【CCNA試験対策】ネットワークの基礎から学んでいこう!【IPv6解説編】Part 1
CCNAの勉強をしている方に向けて、今回はいつものように練習問題ではなく、解説編ということで最近のCCNAでも多く出題されているIPv6について書いていこうと思います。
まずは、IPv6の基礎的な知識や、構成、表記方法などについて書いていきます。
IPv6の問題が苦手だという方も多いと思いますが、試験を受ける上でこれは覚えておくといいよ!的なことも書いていこうと思うので、お付き合いください!
【目次】
IPv6の基礎知識
まずは、IPv6アドレスに関する基礎知識から。
IPv6アドレスなんて全く触ったことがない!という方向けに書いていきます。
(そんなの知ってるよ!という方は飛ばしちゃってください。)
IPv6アドレスは現在使われているIPv4アドレスを強化したバージョンとなります。
一般的にIPアドレスと言うと、「192.168.○○.○○」みたいな形をイメージすると思いますが、これはIPv4アドレス(IPアドレスバージョン4)と呼ばれています。
CCNAの学習をしていると知っていることかと思いますが、このIPv4アドレスは2進数(0と1)の32ビットで表現されるアドレスになります。
IPv4アドレスは一般的に多く使われていて、試験でも計算問題が出題されたりとCCNAの学習をする際には欠かせないものです。
しかし、そんなIPv4アドレスにも欠点があります!
それは、前にも書いていたように32ビットというところです。
何が欠点になるかというと、使用できるアドレスの数です。数学が得意な方ならこの時点で「ふーん、なるほどね。」となっていると思いますが、念のため解説を。
2進数では、数を表すのに「0」と「1」の2つの数字しか使えません。つまり、この0と1の組み合わせによって、様々な数を表現しています。ということは、1桁なら「0」と「1」の2つ、2桁なら「00」「01」「10」「11」の4つというように表現できる数が増えていきます。数学的に言うと○桁の2進数で表現できる数値の個数は2º(2の○乗)個ということになります。
そのルールに従って、IPv4アドレスで使用できるアドレスの個数は2³²=4,294,967,296個(約43億個)のアドレスが使用できることになります。一見多そうに見えますが、現在の地球全体の人口は約76億人(2018年)ということなので、実は足りていないんです!
とは言っても、IPv4アドレスはまだまだ一般的には広く使われています。それは、可変長サブネットマスクを使ったり、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを分けてNATで変換すると言ったようにIPアドレスの不足に対する手段がいろいろと考えられているからです。
その手段の中の一つとして、IPv6アドレスという新しいバージョンのIPアドレスが考案されました。
IPv6アドレスの構成と表記方法
ここからは、IPv6アドレスの構成や書き方などの詳しい話をしていこうと思います。
まず、IPv6アドレスは128ビットの2進数で表現されます。IPv4は32ビットだったので、かなり長くなっていることが分かります。128ビットということは、使用できるアドレスの数は2¹²⁸= 約340澗(かん) という聞いたことのないレベルの膨大な数になります。これは、「その辺の石ころにアドレスを個別に割り振ることが出来る」くらいの数らしいです。(ぶっちゃけ全くイメージが浮かびません…)
表記するときには、この128ビットをIPv4アドレスと同じように8ビットずつに区切って10進数に変換して・・・とやっていくと非常に長いアドレス表記になってしまいます。そこで、IPv6では、16ビットごとに区切って16進数で表記します。どっちも16で覚えやすいですね!
IPv4アドレスでは、8ビット毎のまとまり(オクテット)を.(ドット)で区切っていましたが、IPv6アドレスでは16ビットごとのまとまりを、:(コロン)で区切ります。
例えば、下のような表記になります。
1A42 : 34B3 : 0000 : 0000 : 0943 : 0011 : FE25 : 0000
はい、これでも長いですね。
16進数にしていても8ブロックもあり、どうしても長くなってしまいます。
というわけで、IPv6には表記を少しでも短くできるように省略ができるようになっています。
省略のルールとして次の3つが定められています。
-
ブロックごとに先頭の「0」の並びは省略可能。
各ブロックの4文字の中で先頭に来る0は省略できるようになっています。上のアドレスの中だと、
1A42 : 34B3 : 0000 : 0000 : 0943 : 0011 : FE25 : 0000
の青色のブロックの先頭部分の0を省略して
1A42 : 34B3 : 0000 : 0000 : 943 : 11 : FE25 : 0000
というように書くことが出来ます。 -
ブロックのビットが全て「0」の場合には、1つの「0」に省略可能。
ブロックの中のビット(数字)が全て0の時には、1つの0に省略できます。上のアドレスの中では、
1A42 : 34B3 : 0000 : 0000 : 943 : 11 : FE25 : 0000
の緑色のブロックをそれぞれ1つの0に省略して
1A42 : 34B3 : 0 : 0 : 943 : 11 : FE25 : 0
というように書くことが出来ます。 -
ビットが「0」の連続するブロックは「::」と省略可能。ただし、1回のみ使用可能。
2の方法で省略した0のみのブロックが連続して出てくるときには、それらを::(コロン2つ)で省略できます。
上のアドレスの中では、
1A42 : 34B3 : 0 : 0 : 943 : 11 : FE25 : 0
の下線を引いているところを「::」に省略して、
1A42 : 34B3 : : 943 : 11 : FE25 : 0
というように書くことが出来ます。
これらの省略を全て行うと、
1A42 : 34B3 : 0000 : 0000 : 0943 : 0011 : FE25 : 0000
と長かったIPアドレスが
1A42 : 34B3 : : 943 : 11 : FE25 : 0
まで短くなりました。
この省略法は、CCNAの試験にも出題されていたことがあるので、IPv6の学習をする際には、しっかりと覚えておきましょう!
まとめ
今回の記事では、IPv6アドレスの基礎知識と表記方法を書いてきました。
今回のポイントをまとめました。
- IPv6アドレスはIPv4アドレスの枯渇対策として作られた。
- IPv6アドレスは128ビットの2進数で、16ビット単位で「:(コロン)」で区切って16進数で表記する。
- IPv6アドレスは長いので、表記を省略するためのルールが3つある。
- ブロックごとに先頭の「0」の並びは省略可能。
- ブロックのビットが全て「0」の場合には、1つの「0」に省略可能。
- ビットが「0」の連続するブロックは「::」と省略可能。ただし、1回のみ使用可能。
IPv6に関してはまだまだ解説しきれていないことがたくさんあるので、次回以降の記事でも書いていこうと思います。
↓ IPv6関連のCCNA試験対策問題も作成しているのでそちらもぜひチェックしてみてください!
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