【初級者向け】Linux基礎 ~コマンドを実行する~
今回の内容
・LinuxのCUIを使用して、コマンドを実行する方法
覚えておきたいキーワード
・シェル
・コマンド
・オプション
・引数
シェルとは
シェルは、ユーザーインターフェース(UI)を提供するプログラムです。私たちが入力したコマンドをコンピュータに伝える橋渡しを行ってくれています。
これから学んでいくコマンドは、このシェルがあるからこそ使用できます。言うなれば、コマンドの受付カウンターみたいなものですね。私たちの要望を聞いて、担当に引き継いでいるのです。
シェルには様々な種類があり、その種類に応じて解釈できるコマンドやプログラムに違いがあります。
Linux標準で使用されているのは、bashという種類のシェルです。
コマンドプロンプト
シェルがコマンドの入力を待ち受けている状態を表す記号をプロンプトといいます。
言い換えれば、プロンプトが表示されている状態の時にはコマンドを入力し、実行することが可能となります。
処理に時間がかかるコマンドを実行すると、その処理が終了するまでプロンプトは表示されません。
bashのプロンプトには管理者を表す「#」(ハッシュ)と一般ユーザーを表す「$」の2種類があります。
これにより、一目でどちらの権限のユーザーを使用してコマンドを実行するのかが分かるようになっています。
また、bashの初期状態では、ユーザー名、ホスト名(マシン名称)、現在参照中のディレクトリ名が表示されています。これらは設定により変更することも可能です。
・一般ユーザーのプロンプト
・管理者のプロンプト
・管理者のプロンプト(/tmpディレクトリ参照時)
コマンドの書式
次に、コマンドの書式についてみていきましょう。
コマンドはコマンド、オプション、引数の3つを使って実行します。
コマンド:特定の操作を行うプログラム(スクリプト)
オプション:コマンドの動作を変更するパラメータ
引数:コマンドの対象
一般的にコマンドは以下の形で入力し、実行します。
※各項目の間には半角スペースを空けてください。
※[]は場合によって省略される項目となります。
引数はコマンドの対象となり、引数を必要としないコマンドや複数の引数が必要なコマンドがあります。コマンドによって違いますので、都度チェックしておきましょう。
複数の引数が必要なコマンドの具体的な例を挙げると、ファイルのコピーがこれにあたります。「どのファイルを」「どこへ」という2つの情報が必要になるということです。
コマンド実行例
では実際にコマンドを実行してみましょう。今回はコマンドの実行の仕方を理解することが重要ですので、基本的なコマンドのひとつであるlsコマンドを例に挙げます。
■ lsコマンド(オプションなし)
カレントディレクトリ配下にあるディレクトリやファイルの名称一覧を出力する
■ lsコマンド(オプション:-l)
カレントディレクトリ配下のディレクトリやファイルの詳細情報を出力する
■ lsコマンド(引数:/home)
/homeディレクトリ配下のディレクトリやファイルの名称一覧を出力する
■ lsコマンド(オプション:-l 引数:/home)
/homeディレクトリ配下のディレクトリやファイルの詳細情報を出力する
オプションと引数を同時に使用する場合は、オプションを先に書く形が一般的です。
(オプションを後ろに持ってきても実行自体は可能です)
それぞれ実行してみると、同じコマンドでもオプションや引数の有無によって出力結果が違うことが分かるかと思います。
他のコマンドについても同様のことが言えますので、上記の基本だけでも今回はきっちり押さえておきましょう!
まとめ
今回はLinuxのCUIを使用してコマンドを実行する方法についてみてきました。
ひとつひとつのコマンドについては後の記事で扱いますので、オプションや引数の意味とコマンド書式については今回しっかりと覚えておきましょう!
それでは今回はこのあたりで。
確認問題
以下のうち正しい記述はどれか。
A) 管理者のコマンドプロンプトは「$」である。
B) 一般ユーザのコマンドプロンプトは「%」である。
C) Linuxの標準シェルはbashである。
D) コマンドの引数は必ずオプションの後に記述する必要がある。