【独学CCNA】032.UDP
ゼロからのCCNA独学講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
前回はTCPの細かい動作について説明しました。
本記事ではUDPについて説明していきます。
- UDPとは
- UDPの特徴
- UDPのヘッダ情報
- まとめ
UDPとは
UDPとはOSI参照モデル4層で使用される、通信のプロトコルの一つです。同じく第4層で使用されるプロトコルにはTCPがあります。TCPについては前回までの記事で学習しました。
UDPを利用した通信ではデータがきちんと届いたかどうかの確認を行いません。3ウェイハンドシェイクのような事前動作なしに、データを送り始めます。通信がはじまってからも受信側は応答を行わないため、データが通信経路の途中で抜け落ちてしまっても、送信側、受信側お互いにそれに気づくことはできません。
なので、信頼性よりも速度が重要な通信(IP電話など)でよく利用されています。
UDPの特徴
・データの順番を制御しない
データに順番の情報を持たせないため、受信側は受け取った順序が入れ替わっていても正しく直すことはできません。
・信頼性がない
受信応答をしないため、通信経路の途中で抜け落ちたデータがあってもそれを認識することができません。
・ウィンドウ制御や、フロー制御がない
(ウィンドウ制御、フロー制御については一つ前の記事で紹介しています。)
そもそも、応答の処理を行わないため、ウィンドウ制御はありません。また、受信側から何からの通知ができないため、フロー制御もすることができません。
・コネクションレス型
通信を始める前にコネクションの確立を行いません。
・オーバーヘッドが小さい
次に出てくるヘッダ情報を見ていただければわかりますが、TCPに比べてヘッダ情報のデータ量が小さいです。
※これらのデメリットに対応する処理が必要な場合はUDPより上位のアプリケーション側で実装する場合もあります。
UDPのヘッダ情報
ヘッダの詳細については次回の記事で説明します。
まとめ
・UDOはTCPと同じく、OSI参照モデルの第4層で使用されるプロトコルである。
・UDPは通信の経路でデータが抜け落ちてもそれに気づくことができない。
・UDPは信頼性よりも速度重視の通信に使用される。
確認問題
以下の選択肢から正しいものを選んでください。
- UDPでは抜け落ちたデータがあった際にはそれを後で再送する。
- TCPはOSI参照モデルの第4層で使用される。
- UDPのヘッダの情報量はTCPと比べて大きい。
今回はUDPを紹介しました。
次回はTCPとUDPの比較をしていきたいと思います。