【独学CCNA】076.IPv6とは
ゼロからのCCNA独学講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はOSPFについて説明しました。
今回はIPv6について説明します。
- IPv6とは
- IPv6の機能
- IPv6ヘッダのフォーマット
- まとめ
- 確認問題
IPv6とは
IPv6は、現在主流となっているIPv4に次ぐIP(インターネットプロトコル)の規格です。
IPv4アドレスは32ビットで表現されるため、約43億の端末にしか割り当てることが出来ず、
世界的なインターネットの普及に伴ってアドレスが不足する事態が発生しています。
世界人口が80億に迫る中、1人複数端末を所持することも珍しくない時代です。
そこで物理的にアドレスを増やす根本的な対策として、IPv6が開発されました。
IPv6はアドレス長が128ビットのため、約340澗(34×10^38)個の端末にそれぞれ割り当てることが出来ます。
しかし、IPv4とIPv6には互換性がなく、簡単に移行することが出来ていません。
IPv4とIPv6を併用しつつIPv6は徐々に普及しつつありますが、まだまだ時間が掛かりそうです。
IPv6の機能
IPv6の主な機能として、以下のようなものがあげられます。
- 膨大なアドレス
- IPv6は128ビットのアドレスであるため、世界中の人が一人で複数のアドレスを利用しても問題ない数があります。
- 自動設定機能
- IPv6の自動設定機能により、DHCPサーバ無しでもIPアドレスの割り当てが可能になっています。
- 効率的な経路集約
- IPv6は階層構造が厳密であり、より効率的な経路集約を実現します。
- シンプルなヘッダ
- IPv6ヘッダはIPv4ヘッダよりフィールド数が簡素化されています。
- セキュリティ機能
セキュリティ的機能として、「モビリティ」と「セキュリティ」という機能も組み込まれています。
IPv6ヘッダのフォーマット
IPv6ヘッダは以下のようになっています。
過去の記事のIPv4ヘッダと見比べてみるとシンプルになっていることが分かります。
IPv4ヘッダにはなかったフィールドや、内容が変わっているものもありますので、1つずつみていきましょう。
バージョン
バージョンは、ほぼ名前のまま、IPのバージョンを表すフィールドです。
IPv6では、6という値がセットされます。
トラフィッククラス
トラフィッククラスは、IPv4ヘッダの「ToS」に相当するフィールドです。
フローラベル
フローラベルは、通信経路の品質確保や、経路の優先選択のために使用されます。
ペイロード長
ペイロード長は、IPv6ペイロード部の長さを示します。
IPv6ペイロードにはオプションやデータが含まれます。
ネクストヘッダ
ネクストヘッダは、IPv4の「プロトコル」に相当するフィールドです。
上位プロトコルのタイプ等が格納されます。
ホップリミット
ホップリミットは、IPv4の「TTL」に相当するフィールドです。
送信元アドレス
送信元のIPv6アドレスが格納されます。
宛先アドレス
宛先のIPv6アドレスが格納されます。
まとめ
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- IPv6は、現在主流となっているIPv4に次ぐIP(インターネットプロトコル)の規格である。
- IPv6はIPv4アドレスの枯渇問題を解決するために開発された。そのためアドレス長はIPv4よりも長い128ビットになっている。
- IPv6には、膨大なアドレス量、自動設定機能、効率的な経路集約、シンプルなヘッダ、セキュリティ機能等の特徴が備わっている。
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確認問題
次のうち正しい選択肢を選んでください。
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- IPv6のヘッダはIPv4のヘッダよりも複雑なため、普及には時間が掛かっている。
- IPv6アドレスはアドレス長が32ビットであり、世界中の端末にそれぞれを割り当てるのに十分なアドレス数を確保することが出来る。
- IPv6ヘッダのフィールドの1つ、「ホップリミット」はパケットの寿命、生存時間を表すフィールドで、
パケットが宛先に到達するまでの間にL3機器を経由するたび、値は1ずつ減っていく。
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今回はIPv6について説明しました。
次回はIPv6の表記について説明します。