Infra Engineer

【独学CCNA】081.SLAAC
2022.03.31
Lv1

【独学CCNA】081.SLAAC

本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はSLAACについて説明しました。
今回はIPv6の設定について説明します。

  • SLAAC
  • SLAACによるIPv6アドレス生成
  • まとめ
  • 確認問題

SLAAC

SLAAC(Stateless Address Auto Configuration)とは、IPv6に標準で組み込まれている、IPアドレスの自動設定を行う機能です。
DHCPサーバがなくてもIPv6アドレスを割り当てることが出来る、便利な機能です。
SLAACを実行する際にはNDPというプロトコルを使用します。
NDPを使ってIPv6アドレスを自動設定する際には、ICMPv6の4つのメッセージが使用されています。

NS(Neighbor Solicitation)

MACアドレスを解決するための要求を表す。IPv4のARP要求にあたる。

NA(Neighbor Advertisement)

NSに対する応答を表す。IPv4のARP応答にあたる。

RS(Router Solicitation)

端末からルータに対して、プレフィックスやデフォルトゲートウェイなどの情報を取得したい場合の要求を表す。

RA(Router Advertisement)

RSへの応答を表す。ルータから定期的に送信されているが、ルータがRSを受信した際には即座にRAを応答する。

では、これらのメッセージを使用してどのようにIPアドレスを自動設定しているかを見ていきましょう。

SLAACによるIPv6アドレス生成

PCがSLAACを使用するように設定すると、まずはPCのリンクローカルアドレスがEUI-64形式で自動設定されます。
(但し、既に手動で設定している場合は自動設定を省略します。)
このリンクローカルアドレスを送信元として、FF02::2(リンクローカル内の全ルータ宛てのマルチキャストアドレス)宛てにRSメッセージを送信します。

RSメッセージを受け取ったルータはRAメッセージをPCに返信します。
RAメッセージにはインターフェースのプレフィックス情報が含まれているため、これを基にPCはプレフィックスを決定します。

最後に自身のMACアドレスから作成したEUI-64形式のインターフェースIDを付加して、IPv6アドレスが完成します。

まとめ

  • SLAACとは、IPv6に標準で組み込まれているIPアドレスの自動設定を行う機能である。
  • SLAACにはNDPというプロトコルが使われており、NDPにはICMPv6のメッセージが使用されている。
  • RSメッセージとRAメッセージを交換して得たプレフィックス情報に、EUI-64形式で作成したインターフェースIDを付加してIPv6アドレスを自動生成する。

確認問題

次のうち、正しい選択肢を選んでください。

    1. SLAACとは、IPv4アドレスを自動的に設定してくれる機能のことである。
    2. SLAACは、ルータからプレフィックス情報を得て、インターフェースIDをEUI-64形式で作成し、IPv6アドレスを生成します。
    3. クライアントがRSメッセージを送信する際には、ルータのIPv6アドレスを宛先として送信します。
解答・解説
答え:2

1)SLAACとは、IPv6アドレスを自動的に設定してくれる機能のことです。
2)正解です。SLAACはRSメッセージとRAメッセージを交換して得たプレフィックス情報に、EUI-64形式で作成したインターフェースIDを付加してIPv6アドレスを自動生成します。
3)クライアントがRSメッセージを送信する際は、FF02::2(リンクローカル内の全ルータ宛てのマルチキャストアドレス)宛てにRSメッセージを送信します。


今回はSLAACについて説明しました。
次回はIPv6の設定コマンドについて説明します。

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当連載を執筆している講師陣が所属するITスクールSAK

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