【独学CCNA】024.ARP
ゼロからのCCNA独学講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はICMPについて説明しました。
今回はARPについて説明します。
- ARPとは
- ARPの仕組み
- RARPとは
- まとめ
- 確認問題
ARPとは
ARP(Address Resolution Protocol)は、IPアドレスからMACアドレスを取得するためのプロトコルです。
Ethernet LANに接続された同一ネットワーク内の通信相手を識別するためには、MACアドレスが必要となります。
NICのMACアドレスは一意のものになるのに対して、IPアドレスは自由に設定することが出来ます。
つまり、IPアドレスとMACアドレスは常に同じ値が対応しているとは限りません。
そこで、ARPを利用し、宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを得る必要があります。
ARPには、「ARP要求」と「ARP応答」という2種類の通信があります。
ARPは、これら2種類の通信を利用して、宛先となるIPアドレスを持つ機器のMACアドレスの情報を得ます。
ARPの仕組み
IPアドレスは分かっているが、MACアドレスが不明な相手に対して通信を行う際に、まずARP要求を送信します。
ARP要求は、通信を行いたいIPアドレスに対応するMACアドレスを問い合わせる内容の通信です。同一ネットワーク上の全ての端末に対して送信(ブロードキャスト)します。
受信したARP要求が自身のIPアドレス宛でない場合は無視します。
自身のIPアドレスに対するARP要求を受け取った端末は、ARP要求の送信者に自身のMACアドレスが含まれたARP応答を送信します。ARP応答はARP要求の送信者のみに送信します。
ARP応答を受け取りIPアドレスとMACアドレスの対応情報を手に入れたら、その情報をARPテーブルに保存します。
ARPテーブルに保存しておくことで、同じ端末に対して何度もARP要求を送信しなくてもよいようになります。
ただし、MACアドレスとIPアドレスの対応情報は変更される可能性があるため、一定時間経過後には削除する仕組みになっています。
RARPとは
RARP(Reverse Address Resolution Protocol)とは、ARPの逆のことで、MACアドレスからIPアドレスを取得するためのプロトコルです。
このプロトコルは現在ほぼ使用されていません。
IPアドレスを持たないと通信出来ない端末であるのにかかわらず、IPアドレスの設定をメモリ等に保存出来ない機器が主に使用していました。
まとめ
- ARPはIPアドレスからMACアドレスを取得するためのプロトコルである。
- ARP要求は同一ネットワーク上の全ての端末に対して送信する。
- ARP応答はARP要求の送信者のみに送信する。
確認問題
次のうち正しい選択肢を選んでください。
- ARPはMACアドレスからIPアドレスを取得するためのプロトコルである。
- ARP応答は、ARP要求に対して自身のMACアドレスを返答する通信である。
- 受信したARP要求が自身のIPアドレス宛でない場合は、そのARP要求が自分宛てではない旨の返信を行う。
今回はARPについて説明しました。
次回はサブネットについて説明します。