【CCNA連載】イーサネット③
Ethernetで使用されるデータ
前回はEthernetで使用されるLANケーブルについて説明しました。
今回からはEthernetでの接続形態(ネットワークトポロジ)や通信の際に相手を識別するための識別子について説明します。
ネットワークトポロジ
ネットワークを構築するにはまずこれまでに紹介したLANケーブルや光ケーブルを使用し機器と機器を接続していくことになります。
接続の際の接続形態(トポロジといいます)には以下のようなものがあります。
バス型
一本の中心となるケーブルに複数の機器を接続している形態がバス型となります。ケーブルには同軸ケーブルが使用されます。
この同軸ケーブルに障害が発生すると接続している全ての機器が通信不能になってしまうため、障害に対しては弱い構成となります。
最近のネットワーク構成で見かけることはないでしょう。
リング型
名前の通りリング状に機器を接続する形態がリング型となります。
IEEE802.5で規定されているトークンリングというLAN規格で使用されていたトポロジですが、
イーサネットが一般的になった現在ではトークンリングは使われていません。
スター型
機器を中心となる集線装置に接続する形態がスター型となります。現在一般的に使われているトポロジとなります。
どこか一か所のケーブルが切断したとしても他には影響がない構成となります。
対象機器の識別
Ethernetは上記のスター型のトポロジのように複数の機器が接続されます。
このときPCから別のPCへ通信しようとするなら、複数接続しているPCから通信したい相手を指定する必要があります。
次にイーサネットで相手を識別するための値についてみていきましょう。
MACアドレス
イーサネットでは同一回線上の通信相手を識別するための識別子としてMACアドレス(Media Access Control address)と呼ばれるものを使用します。
MACアドレスは機器をネットワークに接続するために必要なカードであるNIC(Network Interface Card)につけられている識別子です。
物理的なNICにつけられているアドレスであるため物理アドレスともいわれます。
・MACアドレスの構造
MACアドレスは2進数で48桁となる値となっています。表記する際は48桁も0と1を並べるのは読みづらいため16進数16桁(詳細はのちの連載で説明します)で表します。
16桁で表記する際の表記方法は2桁ごとにコロンで区切る以下のような形になります。
28:cf:e9:53:d3:c3
16進数で2桁は8ビットとなるのですが、その8ビットのことをオクテットと言います。
先頭から順番に第一オクテット(28の部分)、第二オクトット(cfの部分)といい、全部で6オクテットの値となります。
前半の3オクテットはOUI(Organizationally Unique Identifier)といい、NICのベンダー(機器メーカー)を表しています。
後半はベンダーが一意になるように値をつけています。ベンダーが異なれば当然前半部分が異なり、ベンダー内で重複がないように後半部分をつけるため、
MACアドレスは基本的に世界中で重複しないようになっています。
同一の回線上でMACアドレスが重複してしまうと正常に通信ができなくなります。
参考
家庭内などでPCを通常の使い方をしている場合、MACアドレスが重複することはまずないためそれほど意識することがありません。
ただ企業のネットワークでは機器が仮想化され使用されていることがあり、そういった環境では注意する必要があります。
仮想化技術に関してはCCNAの範囲にもあるためいずれ説明しますが、仮想化についてざっくりというと1つのマシン内で複数のマシンが動いているように見せたり、
複数の機器を一つに見せたりするなどの技術です。実際に機器についているわけではないMACアドレスを使用するため、重複してしまうことがあり調整が必要だったりします。
もしそういった環境に遭遇した場合は少し意識してみるといいかもしれません。