【CCNP解説_OSPF編 3】OSPFで作成される3種類のテーブル
OSPFで作成される3種類のテーブル
OSPFでは5種類のパケットを用いて情報の交換を行い、3種類のテーブルを作成します。
また、情報交換の過程において最大8種類のステータスを遷移していきます。
今回はOSPFで使用される3種類のテーブルについて説明します。
3種類のテーブル一覧
OSPFでは次の3種類のテーブルを作成・更新することで、
ネットワークの経路情報を制御していきます。
テーブル名 | 役割 |
---|---|
ネイバーテーブル | 隣接しているネイバーを登録するテーブル |
LSDB(トポロジテーブル) | 収集した各ルータのLSAを登録するテーブル |
ルーティングテーブル | 宛先ネットワークへの最適なルートを登録するテーブル |
ネイバーテーブル
ネイバーテーブルはHelloパケットの交換によってネイバー関係を築いたルータ一覧を
格納するテーブルです。
OSPFでは、ネイバー関係を築くためには、Helloインターバル、Deadインターバル、
サブネットマスク、エリアID、オプションに含まれるスタブフラグ、認証の情報
が一致していなければいけません。これらの情報が全て一致したルータをネイバーとみなし、
ネイバーテーブルに格納します。
LSDB(トポロジテーブル)
OSPFではネイバー関係を築いたのちにLSAの情報交換を開始します。DBDパケット、LSRパケット、
LSUパケット、LSAckパケットのやり取りを通じてLSAを交換します。
各ネイバーから収集したLSAは全てこのLSDB内に保持され、ルーティングテーブルを作成する
ための情報とします。
LSDBはLSAが格納された入れ物のように考えると分かりやすいでしょう。
ルーティングテーブル
最終的に作成される経路情報が記載されたテーブルです。
OSPFではLSDBに交換した全LSAが格納されています。そのLSDBの情報を基に、
ダイクストラのアルゴリズムにより、コストが最も小さい最適な経路を選出します。
その最適経路がルーティングテーブルに登録され、実際の通信の転送に用いられます。
今回のまとめ
OSPFでは動作の過程で3つのテーブルを作成しています。OSPFの簡単な流れをまとめると、
Helloパケットを交換してネイバー確立
⇓
ネイバーテーブル作成
⇓
ネイバーとLSAの情報交換実施
⇓
LSDB(トポロジテーブル)作成
⇓
LSDBから最適経路計算
⇓
ルーティングテーブル作成
となっています。この流れとテーブルの役割を押さえておきましょう。
■今回のポイント
・OSPFでは3つのテーブルが作成される
・ネイバーテーブルはネイバー情報一覧が登録されている
・LSDB(トポロジテーブル)は収集したLSA一覧が登録されている
・ルーティングテーブルは求められた最適経路が登録されている
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