【独学CCNA】105.スパニングツリープロトコル(STP)③
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
スパニングツリープロトコル(STP)でのダウンさせるポートの決め方について説明していきます。
- ブリッジIDによってルートブリッジを決める
- ルートポートの選出
- 指定ポートの選出
- 非指定ポートが決まる
ブリッジIDによってルートブリッジを決める
ダウンさせるポートを決めるために、まずは基準となるスイッチを決めます。この基準となるスイッチのことをルートブリッジと呼びます。
スイッチは2秒ごとにマルチキャストアドレス宛にBPDUを送信します。その中にあるブリッジIDが一番小さいスイッチがルートブリッジとなります。
ブリッジIDのプライオリティ値はデフォルトでは「32768」となっています。
ルートポート(RP)の選出
ルートブリッジが決まったらそれ以外の各スイッチでルートポート(RP)を1つ選出します。
各スイッチの中でもっともルートブリッジに対してのパスコストが小さいポートがルートポートとなります。
パスコストの値は以下となっています。
スイッチA
1番ポートはパスコスト100+19=21
2番ポートはパスコスト2
でルートポートは2番ポートとなります。
スイッチB
1番ポートはパスコスト19
2番ポートはパスコスト100+100=200
でルートポートは1番ポートとなります。
指定ポート(DP)の選出
ルートブリッジ以外の各スイッチにてルートポートが1つ選出されたら、次に指定ポート(DP)を選出します。
指定ポートは各セグメント毎に1つ選出します。
各セグメントの中で一番ルートブリッジに近いものが指定ポートになります。
(ルートポートの向かいのポート、ルートブリッジのポートは必然的に指定ポートになります。)
「スイッチA-B」の間のセグメントでは「スイッチA-C」はコスト100、「スイッチB-C」はコスト19となり、「スイッチB」の方が低いコストとなるので、「スイッチB」の②ポートが「指定ポート」となります。
非指定ポートが決まる
上記までの流れで何にも選出されなかったポートを非指定ポートと呼び、スパニングツリープロトコルではこのポートをダウンさせます。
ダウンさせるポートが決まるまでの流れは以上となります。
次回の記事ではスイッチが環状に接続されている別のパターンを見ていきます。