Infra Engineer

TCP/IPモデル
2020.10.01
Lv1

TCP/IPモデル

TCP/IPモデル
 第3回と第4回では、OSI参照モデルを取り上げました。OSI参照モデルは概念としては残っていますが、OSIプロトコルの方は実際には使われておらず現在の主流はTCP/IPモデルとなっています。今回はそのTCP/IPモデルについて見ていきましょう。

TCP/IPモデルの4階層

TCP/IPモデルも通信に必要な機能が階層化されていますが、OSI参照モデルとは違い4階層となっています。OSI参照モデルの層と完全に一致するわけではありませんが、2つの下位層構造を並べると以下のようになっています。

TCP/IPモデルの各層の役割

次にそれぞれの層の役割について見ていきましょう。各層のプロトコルについての詳細は次回以降の連載で説明します。

アプリケーション層

 アプリケーション間のデータのやり取りを行う層がアプリケーション層となります。メールを送る際に使用されるSMTPやWebページを閲覧する際に使用されるようなHTTPなどのプロトコルがアプリケーション層に該当します。

トランスポート層

アプリケーション層のプロトコル間の通信制御を行うのがトランスポート層となります。またトランスポート層の下位層とアプリケーション層の橋渡しを行います。
Webブラウザやメーラなど複数のアプリケーションが起動していたとしても、端末に届いたデータがWebのデータならWebブラウザへ渡すといったように対象のアプリケーションに橋渡しします。また信頼性の確保なども行います。
代表的なプロトコルとしてTCPやUDPがあります。

インターネット層

エンドツーエンドの通信を制御するのがインターネット層となります。通信相手を識別するためのアドレスの規定などがあります。IPがインターネット層に該当するプロトコルとなります。

リンク層

同一回線上にある直接接続されている機器間での通信を制御するのがリンク層となります。
直接接続されている機器を識別するためアドレスの規定やデータを電気や電波などに変えて送るためのプロトコルがあります。
リンク層で利用されるプロトコルにはEthernetなどがあります。

TCP/IPモデルのカプセル化

 TCP/IPモデルでも各層で必要な情報を付与していき最終的に送信されるデータが出来上がります。
 例としてここではメールを送信する際のカプセル化を見ていきましょう。
メールを送信する際にはアプリケーション層にSMTP、トランスポート層にTCP、インターネット層にIP、リンク層にEthernetを使用します。
それぞれのプロトコル固有の情報をヘッダとしてデータに付与していきます。
順番は送信側がアプリケーション層→トランスポート層→インターネット層→リンク層の順番にヘッダを付与していき、受信側はその逆にヘッダをチェックし取り外していきます。

次回からはTCP/IPの各層のプロトコルについて詳しく見ていきましょう。