【CCNP解説_OSPF編 8】ルータIDの決定の例
ルータIDの決定の例
今回はルータIDがどのように決定されるかをいくつかの例で見ていきましょう。
おさらいになりますが、ルータIDは次の順番に決定されます。
1.コマンドによる手動設定
2.有効なループバックインターフェイスのIPアドレスの中で最も大きなIPアドレス
3.有効な物理インターフェイスのIPアドレスの中で最も大きなIPアドレス
以下の構成で見てみましょう。なお、前述の1のコマンドによるルータIDの設定は
行っていないものとします。
図の左側では、IPアドレスは物理インターフェイスにしか設定されていません。
この場合、最も大きいIPアドレスである192.168.100.1がルータIDとなります。
図4.1.8の右側では、ループバックインターフェイスにIPアドレスが設定されているので、
物理インターフェイスのIPアドレスの方が大きくても、ループバックインターフェイスの
IP アドレスである10.0.0.1 がルータIDとなります。
もう一つの例を次の図の構成で見てみましょう。
Router1はRouer2と接続しているGigabitEthernet 0/1ではOSPFが設定されていますが、
GigabitEthernet 0/0ではEIGRPが動作しているとします。
OSPFが動作していないインターフェイスもOSPFのルータID選出の対象となるため、
最も大きいIPアドレスである192.168.100.1がRouter1のルータIDとなります。
なお、ルータプライオリティはインターフェイスごとにそれぞれ個別の値を設定しますが、
ルータIDはルータに1つの値のみとなります。
今回のまとめ
今回はルータIDの決定の例をいくつか見てみました。
ルータIDはコマンドで設定していない場合、物理インターフェイスやループバックインターフェイスの
IPアドレスの中で最も大きい値がルータIDに使用されます。
ループバックインターフェイスが作成されている場合は値の大小に関係なく
物理インターフェイスよりも優先されます。
また、ルータIDはルータに1つのみ設定される値で、インターフェイスごとに設定できる
ルータプライオリティとは異なるところにも注意してください。
■今回のポイント
・ルータIDはルータに1つだけ
・ループバックインターフェイスが作成されていた場合、物理インターフェイスより優先される
・OSPFに参加していないインターフェイスのIPアドレスもルータIDの選出対象になる
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