎から学んでいこう!【IPv6編】Part 1
【CCNA試験対策問題】ネットワークの基礎から学んでいこう!【IPv6編】Part 2
【CCNA試験対策問題】ネットワークの基礎から学んでいこう!【IPv6編】Part 3
【CCNA試験対策問題】ネットワークの基礎から学んでいこう!【IPv6編】Part 4
新課程対応のCCNA対策講座 連載リンク
ネットワーク学習の登竜門・・
ゼロからのCCNA独学講座