【独学CCNA】081.SLAAC
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はSLAACについて説明しました。
今回はIPv6の設定について説明します。
- SLAAC
- SLAACによるIPv6アドレス生成
- まとめ
- 確認問題
SLAAC
SLAAC(Stateless Address Auto Configuration)とは、IPv6に標準で組み込まれている、IPアドレスの自動設定を行う機能です。
DHCPサーバがなくてもIPv6アドレスを割り当てることが出来る、便利な機能です。
SLAACを実行する際にはNDPというプロトコルを使用します。
NDPを使ってIPv6アドレスを自動設定する際には、ICMPv6の4つのメッセージが使用されています。
NS(Neighbor Solicitation)
MACアドレスを解決するための要求を表す。IPv4のARP要求にあたる。
NA(Neighbor Advertisement)
NSに対する応答を表す。IPv4のARP応答にあたる。
RS(Router Solicitation)
端末からルータに対して、プレフィックスやデフォルトゲートウェイなどの情報を取得したい場合の要求を表す。
RA(Router Advertisement)
RSへの応答を表す。ルータから定期的に送信されているが、ルータがRSを受信した際には即座にRAを応答する。
では、これらのメッセージを使用してどのようにIPアドレスを自動設定しているかを見ていきましょう。
SLAACによるIPv6アドレス生成
PCがSLAACを使用するように設定すると、まずはPCのリンクローカルアドレスがEUI-64形式で自動設定されます。
(但し、既に手動で設定している場合は自動設定を省略します。)
このリンクローカルアドレスを送信元として、FF02::2(リンクローカル内の全ルータ宛てのマルチキャストアドレス)宛てにRSメッセージを送信します。
RSメッセージを受け取ったルータはRAメッセージをPCに返信します。
RAメッセージにはインターフェースのプレフィックス情報が含まれているため、これを基にPCはプレフィックスを決定します。
最後に自身のMACアドレスから作成したEUI-64形式のインターフェースIDを付加して、IPv6アドレスが完成します。
まとめ
- SLAACとは、IPv6に標準で組み込まれているIPアドレスの自動設定を行う機能である。
- SLAACにはNDPというプロトコルが使われており、NDPにはICMPv6のメッセージが使用されている。
- RSメッセージとRAメッセージを交換して得たプレフィックス情報に、EUI-64形式で作成したインターフェースIDを付加してIPv6アドレスを自動生成する。
確認問題
次のうち、正しい選択肢を選んでください。
-
- SLAACとは、IPv4アドレスを自動的に設定してくれる機能のことである。
- SLAACは、ルータからプレフィックス情報を得て、インターフェースIDをEUI-64形式で作成し、IPv6アドレスを生成します。
- クライアントがRSメッセージを送信する際には、ルータのIPv6アドレスを宛先として送信します。
今回はSLAACについて説明しました。
次回はIPv6の設定コマンドについて説明します。