【独学CCNA】038.Cisco機器の基本操作
ゼロからのCCNA独学講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
今回は、Cisco機器の基本操作について解説します。
- Cisco機器へのログイン
- CiscoIOSのCLI
- まとめ
- 確認問題
Cisco機器へのログイン
今回から数回に渡り、Cisco機器の操作をログインからIPアドレスを設定、通信の確認を行うところまで流れを追って解説していきましょう。
以前の記事(【独学CCNA】034.Cisco機器へのアクセス方法)でも解説しましたが、Cisco機器へのログインにはコンソール接続、VTY接続、AUX接続の3つのログイン方法が用意されています。
今回は、初期設定を行うという前提で作業をすすめるため、コンソール接続を用いてログインします。VTY接続は事前にネットワーク設定などが必要になるため扱いません。また、AUX接続も現在はあまり一般的ではないため扱いません。
作業には、Tera Termをインストールした作業用PCとコンソールケーブル、必要に応じてLANケーブルを用います。
機器にはCiscoのルータ製品の1つであるCISCO1921/K9を2台用います。
初回ログイン時の操作
何も設定されていない状態のCisco機器では、ログインした際にセットアップモードと呼ばれる対話式の設定モードを使って設定を行うか尋ねられます。
セットアップモードはあまり使用することがないため、今回は扱いません。
noを入力するとセットアップモードに入らず、ユーザーモードでログインします。
CiscoIOSのCLI
コンソール接続やVTY接続でログインした場合、CLI(Command Line Interface)で操作を行うことになります。CiscoIOSのCLIに慣れていきましょう。
ログインするとプロンプトが表示されます。コマンドの入力を待っている状態です。
コマンドを入力し、Enterキーを入力するとコマンドが実行されます。結果が画面に表示されるようなものであれば、CLI上に表示されます。
ユーザーモードでは扱えるコマンドに限りがあるため、特権モードへ移行しましょう。
ユーザーモードから特権モードへの移行にはenableコマンドを用います。
特権モードでは一部の設定変更と機器全体の設定確認を行うことが出来ます。
多数のコマンドがあり、全て覚えるのは非常に大変です。そこで、コマンドを触っていく前にコマンド入力の手助けになる機能を紹介します。
ヘルプ機能
CLI上で?を入力することで、その時点で使えるコマンドの一覧をCLI上に表示してくれます。これがコマンドのヘルプ機能です。
例えば、プロンプトに?を入力すれば現在のモードで実行できるコマンドが表示されたり、コマンドの入力途中で?を入力すればその後に続くコマンドを表示してくれます。
例えば、以下のようにsの後ろに?を入力すれば現在のモードでsから始まるコマンドを調べることが出来ます。
全てのコマンドを覚えていなくても、ヘルプを用いてコマンドを探すことで設定したい内容や確認したい事柄に応じたコマンドを扱うことが出来ます。
入力補完機能
次に、コマンド入力を補完する機能です。
CiscoIOSのコマンドは基本的に英単語で構成されており、中にはあまり慣れない単語や文字数の多いものも含まれています。細かいスペルを忘れてしまったり、打ち間違えてしまうとコマンドは正しく認識されず、エラーになってしまいます。
そこで、tabキーを使ったコマンドの入力補完機能を用いることで、先頭の数文字を入力すればそこに続く文字を保管してくれます。
例えば、以下のようにshow running-configコマンドを入力する場合は、shまで入力した時点と、runまで入力した時点でそれぞれtabキーを押すことでそこに続く文字列を補完してくれます。
また、補完機能はそのコマンドが入力できない状態の場合、補完をしてくれません。例えば、入力するモードが間違っているような場合は適切なコマンドではないと判断され、補完されません。
ヘルプと組み合わせることで、現在入力しようとしているコマンドが適切なものではないことを判断できたりもします。
ヘルプ機能と入力補完機能をうまく利用して、多数のコマンドを正確に扱っていきましょう。
まとめ
- 初期状態のCisco機器にログインすると対話式の設定モードで設定を行うか問われる
- 特に設定を行っていない場合、ログインした際のプロンプトはユーザーモード
- CiscoIOSにはコマンド入力をサポートするヘルプ機能と入力補完機能が用意されている
確認問題
以下の選択肢から正しいものを選んでください。
- 特権モードからユーザーモードへ移行するにはenableコマンドを使用する。
- 入力補完を行うには、コマンドの入力途中でEnterキーを押す。
- ?を入力すると入力途中のコマンドが補完される。
- tabキーでの補完では、入力中のモードが間違っている場合補完されない。
今回はCisco機器の操作について説明しました。
次回も引き続き、今回の続きから解説します。