【独学CCNA】088.Vlan間ルーティング
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
今回はVlan間ルーティングです。
- Vlan間ルーティングとは
- ルーターによるVlan間ルーティング
- レイヤ3スイッチによるVlan間ルーティング
- まとめ
Vlan間ルーティングとは
Vlan間ルーティングとはどういったものなのでしょうか。前回までの記事で、Vlanを分けることにより通信が届かなくなると説明しました。
Vlan間ルーティングとは異なるVlanの機器が通信できるようにする設定のことです。
VlanはL2のレイヤで作用する機能です。L2のレイヤのみでは異なるVlanを通信させることはできません。一つ上のレイヤ、L3の機器を使う必要があります。L3の機器としてはルーターや、L3スイッチなどがあります。
ルーターによるVlan間ルーティング
ルーターによるVlan間ルーティングについて説明します。
以下のような構成とします。
スイッチとルーター間に注目してください。このリンクには2つのVlanの通信を通す必要があることに気づくと思います。アクセスリンクとして、物理的に2本の配線を行ってもよいのですが、トランクリンクの設定がここでも利用できるので利用しましょう。
スイッチ側の設定をどうするかは特に問題はないでしょう。トランクポートにしてあげることで、どんなVlanの通信であっても通すことができます。
ルーター側はどうでしょうか。今回の場合、2つのネットワークの通信が届くことになるのに、物理的には1つのポートしか使っていません。困ったことが出てきますね。そうです、IPアドレスの設定です。
2つの異なるネットワークからの通信を1つの物理的なポートで受け取れるようにしなければなりません。
ここで出てくるのが、「サブインターフェース」という機能です。仮想的にインターフェースを分けることができます。つまり、物理的には1つのポートなのに、複数のIPアドレスを設定できるようになるのです。
スイッチとルーターでもう一つ気にすべき点があります。それは前回の記事で紹介したトランキングプロトコルをそろえるということです。
スイッチとルーター間のトランキングプロトコルが異なると通信がうまくいきません。
レイヤ3スイッチによるVlan間ルーティング
レイヤ3スイッチによるVlan間ルーティングについて説明します。
そもそもレイヤ3スイッチとは何でしょうか。それはL2スイッチの機能に加えてレイヤ3の機能も利用することができるスイッチのことです。
L3スイッチの中にL2スイッチとルーターが入っていると考えるとよいと思います。
ルータの役割も兼ねたスイッチというイメージですね。
今回の記事ではL3スイッチについての細かい話は省かせていただきます。
まとめ
- 異なるVlan間で通信ができるようにすることをVlan間ルーティングという
- Vlan間ルーティングにはレイヤ3の機器が必要となる
- ルーターによるVlan間ルーティングの場合にはトランキングプロトコルをスイッチとルーターで揃える
今回はVlan間ルーティングについて説明しました。
次回はVlanの設定を行いたいと思います。