ファイルシステムの作成~mkfsコマンド・mkswapコマンド~
本記事の対象者
LPIC level1習得を目指す初学者の方
コマンドの基本的な用途について、要点を絞って解説します。
今回の内容
今回は、mkfsコマンドとmkswapコマンドについて解説します。
両方ともファイルシステムの作成に関するコマンドです。
ファイルシステムそのものについて知りたいという方は、こちらの記事を参照してください。
ハードディスクを使用するための過程
「パーティションについて」の記事で説明した通り、Linuxでハードディスクを接続して使用するには、以下の過程が必要です。
①デバイスファイルを作成する。(基本的には自動で作成される。)
②ディスク内にパーティションを作成する。
③パーティション内にファイルシステムを構築する。
④ファイルシステムをマウントする。
今回の記事は、③のファイルシステムの作成に関わるコマンドの解説です。
mkfsコマンド
mkfsコマンドは、パーティション上にファイルシステムを作成するコマンドです。
mkfs | |
---|---|
意味 | ファイルシステムを作成する。 |
書式 | mkfs [-t ファイルシステムタイプ] [オプション] デバイスファイル名 |
「-t」オプションで、作成するファイルタイプを指定します。(デフォルトはext2)
[root@localhost ~]# mkfs -t xfs /dev/sda1 meta-data=/dev/loop0 isize=512 agcount=4, agsize=6400 blks = sectsz=512 attr=2, projid32bit=1 = crc=1 finobt=0, sparse=0 data = bsize=4096 blocks=25600, imaxpct=25 = sunit=0 swidth=0 blks naming =version 2 bsize=4096 ascii-ci=0 ftype=1 log =internal log bsize=4096 blocks=855, version=2 = sectsz=512 sunit=0 blks, lazy-count=1 realtime =none extsz=4096 blocks=0, rtextents=0
mke2fsコマンド
mke2fsコマンドは、ext2,3および4のファイルシステムを作成するためのコマンドです。
mke2fs | |
---|---|
意味 | ext2,ext3,ext4のファイルシステムを作成する。 |
書式 | mke2fs [オプション] デバイスファイル名 |
mke2fsコマンドの主なオプションは以下です。
オプション | 説明 |
---|---|
-t | ファイルシステムの種類を指定する。(デフォルトはext2) |
-j | ext3ファイルシステムを作成する。 |
-c | 実行前に不良ブロックを検査する。 |
-n | 実際にはファイルシステムを作成せず、作成した場合のように結果を出力する。 |
[root@localhost ~]# mke2fs -t ext4 /dev/sda1 mke2fs 1.42.9 (28-Dec-2013) Discarding device blocks: done Filesystem label= OS type: Linux Block size=1024 (log=0) Fragment size=1024 (log=0) Stride=0 blocks, Stripe width=0 blocks 25688 inodes, 102400 blocks 5120 blocks (5.00%) reserved for the super user First data block=1 Maximum filesystem blocks=33685504 13 block groups 8192 blocks per group, 8192 fragments per group 1976 inodes per group Superblock backups stored on blocks: 8193, 24577, 40961, 57345, 73729 Allocating group tables: done Writing inode tables: done Creating journal (4096 blocks): done Writing superblocks and filesystem accounting information: done
「mke2fs」コマンドは、ext2,3,4のファイルシステム作成のみに使用します。
対して「mkfs」コマンドは、XFSなどext以外のファイルシステム作成にも使用可能です。
mkswapコマンド
mkswapコマンドは、スワップ領域を作成するためのコマンドです。
通常、スワップ領域として独立したパーティションを割り当てます。
システムには最低1つのスワップ領域が必要です。
参考:パーティションレイアウト時の注意事項
mkswap | |
---|---|
意味 | パーティション上に、スワップ領域を割り当てる。 |
書式 | mkswap デバイスファイル名 |
[root@localhost ~]# mkswap /dev/sda1 スワップ空間バージョン 1 を設定します。サイズ = 1000 MiB (1048571904 バイト) ラベルはありません, UUID=b31da3ef-1bc4-deca-1243-df332aaffae4
まとめ
今回は、ファイルシステムの作成コマンドについて解説しました。
作成したファイルシステムのマウントについては、別記事で解説する予定です。
最後に、確認問題で今回の内容を確かめてください。
確認問題
オプションなしで実行した場合、mkfsによって作成されるファイルシステムのタイプはどれですか。
A) XFS
B) ext2
C) ext3
D) ext4