【独学CCNA】079.IPv6のアドレスの種類
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はIPv6の表記について説明しました。
今回はIPv6のアドレスの種類について説明します。
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- IPv6アドレスの種類
- ユニキャストアドレス
- マルチキャストアドレス
- エニーキャストアドレス
- まとめ
- 確認問題
IPv6アドレスの種類
IPv6アドレスには以下の3種類があります。
- ユニキャストアドレス
- マルチキャストアドレス
- エニーキャストアドレス
それぞれどういったものか説明していきます。
ユニキャストアドレス
ユニキャストアドレスは1対1の通信を行う際に使用されます。
ホストやルータのNIなどに割り当てられます。
また、ユニキャストアドレスは種類がいくつかあり、例えば以下のようなものがあります。
- グローバルユニキャストアドレス
- リンクローカルユニキャストアドレス
- ユニークローカルユニキャストアドレス
- サイトローカルユニキャストアドレス
グローバルユニキャストアドレス
インターネット上で一意なアドレスです。
IPv4のグローバルIPアドレスに相当します。
最初の3ビットが「001」で始まり、「2000::/3」と表記できます。
リンクローカルユニキャストアドレス
IPv4のリンクローカルアドレスと名前が似ていますが、使われ方が多少異なります。
リンクローカルユニキャストアドレスが送信元や宛先になっているパケットについては、ルータは転送しません。
つまり、ルータを超えないL2 範囲内でのみ有効なアドレスです。
ネイバーの探索等でも使用されます。
最初の10ビットが「1111111010」で始まり、「fe80::/10」と表記できます。
ユニークローカルユニキャストアドレス
企業や家庭内などのローカルで使用されるアドレスです。
IPv4のプライベートIPアドレスに相当します。
最初の7ビットが「1111110」で始まり、「fc00::/7」と表記できます。
サイトローカルユニキャストアドレス
特定のサイト内でのみ利用できるアドレスです。現在は使われていません。
マルチキャストアドレス
マルチキャストアドレスは特定のグループに対して送信する際の宛先になります。
また、IPv4にはネットワーク内の全てのホストに対して通信を行うブロードキャストアドレスがありましたが、IPv6ではマルチキャストアドレスに統合されています。
よって、IPv6のマルチキャストアドレスはIPv4のマルチキャストアドレス及びブロードキャストアドレスに相当します。
最初の8ビットが「11111111」で始まり、「ff00::/8」と表記できます。
エニーキャストアドレス
エニーキャストアドレスは複数の機器に割り当てることが出来ます。
そのアドレスに対して通信を行うと、割り当てた複数の機器の中でネットワーク的に最も近いところと通信することが出来るという特徴があります。
エニーキャストアドレスは特に決められたアドレスがあるわけではなく、ユニキャストアドレスと区別がつきません。
まとめ
- IPv6アドレスは3種類に分類できる。
- ユニキャストアドレスは1対1の通信を行う際に使用される。
- マルチキャストアドレスは特定のグループに対して送信する際の宛先になる。
- IPv6ではIPv4のブロードキャストアドレスに相当するものはマルチキャストアドレスに統合されている。
- エニーキャストアドレスはネットワーク的に最も近いところと通信する際に使用されるアドレスである。
確認問題
次のうち正しい選択肢を選んでください。
- IPv6アドレスは、ユニキャストアドレス・マルチキャストアドレス・ブロードキャストアドレスの3種類に分類できる。
- ユニークローカルユニキャストアドレスは、IPv4のプライベートIPアドレスに相当するアドレスである。
- IPv4であったマルチキャストアドレスは廃止され、IPv6ではエニーキャストアドレスに統合されている。
- ユニキャストアドレスとは、複数の機器と通信するためのアドレスのことである。
今回はIPv6のアドレスの種類について説明しました。
次回はSLAACについて説明します。