Infra Engineer

イーサネット①
2020.10.01
Lv1

イーサネット①

前回TCP/IPのモデルについて説明しました。今回からはそれぞれの層の主要なプロトコルや機能などについて詳しく説明していきます。今回はリンク層で利用されるプロトコルであるイーサネットとなります。

イーサネット

イーサネットは現在のLANで最も利用されているリンク層(OSI参照モデルで言えば物理層とデータリンク層)のプロトコルとなります。
機器間を接続する有線ケーブルやデータの形式などについて規定しています。
機器と機器を接続する際にはケーブルを使用した有線接続とスマートフォンのように電波を使用する無線接続がありますが、イーサネットは有線ケーブルなどの規定をしています。
まずは機器と機器を接続する有線ケーブルから見ていきましょう。

有線ケーブルの種類

機器間を接続する有線ケーブルでよく見かけるのは以下の2つです。

光ファイバケーブル

 光を反射させながら伝搬するケーブルです。コアと呼ばれる高屈折部分をクラッドと呼ばれる低屈折部分で覆った構造となっており、光はコアを反射しながら進みます。
コア内をいくつかの光の通り道に分けて信号を伝搬するマルチモードファイバと1つの光の通り道で信号を伝搬するシングルモードファイバがあります。
マルチモードファイバは伝搬中の損失や劣化がシングルモードファイバに比べて多くなりますが、安価で使用できます。シングルモードファイバは劣化が少ないため長距離接続に向いています。ユーザに近いところよりはネットワークの中心部などで利用されます。

ツイステッドペアケーブル(LANケーブル)

2本の導線より合わせてペアにしたケーブルです。LANでよく使われているケーブルでユーザのPCなどの接続に使用されるため、身近でよく見かけることができます。
シールドで保護されたSTP(Shielded Twisted Pair)とUTP(Unshielded Twisted Pair)が
ありSTPのほうがノイズに強いのですが、取り回しのしやすさからUTPがよくつかわれます。LANケーブルと呼ばれます。

LANケーブルの種類

LANケーブルについてもう少し見ていきましょう。
LANケーブルの接続口には電極(ピン)があり、よく利用されるLANケーブルは4対8線なので8つのピンがあることになります。
LANケーブルにはストレートケーブルとクロスケーブルがあり、このピンの並びに違いがあります。

ストレートケーブル

ケーブルの両端でピンの並びが同じになっているのがストレートケーブルとなります。

クロスケーブル

ケーブルの両端でピンの並びが異なっているのがクロスケーブルとなります。内部で銅線がクロスしているため並びが異なっています。

MDIとMDI-X

機器ごとにLANケーブルの差込口の仕様が異なっており、この2つのケーブルはどういった機器に接続するのかで使い分けます。
LANポートの仕様にはMDIとMDI-Xの2種類あり、種類により送受信に使用するピンが異なっています。
パソコンやルータなどの機器はMDIとなっており、MDIは1と2を送信に使用し3と6を受信に使用します。
それに対してスイッチやハブなどはMDI-Xとなっています。MDI-Xは1と2を受信に使用し3と6を送信に使用します
そのためPCとスイッチ、ルータとスイッチといった組み合わせの場合、PC側は1と2かから送信し3と6で受信、スイッチ側は1と2で受信し3と6で送信といったように向かい合うピンで送信と受信がうまくかみ合っています。つまりそのまま向かい合うポートを銅線でつなげばよいのでストレートケーブルを使用することになります。

PCとルータ、スイッチとスイッチといった組み合わせの場合、PC側は1と2から送信しルータも1と2から送信となり、向かい合うポートで送受信がかみ合いません。3と6ピンも同じです。
そのため、受信と送信を結ぶには銅線がクロスしているクロスケーブルを使用することになります。

同じ仕様の機器同士はクロスケーブル、異なり仕様の機器はストレートということになります。