【独学CCNA】034.Cisco機器へのアクセス方法
ゼロからのCCNA独学講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
今回は、Cisco機器へのアクセス方法について解説します。
- Cisco機器(ルータ・スイッチ)へのアクセス方法
- コンソールポートとコンソールケーブル
- Tera Termを使おう
- まとめ
- 確認問題
Cisco機器(ルータ・スイッチ)へのアクセス方法
前回(【独学CCNA】033.Cisco機器とCisco IOSについて)解説したとおり、Cisco機器はCLI(Command Line Interface)で設定を施します。
ルータやスイッチといったネットワーク機器に設定を施すためには、機器にアクセスして操作する必要があります。機器へのアクセス方法には主に以下の3つが挙げられます。
- コンソール接続
- VTY接続
- AUX接続
コンソール接続は、ルータやスイッチに用意されているコンソールポートに対してコンソールケーブルを使い、PCと機器を直接接続してアクセスする方法です。今回はこのコンソール接続について解説します。
VTY接続は、SSHやTelnetといったリモートログイン用のプロトコルを用いて機器にアクセスする方法です。アクセスされる機器側にも設定が必要なため、初めて設定を施す機器にアクセスする際は使用できません。
AUX接続は、モデムを通じて公衆回線(電話回線/ISDN回線など)を利用して機器にアクセスする方法です。通常のWAN側の回線が利用できない場合や、機器同士を直接接続して他の機器からログインできるようにする際に使用します。AUXポート(Auxiliary Port)を使用しますが、WAN回線と直接接続しないスイッチなどにはAUXポートがついていないことが多いです。
今回は、工場出荷状態の機器を設定する想定で、コンソール接続について解説していきます。
コンソールポートとコンソールケーブル
コンソール接続には、機器側のコンソールポートとコンソールケーブルを用います。
コンソールポートは、Ciscoの機器には基本的に搭載されているポートで、インターフェースの形状はLANケーブルと同じRJ45になっています。コンソールポートにコンソールケーブルを接続します。
コンソールケーブルは、機器のコンソールポートとアクセスするPCを接続する際に使用するケーブルです。機器と接続する側はRJ45、PCと接続する側はDB9というインターフェースになっています。
最近のPCにはDB9のインターフェースは搭載されていないことが多いので、基本的にはDB9をUSBに変換するケーブルを使用するか、初めからUSBに変換されているコンソールケーブルを使用することになります。
これらを使い、作業用のPCと機器を接続します。
Tera Termを使おう
作業用PCから機器にログインする際は、ターミナルエミュレータやターミナルソフト、端末エミュレータなどと呼ばれるソフトを使います。
ターミナルエミュレータは、機器のCLIをPCから遠隔で操作するためのソフトです。TelnetやSSHなどのリモートログイン、コンソールケーブルを使ったコンソール接続などの際にはターミナルエミュレータを用いてアクセスします。
代表的なフリーのターミナルエミュレータは、Tera Termやrloginなどがよく使われています。今回はTera Termを使用して機器にアクセスを行います。
Tera Termはフリーのターミナルエミュレータです。様々な現場で活用されています。ネットワーク機器やサーバを扱う際はほぼ必ず何らかのターミナルエミュレータを扱うことになりますので、なれておきましょう。
Tera Termの開発プロジェクトについてはこちら(Tera Termプロジェクト日本語トップページ)などを参照するとよいでしょう。
コンソール接続をしよう
それでは、コンソール接続を試していきましょう。
今回使用する機器はCiscoルータのCISCO1921/K9です。
機器とPCをコンソールケーブルで以下のように接続します。
なお、1921のコンソールポートはこのようになっています。
PCにコンソールケーブルを接続した状態で、PCでTera Termを立ち上げると、以下のようにウィンドウ下部にシリアルポートを示す表示が出ていると思います。
シリアルにチェックを入れ、OKをクリックすると機器にアクセスすることができます。
なお、Tera Termの設定にシリアルポート設定という設定項目があります。
Ciscoのルータやスイッチにアクセスする際はデフォルトのままで問題ありませんが、メーカーや機種によってはいくつかの設定を変更する必要がある場合もありますので、頭の片隅に置いておいてください。
では、機器側の電源を入れてみます。
電源ケーブルを機器に接続し、ルータ等電源スイッチのある機種の場合はスイッチを入れて電源をつけておきます。
(CiscoのL2スイッチなどは、電源ケーブルを接続した時点で電源が入ります。)
すると、以下のようにTera Termのウィンドウに機器の起動ログが流れてきたかと思います。
(内容はメーカー、機種によって異なります。)
これでCisco機器にコンソール接続することができました。これ以降の操作については今後解説していきます。
まとめ
- Ciscoの機器にはコンソール接続/VTY接続/AUX接続などのアクセス方法がある
- コンソール接続はコンソールケーブルで機器とPCを直接つないでアクセスする方法である
- コンソールやVTYで機器にアクセスする際は、ターミナルエミュレータを使用する
確認問題
以下の選択肢から正しいものを選んでください。
- Cisco機器を初めて設定する際は、VTY接続を用いる
- AUX接続はコンソールケーブルを用いてPCと機器を直接接続する
- PCと機器をコンソールケーブルで直接接続してアクセスする方法をコンソール接続と言う
- コンソールケーブルは機器のLANインターフェースに接続する
今回はCisco機器へのアクセス方法について解説しました。
次回はCisco機器のメモリ構成について解説します。