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【独学CCNA】037.CiscoIOSのモード
2021.11.30
Lv1

【独学CCNA】037.CiscoIOSのモード

ゼロからのCCNA独学講座

本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
今回は、CiscoIOSのモードについて解説します。

  • CiscoIOSのプロンプト
  • CiscoIOSのモード
  • モードとコマンドの注意点
  • まとめ
  • 確認問題

CiscoIOSのプロンプト

プロンプトとは、サーバやNW機器など、CLI(Command Line Interface)を提供している環境において入力待ちの状態であることを示す表示のことです。CiscoIOSのプロンプトは、以下のように “ホスト名+記号” で構成されています。
ホスト名の右側に表示される記号は、このあと説明するモードを表しています。

CiscoIOSのモード

CiscoIOSの操作を行う際は、IOSが提供している様々なコマンドを用いて設定していきます。ただし、ログインした直後に全ての設定を行えるわけではなく、機能に応じていくつかのモードに分かれています。
機器にコマンドを投入する際は、適したモードで実行しなければなりません。モードの一覧は以下のようになっています。

各モードは上記のようにそれぞれ役割が異なっており、扱えるコマンドも変わります。例えば、ログイン直後の状態であるユーザーモードではごく一部の情報確認しか行えません。何かしらの設定変更を行いたい場合は、それに適したモードに移行してから実行しなければなりません。
モードの移行には以下のようなコマンドを使用します。

ユーザーモードから特権モードへ

コンソールやTelnet、SSHなどでログインするとユーザーモードになります。
ユーザーモードでは一部の設定確認しか行えないため、機器全体の設定確認などを行う場合は特権モードへ移行します。
ユーザーモードから特権モードへの移行にはenableコマンドを使用します。

設定確認を行うshowコマンドなどが実行できます。

特権モードからグローバルコンフィギュレーションモードへ

特権モードの主な役割は設定確認です。設定変更を行う場合はグローバルコンフィギュレーションモードで行います。
特権モードからグローバルコンフィギュレーションモードへの移行にはconfigure terminalコマンドを使用します。

ホスト名の変更を行うhostnameコマンドや、アクセスリストの設定など様々な設定変更が行えます。

グローバルコンフィギュレーションモードからインターフェース/ライン/ルータなどのモードへ

グローバルコンフィギュレーションモードから各詳細設定のモードへの移行には以下のようなコマンドを用います。



インターフェースコンフィギュレーションモードは、ルータに備え付けられた物理インターフェースや仮想インターフェースなどに対する設定を行うモードです。
ラインコンフィギュレーションモードは、コンソール接続やvty接続に関わる設定を行うモードです。
ルータコンフィギュレーションモードは、ルーティングプロトコルに対して設定を行うモードです。
それ以外にも、プロトコルや機能に応じたモードが用意されています。

各モードから特権モードやユーザーモードへ

インターフェースコンフィギュレーションモードなどからグローバルコンフィギュレーションモードへ移行したり、グローバルコンフィギュレーションモードから特権モードへ移行する場合はexitコマンドを使用します。
また、インターフェースコンフィギュレーションモードなどから直接特権モードへ移行する場合はendコマンドを使用します。これはグローバルコンフィギュレーションモードでも使えます。

特権モードからユーザーモードへの移行には、disableコマンドを使用します。
特権モード、もしくはユーザーモードからexit、quit、logoutのどれかのコマンドを使用すると機器からログアウトします。

モードとコマンドの注意点

CiscoIOSのコマンドは、それぞれ実行できるモードが決まっています。
例えば、ホスト名の設定のような端末全体の設定に関わるコマンドはグローバルコンフィギュレーションモードで実行します。
IPアドレスの設定のような、インターフェースへの設定はインターフェースコンフィギュレーションモードで実行します。
各種設定確認を行うshowコマンドは特権モードで行います。
実行するモードが異なるとエラーになりますので、コマンドを実行する際は現在どのモードになっているかを確認した上で実行してください。

まとめ

  • CiscoIOSのプロンプトはホスト名と記号で構成されている
  • CiscoIOSには機能に応じた複数のモードが用意されている
  • モード間を移動するコマンドが各種用意されている

確認問題

以下の選択肢から正しいものを選んでください。

  1. インターフェースの設定はグローバルコンフィギュレーションモードで行う
  2. ラインコンフィギュレーションモードから直接特権モードへ移行することはできない
  3. グローバルコンフィギュレーションモードのプロンプトは”(config-line)#”である
  4. ユーザーモードから特権モードへ移行するコマンドは”enable”である
解答・解説
答え:4

1) インターフェースの設定を行うのはインターフェースコンフィギュレーションモードです。
2) ラインコンフィギュレーションモードから特権モードへは、”endコマンド”を使うことで直接移行できます。
3) グローバルコンフィギュレーションモードのプロンプトは”(config)#”です。”(config-line)#”はラインコンフィギュレーションモードのプロンプトです。
4) 正解です。


今回はCiscoIOSのモードについて説明しました。
次回はCisco機器の基本操作について解説します。

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当連載を執筆している講師陣が所属するITスクールSAK

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