Infra Engineer

パーティションレイアウト時の注意事項
2022.01.31
Lv1

パーティションレイアウト時の注意事項

本記事の対象者

LPIC level1習得を目指す初学者の方
コマンドの基本的な用途について、要点を絞って解説します。


今回の内容

今回は、パーティションレイアウト時の注意事項について解説します。

必須パーティション
推奨パーティション
パーティションレイアウト時の注意事項
パーティションレイアウト例
まとめ

必須パーティション

Linuxのインストール時に、用途に応じてディスクをパーティションに割り当てます。

Linuxには「必須パーティション」として「ルートパーティション」と「スワップ領域」が必要です。
また、Linuxの標準的なディレクトリ構成であるFHSに従ってパーティションを切ることが推奨されています。

FHS(Filesystem Hierarchy Standard)
Linuxの標準的なディレクトリ構成を定めた標準仕様です。たとえば「/etcディレクトリには設定ファイルを置く」など、ディレクトリの名前や構成、ファイルの名前などについての「標準」です。
必須パーティション名称 説明
ルートパーティション(/) 「/」(ルートディレクトリ)を含むパーティション。他のすべてのパーティションは、ルートパーティションにマウントされることでカーネルに認識されます。
スワップ領域 物理的なメモリの不足時に、仮想的なメモリ領域として一時的に使用できるパーティション。搭載している物理メモリが小さい場合は、スムーズな動きに欠かせない重要なパーティション。

推奨パーティション

FHSで定められてた以下のディレクトリは、ディスクの障害発生時の被害を最小限にする、障害発生時の復旧を速やかに行えるようにするという観点から、独立したパーティションを割り当てることがあります。

ディレクトリ名 説明
/home 一般ユーザーが利用するパーティションで、その一般ユーザーによる書き込みが頻繁に発生するため、パーティションに切ることがあります。
/var システム(ログ、データベース、メールファイル等)による書き込みが頻繁に発生するため、パーティションに切ることがあります。
/usr ユーザー(ユーザーが共有するプログラムや設定ファイル)による書き込みが頻繁に発生するため、パーティションに切ることがあります。
/boot ハードディスクの先頭の領域(MBR)に配置する為に、パーティションに切ることがあります。基本的に容量が増えることはないので、必要最低限の100MB程度のみ確保するのが一般的です。
/tmp ユーザー共有の一時ファイルが多くなる共有サーバー等では、パーティションに切ることがあります。

パーティションレイアウト時の注意事項

パーティションのレイアウト時の注意事項としては、主に以下のようなものがあります。

  • ルートディレクトリ用は、各ディストリビューションの動作環境が求める容量以上でなければいけませんが、必要以上に大きくする必要もない。
  • スワップ領域は、物理メモリと同程度か、2倍程度。十分な物理メモリがある場合は少なくてよい。
  • 個人用のコンピュータであれば、スワップ領域以外はすべて「/」でもよい。
  • 共有PCには、「/usr」「/home」「/tmp」を多く割り当てる。
  • サーバー用途の場合、「/var」を多く割り当てる。
  • 「/boot」や細かく切った「/」など、容量が増えないパーティションは必要最低限を割り当てる。
  • 「/home」は残りのディスク容量分でパーティションを割り当てる。

パーティションレイアウト例

パーティションレイアウトの一例です。

想定
500GBのハードディスク、8GBのメモリ、ユーザ100人が利用するファイルサーバを想定。スワップ領域は物理メモリと同程度確保。 /bootディレクトリの領域(約100MB)は確定。それ以外のパーティションについては、要件に基づいて割り当てていきます。
分割パーティション 容量
スワップ領域 8GB
/ 10GB
/boot 100MB
/usr 10GB
/tmp 20GB
/var 10GB
/home 441GB

まとめ

今回は、パーティションのレイアウトについて解説しました。
パーティションのレイアウトに正解はありません。用途に応じて適切にレイアウトしましょう。