マウントとは
本記事の対象者
LPIC level1習得を目指す初学者の方
コマンドの基本的な用途について、要点を絞って解説します。
今回の内容
今回は、マウントについて解説します。
ハードディスクを使用するための過程
「パーティションについて」で説明した通り、Linuxでハードディスクを使用するには以下の過程が必要です。
①デバイスファイルを作成する。(基本的には自動で作成される。)
②ディスク内にパーティションを作成する。
③パーティション内にファイルシステムを構築する。
④ファイルシステムをマウントする。
今回の記事では、④で登場する、「マウント」とは何かについて解説します。
なお、実際のマウントのやり方については別記事で解説します。
マウントとは
WindowsにUSBメモリや外付けハードディスクを接続した時、多くの場合は自動的にOSに認識され使用可能になるかと思います。
図1 Windowsでは接続すれば以下のようにデバイスが認識され、ドライブとして操作可能になる
しかし、LinuxにはWindowsのようなドライブレターという概念がなく、上記のような過程を踏まなければデバイスを操作することはできません。
ディスク内にパーティションを作成し、その中にファイルシステムを作成しましたが、これをLinunxのディレクトリ構造の中、ファイルシステムの中にくっつけなければ扱えるようにならないのです。
そしてこの最後の「くっつける」作業がマウントです。
マウントすることによってデバイスはOSに認識され、利用可能な状態になります。
もう少し難しい言い方をすると、マウントとは、あるファイルシステムに別のファイルシステムを組み込み、全体として単一のファイルシステムとして扱えるようにすることです。
実際には、ディレクトリに結合する形でマウントします。
マウントポイント
ディレクトリにファイルシステムを結合することがマウントであると説明しましたが、この結合対象のディレクトリのことを「マウントポイント」と言います。
マウントポイントをどこにするのかという問題ですが、仕組みとしては「/」以下であれば基本的にどのディレクトリもマウントポイントにすることができます。
しかし、一般的には「/media」や「/mnt」以下の空のディレクトリをマウントポイントにすることがほとんどです。
図のようにマウントすることによって、「sak」ディレクトリは「/media/hdd/sak」として操作可能になります。
この場合のマウントポイントは「/media/sak」になります。
まとめ
今回は、ファイルシステムのマウントについて解説しました。
マウントすることによってはじめて、デバイスはOSに認識され、使用可能になります。
はじめに説明した通り、マウントとはファイルシステムにファイルシステムを結合することを言います。
よって、必ずしも物理的に接続されたデバイスだけの話ではありません。
ネットワークを通じて、異なるサーバーのファイルシステムにマウントすることなども可能です。
そうすると、異なるサーバーのディレクトリを自身のファイルシステムの一部のように扱うこともできます。
実際のマウントのやり方については、別記事で解説します。