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【基本情報技術者試験】メモリ1 ~種類と特徴~
2022.11.29
Lv1

【基本情報技術者試験】メモリ1 ~種類と特徴~

今回は【コンピュータ(ハードウェア)編】メモリの種類と特徴について紹介します。
その中でも特に『主記憶装置』『DRAM』というワードは試験にも出やすいので、しっかり覚えましょう。


主記憶装置・補助記憶装置

コンピュータを構成する五大装置に『記憶装置』というものがあります。
皆さんがパソコンの中に保存している画像や音楽ファイル、テキストファイル等のデータは、この記憶装置に保存されています。
上記のようなデータ以外にも、前記事で触れたようにCPUに実行される命令情報も、この記憶装置に保存されます。

実は、画像や音楽ファイル、CPUで実行する命令情報はいずれもデータと呼ばれるものであり記憶装置に保存されるものなのですが・・・厳密に言うと、記憶装置は『主記憶装置』または『補助記憶装置』と呼ばれる部分に分かれており、それぞれ用途や特徴が異なっております。

主記憶装置
・CPUから高速にアクセス可能であり直接読み書きが出来る記憶装置
・記憶出来るデータ量は少なく、コンピュータの電源が切れると記憶内容が消去される(揮発性)
・メインメモリやRAMとも呼ばれる

補助記憶装置
・主記憶装置と比較して、CPUからのアクセスは低速
・記憶できるデータ量は(主記憶装置と比較して)多く、コンピュータの電源が切れても記憶内容が消えない(不揮発性)
・外部記憶装置やストレージとも呼ばれる

上記の主記憶装置には、主に『DRAM』と呼ばれるメモリが使用されることが多いです。
メモリとは半導体素子を使用した電子部品であり、電気的にデータを記憶できる装置です。
メモリというものは所謂パソコンやサーバ等のコンピュータ以外にも、様々な分野で用いられている電子部品装置になります。

そして試験では、このメモリの種類について、よく問われます。
以下では、よく問われるメモリの種類について紹介します。
※補助記憶装置については、次回以降の記事で詳しく紹介いたします。

メモリの種類

メモリは、まず大きく二種類に分かれます。
それは『RAM』『ROM』と呼ばれるものです

・RAM(Random Access Memory)
データを読み書きできるメモリ
電源が切れると、記録されているデータは消える(揮発性)

・ROM(Read Only Memory)
データの読み出しは出来るが書き込みは出来ないメモリ
電源が切れても、記録されているデータは消えない(不揮発性)

ではまず、RAMについて詳しく見てみましょう。

RAMについて

先述した通り、RAMはコンピュータの主記憶装置に使用されています。
電源が切れると、記録されているデータは消え、このような性質のことを一般的に『揮発性』といいます。
なので、RAMは『揮発性メモリ』と呼ばれることもあります。
※この『揮発性』という言葉については試験内でも問われるので、是非とも覚えておきましょう。

RAMは電子回路部品であり、その内部の使用部品や性質によって、種類が異なります。

RAMの種類として代表的なものに『DRAM』と『SRAM』があります。

・DRAM
記憶素子としてコンデンサを使用しており、電荷の有無によりビットを表現します(データを形成します)。
コンデンサは時間経過で自然放電してしまいます、つまり、データを保持することが出来ません。
そこで、一定時間でリフレッシュ操作(電気的にデータを再書き込みする)ということが必要です。
ただしコンデンサを用いたDRAMは構造が単純で高集積化出来るため、後述のSRAMと比較して安価かつ記憶容量も大きくなっています。
そのようなことから、先述した通り、昨今では主にこのDRAMがコンピュータの主記憶装置として使用されています。

・SRAM
記憶素子としてフリップフロップ回路を使用しています。
DRAMと比較して高速にデータの読み書きも出来る他、リフレッシュ操作(電気的にデータを再書き込みする)が不要です。なので性能としてはDRAMよりSRAMの方が優れていそうですが、DRAMと比較して構造が複雑であることから、高集積化に向いていません(つまり、記憶容量あたりの単価が大きくなってしまいます)。

容量は低くコストは高い反面、高速性や省電力性には優れていることから、コンピュータ内の『キャッシュメモリ』という部品に主に使用されています。

ROMについて

ROMとはデータの読み出しは出来るが書き込みは出来ないメモリであり、電源が切れても記録されているデータは消えない不揮発性のメモリです。
ROMもコンピュータに使用されており、コンピュータ内のマザーボードと呼ばれる部品の中で使用されています。
※『BIOS』と呼ばれるコンピュータの起動(OSの起動)に必要なプログラムなどが保存されています

ROMもまた、種類がいくつか分かれております。

・マスクROM
製造時にデータが書き込まれた以後、書き込み及び消去が出来ないROM

・EPROM
電気的にデータを何度も消去でき、再書き込みが何回でも可能なROM
※ただし、特殊な装置が必要

・フラッシュメモリ
電気的にデータを何度も消去でき、再書き込みが何回でも可能なROM
※EPROMと異なり、特殊な装置がいらない

ユーザが手軽に使用出来る記憶装置が、フラッシュメモリです。
USBメモリやスマホのメモリーカード等は、実は同じくフラッシュメモリです。
ROMの中でもフラッシュメモリについてはよく試験にも問われるので、覚えておきましょう。

以上がメモリの種類と特徴になります。
試験に問われることが多いので、しっかりと覚えておきましょう。


まとめ

・記憶装置は、主記憶装置・補助記憶装置に分かれる
・主記憶装置にはメモリが使用されている
・メモリの種類はRAMとROMに分かれる
・RAMにはDRAMとSRAMがあり、用途が異なる
・ROMの中にフラッシュメモリというものがあり、データを何度も消去でき、再書き込みが何回でも可能