【独学CCNA】064.OSPFで使用される5つのパケット
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本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
今回はOSPFの5つのパケットについて解説します。
- OSPFの5つのパケット
- まとめ
OSPFの5つのパケット
前回まで、OSPFの流れをざっと解説しました。今回は、OSPFが動作していく中で登場する5つのパケットについて触れていきましょう。
OSPFでは、隣接するルータとネイバー関係を構築し、情報交換を行っていく中で5種類のパケットが登場します。
1. Helloパケット
2. DBDパケット
3. LSRパケット
4. LSUパケット
5. LSAckパケット
OSPFの動作を学ぶ上で、これらのパケットの役割を把握する必要があります。
1つずつ説明していきましょう。
1. Helloパケット
Helloパケットは、他ルータの発見及びネイバー関係の維持に用いられるパケットです。
前回までの記事でOSPFの動作について説明しましたが、OSPFが動作しているルータ同士がネイバー関係を構築する中で用いられるのがHelloパケットです。
OSPFを動作させると、ルータはOSPFが動作しているルータを宛先とするマルチキャスト、224.0.0.5宛にHelloパケットを送信し、他のOPSFルータ(ネイバー)を検出します。
また、他のOSPFルータとネイバー関係を構築したのちは、10秒ごとにHelloパケットを送りあうことで、ネイバーのキープアライブ(生存確認)を行っています。
デフォルトでは、10秒ごとにHelloパケットを送信し、40秒応答がなければネイバーがダウンしたものと判断します。
Helloパケットを送信する間隔をHelloインターバル、ネイバーのダウンを判断するまでの間隔をDeadインターバルといいます。
Helloパケットには以下の情報が含まれています。
- サブネットマスク(Helloパケットを送信するインターフェースのサブネットマスク)
- Helloインターバル
- Deadインターバル
- エリアID
- プライオリティ
- DR、BDRの情報
- ネイバーの情報
プライオリティとDR,BDRの情報は、複数台のOSPFルータが1つのネットワークに接続しているようなマルチアクセス環境において必要となるものです。後日の記事で解説します。
2. DBDパケット
DBD(Database Description)は、Helloパケットによるネイバー関係構築後に用いられるパケットです。
OSPFルータ間で、LSDBの同期を取る際に必要な情報が含まれています。
DBDの中身はそれぞれのルータが持つLSDB内のLSAの一覧になっており、ルータ間でDBDを交換し合い自身のLSDBと比較することで、不足している情報を確認することができます。
3. LSRパケット
LSR(Link State Request)パケットは、LSAを要求する際に用いられるパケットです。
DBDの交換後、自分が持っていない情報を他のルータが持っていた場合、それを要求して情報をもらう必要があります。
LSRパケットを使って、他のルータに必要な情報を要求します。
4. LSUパケット
LSU(Link State Update)パケットは、LSAを送信するために用いられるパケットです。
他のルータからLSRパケットで要求されたLSAを送信します。
5. LSAckパケット
LSAck(Link State Acknowledgement)パケットは、確認応答に用いられるパケットです。
他のルータからLSUパケットを受け取ったことを送信元に通知するために送信します。
まとめ
- OSPFでは5種類のパケットを用いる
- OSPFの動作の把握のため、それぞれのパケットの役割を把握する必要がある
今回はOSPFで用いられる5つのパケットを解説しました。
次回はOSPFで用いられる3つのテーブルについて解説します。
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