ファイルシステムの整合性チェック~fsckコマンド~
本記事の対象者
LPIC level1習得を目指す初学者の方
コマンドの基本的な用途について、要点を絞って解説します。
今回の内容
今回は、fsckコマンドについて解説します。
ファイルシステムの整合性チェックに使用するコマンドです。
fsckコマンド
何らかの原因で、ファイルシステムが破損することがあります。
fsckコマンドは、ディスクの整合性チェックを行い、必要であれば修復することができます。
※fsckコマンドを実行する場合、対象のファイルシステムはアンマウントしておきます。マウント状態で実行すると、ファイルシステムが壊れる可能性があります。
fsck | |
---|---|
意味 | ディスクのチェックと修復を行う。 |
書式 | fsck [オプション] [デバイス名] |
fsckコマンドの主なオプションは以下です。
オプション | 説明 |
---|---|
-t [ファイルシステム名] | ファイルシステムの種類を指定する。 |
-a | 自動的に修復を実行する。 |
-r | 対話的に修復を実行する。 |
-A | /etc/fstabに記述されているすべてのファイルシステムに対して実行する。 |
-N | 実際には実行せず、何が行われるのかのみ表示する。 |
※/etc/fstab
マウントするファイルシステムの情報を記述するためのファイルです。
OS起動時、システムがデバイスをディレクトリにマウントします。その際、どのデバイスにどのディレクトリをマウントするかの処理がこのファイルの記述に従って進行します。
[root@localhost ~]# lsblk -f /dev/sdb NAME FSTYPE LABEL UUID MOUNTPOINT sdb mqsdb1 ext2 78e4a052-bbd7-4a48-b62c-68059b86e191 [root@localhost ~]# fsck /dev/sdb1 fsck from util-linux 2.23.2 e2fsck 1.42.9 (28-Dec-2013) /dev/sdb1: clean, 11/524288 files, 37519/2096896 blocks
[root@localhost ~]# fsck -Nt ext2 /dev/sdb1 fsck from util-linux 2.23.2 [/sbin/fsck.ext2 (1) -- /dev/sdb1] fsck.ext2 /dev/sdb1
e2fsckコマンド
e2fsckコマンドは、ext2,ext3ファイルシステムの整合性をチェックできます。
e2fsck | |
---|---|
意味 | ext2およびext3ファイルシステムのチェックと修復を行う。 |
書式 | e2fsck [オプション] [デバイス名] |
e2fsckコマンドの主なオプションは以下です。
オプション | 説明 |
---|---|
-p | すべての不良ブロックを、自動的に修復する。 |
-y | 問い合わせに対して、自動的にyesと回答する。 |
-n | 問い合わせに対して、自動的にnoと回答する。 |
ファイルシステムのチェック時に障害を検出すると、修復するかどうかの問い合わせが発生します。
「-y」「-n」は、その際に自動的に「yes」「no」で回答するためのオプションです。
[root@localhost ~]# e2fsck /dev/sdb1 e2fsck 1.42.9 (28-Dec-2013) /dev/sdb1: clean, 11/524288 files, 37519/2096896 blocks
まとめ
今回は、ファイルシステムの整合性チェックに関するコマンドについて解説しました。
fsckコマンドは、Linux起動時に自動的に実行され、/etc/fstabでfsckの対象として指定されているファイルシステムをチェックします。
最後に、確認問題で今回の内容を確かめてください。
確認問題
ファイルシステムの破損を修正するコマンドは以下のうちどれですか。
A) fsck
B) mkfs
C) df
D) fdisk