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【CCNP解説_OSPF編 7】DRとBDRの選出基準
2021.04.30
Lv2

【CCNP解説_OSPF編 7】DRとBDRの選出基準

DRとBDRの選出基準


今回はDRとBDRを選出する基準について見ていきましょう。

DRとBDRはネットワークセグメントごとに、Helloパケットにより選出されます。
以前説明したステータス遷移でいうと、2-Wayステートでネイバー関係が構築された後に選出されています。

OSPFでは、ルータプライオリティルータIDの値を基にDRとBDRを選出しています。


ルータプライオリティ

DRとBDRを選出する際は、同一ネットワークでルータプライオリティの値を比較します。
ルータプライオリティは、インターフェイスごとに設定ができるようになっています。
ルータプライオリティはHelloパケット内に含まれているため、ルータ間でHelloパケットを
送受信することで、お互いのルータプライオリティを把握することができます。

ルータプライオリティの値が最も大きいルータがDR、2番目に大きいルータがBDRに選出されます。

インターフェイスのルータプライオリティのデフォルト値は1で、設定によって0から255までの
任意の値を設定することができます。ルータプライオリティの値を0にした場合は、
DRやBDRに選出されず、強制的にDROtherとなります。

そのため、DRやBDRを選出するマルチアクセス環境で全ルータのプライオリティを
0にしてしまうと、正常に動作しなくなる
ので設定時には注意が必要です。


ルータID

ルータプライオリティの値が同じだった場合は、次にルータIDの大小関係によってDRとBDRを選出します。
ルータIDは各ルータを識別するためのもので、OSPFを動作させているルータ間で
一意となる必要があります。このルータIDを比較し、ルータIDが最大のルータがDR、
2番目に大きいルータがBDR
となります。

ルータIDは32ビットの値で、OSPFでやり取りされるパケットの共通ヘッダに含まれています。
ルータIDは手動で設定できますが、設定しなかった場合、自動でルータIDが決定されます。

ルータIDは次の順番に決定されます。

 1.コマンドによる手動設定
 2.有効なループバックインターフェイスのIPアドレスの中で最も大きなIPアドレス
 3.有効な物理インターフェイスのIPアドレスの中で最も大きなIPアドレス

安定した値が設定されることが望ましいため、このような順番となっています。
ケーブルの状態などにより、up/downする可能性のある物理インターフェイスよりも、
意図的にシャットダウンしない限り、downしないループバックインターフェイスの方が優先されます。

インターフェイスは、OSPFが動作していなくてもupしているインターフェイスであれば
ルータID選出の対象となります。

なお、ルータIDはOSPFの各ルータで一意の値となる必要があるため、同じルータIDを持つ
ルータ同士ではネイバー関係を構築することができない
点にも注意が必要です。


今回のまとめ

OSPFでは、DRとBDRをルータプライオリティとルータIDという2つの値を用いて、
その大小関係を比較して選出しています。
ルータプライオリティの最も大きなルータがDR、2番目のルータがBDRとなります。

ルータプライオリティが同じで差が付かない場合は、次にルータIDの大小関係を
比較してDRとBDRを選出します。ルータIDも最も大きな値が設定されているルータが
DRとなります。


 ■今回のポイント

 ・DRとBDRはルータプライオリティとルータIDという2つの値を用いて選出している
 ・ルータプライオリティの値が最も大きいルータがDR、2番目に大きいルータがBDRとなる
 ・ルータプライオリティの値が同じ場合、ルータIDの大小の比較でDRとBDRを選出する
 ・ルータIDは以下の順番で決定される
  1.コマンドによる設定
  2.ループバックインターフェイスのIPアドレスで最大のIPアドレス
  3.有効な物理インターフェイスのIPアドレスの中で最大のIPアドレス


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