Infra Engineer

【独学CCNA】013.スイッチ①
2021.07.23
Lv1

【独学CCNA】013.スイッチ①

CCNA対策講座

本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
前回まではイーサネットLAN内の機器について説明してきました。
本記事ではデータリンク層の機器であるスイッチについて説明していきます。

  • スイッチ
  • スイッチの動作
  • MACアドレステーブル
  • MACアドレスの学習
  • まとめ

スイッチ

ハブが物理層を網羅する機器であるのに対して、スイッチは一つ上の層であるデータリンク層の機器となります。イーサネットでは宛先の機器を識別するために、MACアドレスを使用することをこれまでの連載で説明しました。
データリンク層の機器であるスイッチはそのMACアドレスを基に通信の転送先を決定します。

スイッチの動作

スイッチはケーブルを伝わってきた電気信号や光をそのまま転送するのではなく、伝わってきた信号を読み取り、適切な宛先に送ります。(どういった方法で信号を読み取るのかについては、いくつか種類がありますが、それについては次回説明します。)
そしてイーサネットヘッダー内にある宛先MACアドレスや送信元MACアドレスの情報を確認したのち再度、電気信号や光に変換してデータを転送します。
データリンク層の機器であるスイッチは、データリンク層の情報であるMACアドレスに基づいて、対象の宛先にのみデータを転送します。
ハブとは異なり、こうしたフィルタリング機能を持ちます。

MACアドレステーブル

スイッチはMACアドレスを確認するといいましたが、宛先となる機器がどこのポートに接続しているのかを知らなければ、転送できません。
そのため、スイッチには自身のポートにどんなMACアドレスをもつ機器が接続されているのかという情報を学習する機能があります。
スイッチが保持しているMACアドレスとポートの対応表をMACアドレステーブルといいます。
起動直後のスイッチはどのポートにどんなMACアドレスの機器が接続しているのかという情報を持っていません。なので、接続した機器から送られてくるフレームの内容をもとに情報を学習し、MACアドレステーブルに記載していきます。
その学習する際の動作について次に見ていきましょう。

MACアドレスの学習

以下の図の構成をもとに動作を確認していきます。今回説明のために実際のMACアドレスではなく、PC-AのMACアドレスはAA、PC-BはBBといったようにアルファベット2文字で各PCのMACアドレスを表しています。
このときPC-AからPC-Dへ通信が行われたとします。

1.PC-Aから送信されるフレームの宛先MACアドレスの部分には通信したい宛先のMACアドレスが入ります。(フレームについては【CCNA対策講座】011.イーサネットLANにおけるデータの送受信を確認してください。)そして送信元MACには自身のMACアドレスが入ります。
今回の例では宛先がDD、送信元がAAとなります。
PC-Aが宛先のPC-DのMACアドレスをどうやって知るのかについてはのちに説明しますので、ここでは一旦無視して下さい。

2.スイッチがこのフレームを受け取るとまず宛先MACアドレスDDに該当するエントリがMACアドレステーブルに存在しているかを確認します。
起動直後のスイッチはMACアドレステーブルに何も情報が登録されていないため、スイッチはどこに転送すればいいか判断できません。
ただ送信元AAのフレームを受け取ったため、1番ポートの先にMACアドレスAAの端末が存在していることはわかります。
そこで、このMACアドレスAAと接続しているポート番号をセットでMACアドレステーブルに登録します。

3.「転送先がわからない場合、スイッチはフレームを受け取ったポート以外の全てのポートからフレームを転送します。この動作をフラッディングといいます。

4.フラッディングされたフレームは他のPCにも届きますが、宛先MACアドレスが自身宛てではない為、PC-BとPC-Cは何も処理せずフレームを破棄します。PC-Dは自身宛であるため何らかの処理をして返事をしたとします。
先程とは宛先と送信元が逆になったフレームがスイッチに届くことになります。

5.スイッチはPC-Dからフレームを受け取るとMACアドレステーブルを検索します。今回は宛先のMACアドレスがMACアドレステーブルに登録されている為、フラッディングはせず対象の1番ポートにだけフレームを転送します。
た送信元のMACアドレスも学習します。
このように、スイッチはフラッディングを使って自身に接続している機器のMACアドレスを学習していきます。
ここまでがスイッチのMACアドレス学習の流れになります。スイッチはこの一連の流れを何度も行い、MACアドレステーブルを作成していきます。

確認問題

以下の選択肢から正しいものを選んでください。

  1. スイッチは送信の宛先を判断するときにIPアドレスを使用する。
  2. フラッディングとはフレームを受け取ったポートのみに対してフレームを送信することである。
  3. スイッチは自分のポートの接続先の機器を学習した場合、MACアドレステーブルにそれを記憶していく。
解答・解説
答え:3

1) スイッチは宛先の判断にはMACアドレスを使用します。
2) フラッディングとはフレームを受け取った以外のすべてのポートへフレームを送信することです。
3) 正解です。スイッチは学習したポートの接続先をMACアドレステーブルという形で保持します。

まとめ

・データリンク層で使われる機器にはスイッチがある。
・スイッチは送られてきた情報を読み取り、適切な宛先に向けて送信する。中継役。
・スイッチはMACアドレステーブルを使って宛先を探す。
・スイッチのMACアドレステーブルは通信をしていく中で学習していく。

今回はスイッチにについて学習しました。
次回もスイッチについてです。より詳しく学んでいきます。

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当連載を執筆している講師陣が所属するITスクールSAK

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