【独学CCNA】082.IPv6の設定①
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はSLAACについて説明しました。
今回はIPv6の設定について説明します。
- IPv6の設定コマンド
- まとめ
- 確認問題
IPv6の設定コマンド
Ciscoルータにおいて、IPv4パケットの転送はデフォルトで実行することが出来ますが、
IPv6パケットの転送は必要な設定をしないと実行することが出来ません。
IPv6アドレスを使用したパケット転送が出来るようになるまでのコマンドを見ていきましょう。
ルータでのIPv6有効化
ルータでIPv6のパケットを転送できるようにするためには、まずIPv6ルーティングを有効にする必要があります。
そのために、グローバルコンフィギュレーションモードで以下のコマンドを入力しておく必要があります。
(config)#ipv6 unicast-routing
インターフェースでのIPv6有効化とリンクローカルユニキャストアドレス
ルータでIPv6ルーティングを有効にした後は、IPv6アドレスをインターフェースに設定する必要があります。
以下のコマンドを実行し、インターフェースにIPv6アドレスを設定してみましょう。
(config-if)#ipv6 enable
このコマンドを実行すると、EUI-64形式でリンクローカルユニキャストアドレスを自動で生成してくれます。
しかし、EUI-64形式で自動生成されると管理がしづらいため、以下のコマンドでリンクローカルユニキャストアドレスを手動で設定することも出来ます。
(config-if)#ipv6 address [アドレス] link-local
グローバルユニキャストアドレスの手動設定
必要な場合はグローバルユニキャストアドレスを設定しましょう。
インターフェースコンフィギュレーションモードで以下のコマンドを実行すると、手動でグローバルユニキャストアドレスをインターフェースに設定することが出来ます。
(config-if)#ipv6 address [アドレス]/[プレフィックス長] (eui-64)
EUI-64形式でインターフェースIDを設定したい場合は、末尾にeui-64と指定してください。
勿論、手動でインターフェースIDを設定する場合はeui-64の指定は不要です。
また、もしリンクローカルユニキャストアドレスを設定せずにグローバルユニキャストアドレスを設定すると、EUI-64形式でリンクローカルユニキャストアドレスが自動的に設定されます。
グローバルユニキャストアドレスの自動設定
もしSLAACを用いて自動的にグローバルユニキャストアドレスをインターフェースに割り当てたい場合は、インターフェースコンフィギュレーションモードで以下のコマンドを実行します。
(config-if)#ipv6 address autoconfig
まとめ
- CiscoルータではIPv6パケットの転送はデフォルトでは実行できない。
- IPv6ルーティングを使用するためには「ipv6 unicast-routing」コマンドを実行する。
- IPv6アドレスをインターフェースに割り当てるには、「ipv6 address」コマンドを実行する。
確認問題
SLAACを用いてグローバルユニキャストアドレスを設定する際には、どのコマンドを実行する必要がありますか。
- ipv6 address 2001::/64 eui-64
- ipv6 address fe80::1/64 link-local
- ipv6 address autoconfig
- ipv6 enable
今回はIPv6の設定コマンドについて説明しました。
次回はIPv6の設定コマンドを入力し、IPv6環境の構築を実践してみましょう。