【独学CCNA】012.ハブ
ゼロからのCCNA独学講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はイーサネットフレームのフォーマットについて説明しました。
今回はLAN内で使用される機器のなかで物理層に該当する機器、ハブについて説明していきます。
- 物理層の機器
- ハブ
- 半二重通信と全二重通信
- ハブのデメリット
- まとめ
物理層の機器
ネットワークトポロジの所で説明したようにLAN内で最も使われているネットワークトポロジはスター型です。
中心となる集線装置にPCなどが接続することになるのですが、その中心となる集線装置として使用されるのはハブやスイッチといった機器になります。
そのうちハブはもうLAN内で見かけることがほぼない機器となります。
ただ試験等では問われることもありますので、今回はハブについて見ていきましょう。
ハブ
ハブは物理層に該当する機器です。物理層で動作する機器なので、物理的に機器をつないだり、ケーブルを伝わってくるうちに減衰してしまう電気信号の出力を上げたりといったことを行います。
電気信号を他の機器に転送する過程で宛先MACアドレスなどは確認しません。
ハブに電気信号を送信した機器以外の、繋がっている機器すべてに電気信号を流します。
宛先ではない機器にしてみれば必要のない信号を受け取るということになります。
また通信を行う際の通信方式に、半二重と全二重の2つの方式があるのですが、ハブは半二重通信という通信方式となります。
半二重通信と全二重通信についてみておきましょう。
半二重通信と全二重通信
半二重通信
半二重通信とは、データを送信しながら受信するといったことができない通信方式です。
一方の機器が送信している間は、他の機器は受信するだけとなるため、通信の効率が悪くなります。
もし同時にデータを送信してしまった場合は、通信の衝突が発生してしまうことになります。通信の衝突のことをコリジョンといいます。
全二重通信
全二重通信とは、データの送信と受信を同時に行うことができる通信方式です。
データの送受信が同時にできるため、半二重通信よりも効率がよくなります。
最近のネットワーク機器は基本的に全二重通信を行いますが、接続している対向機器とのデフォルト設定の違いがあった場合などに、半二重通信となってしまうことがあります。
ハブのデメリット
ハブは関係のない機器にまで信号を転送する上に、半二重通信であるためどこか一台の機器が発信を続けていると
同じハブに繋がっている他の機器はデータを送信できません。
複数の機器で一本のケーブルを共有しているような状態になるため、接続している機器が多くなると通信効率が悪くなります。
現在はほとんどハブは使われておらず、全二重通信を扱えるスイッチや、スイッチの機能をもったスイッチングハブ(家電量販店で販売されているものです)が主に使われています。
スイッチについては次回以降の記事で紹介します。
まとめ
- ハブは電気信号を転送したり、減衰した電気信号の出力をあげるのみで、宛先MACアドレスなどの確認は行わない。
- 半二重通信ではデータを送信しながら受信が同時に出来ないが、全二重通信ではデータの送信と受信を同時に出来る。
- ハブは半二重通信であり、関係のない機器にまで信号を転送するため、最近のネットワーク環境では使われていない。
確認問題
以下の選択肢から正しいものを選んでください。
- ハブは宛先MACアドレスなどの宛先確認は行わない。
- ハブは全二重通信という通信方式をとる。
- 半二重通信はデータの送受信を順番に行うため、全二重通信よりも通信効率が良い。
今回はハブについて説明しました。
次回はレイヤ2スイッチについて説明します。