Infra Engineer

【CCNP解説_OSPF編 16】LSAのタイプ①
2021.11.30
Lv2

【CCNP解説_OSPF編 16】LSAのタイプ①

LSAのタイプ①


前回はマルチエリアOSPFの特徴や作成時の注意点、ルータの役割について見ていきました。
今回はマルチエリア時にルータ間でやり取りされるLSAについて見ていきましょう。

実はOSPFでやり取りされるLSAは1種類だけではなく、複数の種類があります。

エリア内では各ルータの詳細なインターフェイスの情報を伝え、エリア間では要約されたネットワークの情報などを伝える
といったように、エリア内やエリア間で使用するLSA が変わります。
エリア内だけで送受信されるもの、エリアを越えて送受信されるものなど、OSPFには様々なLSAのタイプがあるため、
ここではそのLSAのタイプと用途について見ていきましょう。


LSAの各タイプの特徴

LSA のタイプにはいくつかありますが、Ciscoルータがサポートしているのは以下の6種類となっています。

 • ルータLSA(LSA Type1)
 • ネットワークLSA(LSA Type2)
 • サマリーLSA(LSA Type3)
 • ASBR サマリーLSA(LSA Type4)
 • AS 外部LSA(LSA Type5)
 • NSSA外部LSA(LSA Type7)

今回はLSAのType1~3までの役割と特徴を見ていきましょう。


ルータLSA(LSA Type1)

ルータLSA(LSA Type1)全OSPFルータがエリアごとに生成し、同一のエリア内の他のルータに自身のインターフェイスの情報を
伝える
際に使用される最も基本的なLSAです。
このLSA 内にはルータID やインターフェイスの情報などの詳細な内容が含まれます。

同一エリア内の各ルータの情報を伝えるためのものなので、エリアを越えて送信されることはありません。

上図の場合、エリア0に属しているRouter1、Router2、Router3、ABR、ASBRが自身のルータIDやインターフェイスの情報を
同一エリアであるエリア0内の他のルータに通知するためにLSA Type1を送受信します。同様にエリア1に属しているRouter4とABRも
エリア1内でLSA Type1を送受信しています。

エリア0側で送受信されているLSA Type1は、異なるエリアであるエリア1のRouter4には届きません。
逆にRouter4が送信するLSA Type1は、エリア0には届きません。

ABRはエリア0とエリア1の両方に属しているインターフェイスを持っているため、エリア0に属しているインターフェイスの情報を
エリア0側に、エリア1側のインターフェイスの情報をエリア1 側にLSA Type1 を送信します。

なお、マルチアクセス環境の場合、図の左側のネットワークではRouter3とASBRはDROther同士であるため、
厳密にはRouter3が送信したLSAは一度DRを介してASBRまで届けられます。


ネットワークLSA(LSA Type2)

ネットワークLSA(LSA Type2)はDRとなっているルータが生成し、DRのルータIDやDRとなっているネットワークでの
IPアドレスなどの情報を、同一エリア内の他のルータに伝える
際に使用されるLSAです。

このLSA もLSA Type1 同様、同一エリア内に情報を伝えるためのものなので、以下の図のようにエリアを越えて送信されることはありません。


サマリーLSA(LSA Type3)

サマリーLSA(LSA Type3)ABRとなっているルータが生成し、エリア内のネットワークの情報を
他のエリアに伝える
際に使用されるLSAです。
このLSA内にはエリア内に存在しているネットワークやサブネットマスク、コストなどの情報が含まれています。

以下の図で見るとエリア0に存在しているネットワークの情報をエリア1側に通知するためにLSA Type3がABRから送信されます。
192.168.1.0/24といったネットワークの情報なので、LSA Type3にはエリア0側に設置されているRouter1やRouter2などの
個々のルータのIDやインターフェイスの情報は含みません。エリア1側から来るLSA Type3も同様です。

このように他のエリアの個々のルータの詳細は通知せず、要約されたネットワーク情報だけを通知することで、
LSDBに保持しておかなければならない情報を少なくしています。

デフォルトではABRはエリア内の全てのネットワーク情報を要約して他のエリアへ送信します。
そのため、大規模なネットワークといったルータに負荷がかかる環境においては、ABRで適切な経路集約を行うことで
ルータの負荷をさらに下げる
ことができます。


今回のまとめ

今回は様々なLSAのうち、Type1からType3までの役割と特徴を確認しました。
LSA Type1とType2は同一エリア内でやり取りされるLSAです。そのため、エリアが1つしかないシングルエリアLSAでは
この2つのLSAのみがやり取りされます。

それに対してマルチエリアにした場合、各エリア内ではシングルエリアと同様にLSA Type1とType2がやり取りされ、
エリア間では新たにLSA Type3がやり取りされます。
このLSA Type3はエリア内のネットワークの情報を要約したもので、他のエリアへとその情報を伝える際に使用されます。
この特徴をしっかりと押さえておきましょう。


 ■今回のポイント

 ・LSA Type1とLSA Type2はエリア内でやり取りされるLSA
 ・LSA Type1はインターフェイスの詳細情報、LSA Type2はDRの情報
 ・LSA Type3はエリア間をまたいでやり取りされるLSA
 ・LSA Type3はエリア内の情報を要約したもので、その情報を他のエリアに送信する際に使用される


【お知らせ】

ブログの筆者が執筆したCCNA・CCNP試験対策参考書が発売されています。
当ブログでは説明しきれない細かい内容やコマンド設定などさらに充実した内容となっていますので、
この機会にぜひ書籍版も手に取ってみてください!

CCNP Enterprise 完全合格テキスト&問題集 [対応試験]コンセントレーション試験 ENARSI(300-410)

Amazon
楽天ブックス
翔泳社

CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301

Amazon
楽天ブックス
翔泳社


CCNP解説 連載目次リンク

CCNP解説 連載目次

当連載執筆講師が所属するITスクールSAK

新試験対応で好評開講中の「CCNP合格保証コース」講座紹介ページ