【独学CCNA】023.ICMP
ゼロからのCCNA独学講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はプライベートIPアドレスとその他の特殊なIPアドレスについて説明しました。
今回はICMPについて説明します。
- ネットワーク層のその他のプロトコル
- ICMP
- pingコマンド
- まとめ
- 確認問題
- タイプ
- コード
- チェックサム
- ネットワーク層にはIP以外にもTCP/IP通信において重要な役割を果たしているプロトコルが存在します。
- ICMPは、TCP/IP通信の通信状況をメッセージとして通知するプロトコルです。
- pingコマンドは、ICMPを利用して通信相手と通信が出来るかどうかをチェックするコマンドです。
- ICMPは、pingコマンドやtracerouteコマンドなどに利用されるプロトコルである。
- pingコマンドを実行すると、送信側が宛先にエコー応答メッセージを送る。
- pingコマンドを実行したが、何らかの理由で宛先に到達できなかった場合は、ルータから送信元にエコー応答メッセージが送られる。
ネットワーク層のその他のプロトコル
OSI参照モデルのネットワーク層について、これまで「IP」というプロトコルについて詳しく説明してきました。
しかし、ネットワーク層には「IP」以外にも通信に重要な役割を果たしているプロトコルが存在します。
今回と次回でそのようなプロトコルを紹介していきます。
ICMP
ICMP(Internet Control Message Protocol)は、TCP/IP通信の通信状況をメッセージとして送出するプロトコルです。
「ping」や「traceroute」というコマンド等に用いられています。
ICMPがどのような役割を果たしているのか、今回はpingコマンドを例に見ていきましょう。
pingコマンド
pingコマンドは、ICMPの「エコー要求(echo request)」メッセージと「エコー応答(echo reply)」メッセージを利用して通信したい相手と通信が出来るかどうか等をチェックします。
まず送信側が宛先にエコー要求を送ります。宛先がエコー要求を受け取ったら、エコー応答を送信側に送り返します。
送信側がこのエコー応答を受け取ることが出来たらpingコマンドが成功した、つまり送信側と宛先が通信出来ているということになります。
もし何らかの理由で宛先まで到達できなかった場合は「宛先到達不能(Destination Unreachable)」メッセージがルータから返ってきます。
では実際にCisco機器でpingコマンドを実行した画面を見てみましょう。
今回のpingコマンドでは5回(デフォルト)のping通信を行っています。
pingが成功した場合は「! ! ! ! !」と表示されます。通信相手と通信することが出来ています。
pingが失敗した場合は「. . . . .」と表示されます。通信相手との通信に失敗しています。
ICMPはこのように、TCP/IP通信の通信状況を確認するために役立っています。
ICMPヘッダ
ICMPメッセージの種類を表します。主な種類は以下のようになっています。
0:エコー応答
3:宛先到達不能
8:エコー要求
11:時間超過
宛先到達不能メッセージの場合に、なぜ到達できないかの理由を示すコード値が入ります。
エラーチェックを行うための値が入ります。
まとめ
確認問題
次のうち正しい選択肢を選んでください。
今回はICMPについて説明しました。
次回はARPについて説明します。