【独学CCNA】033.Cisco機器とCisco IOSについて
ゼロからのCCNA独学講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
今回は、Cisco機器の概要を説明していきます。
- Cisco機器(ルータ・スイッチ)について
- Cisco IOSとは
- まとめ
- 確認問題
Cisco機器(ルータ・スイッチ)について
Ciscoは大手のネットワーク機器ベンダーです。エンタープライズ向けのルータやスイッチを製造しており、CCNAではCiscoのルータやスイッチの知識や操作などを習得していることが求められています。
Ciscoのルータやスイッチには、一般的な家庭向けのルータやスイッチとは異なる機能が搭載されています。
- 様々なプロトコルへの対応
- インターフェースの種類
- 細やかな設定項目
簡単に内容を確認していきましょう。
様々なプロトコルへの対応
一般的な家庭用ルータはTCP/IPに準拠して作られています。CiscoのルータやスイッチもTCP/IPに準拠していますが、それだけではなくAppleTalk、フレームリレーといったレイヤ2、レイヤ3の様々なプロトコルに対応しています。
それ以外にも、家庭用ルータでは対応していないことが多いルーティングプロトコル(OSPF,BGPなど)を扱うことができたり、HSRPやVRRPといった家庭用では求められることの少ない冗長化プロトコルなどに対応していたりします。
インターフェースの種類
一般的な家庭用のルータは、GigabitEthernet対応のインターフェースを2~4つ程度備えていることが多いと思います。それに対してCiscoのエンタープライズ向けのルータやスイッチでは、GigabitEthernetだけでなく、10G、40G、100Gといったより高速なEthernetインターフェースを備えていたり、SFPと呼ばれる光ファイバー用のインターフェース、ルータなどにアクセスするためのコンソール用のインターフェースなどを備えています。それ以外にも、WANとの接続などで使われていたシリアルインターフェースや、Ethernet以外のレイヤ2プロトコル用のインターフェースを備えているものもあります。
細やかな設定項目
家庭用のルータでは設定できる機能が制限されていることが多いです。一般的なユーザーが利用する上で、最低限必要な機能のみ設定できるようになっているわけですが、エンタープライズ向けの機器ではより細やかな設定を施すことが求められます。
Ciscoのルータやスイッチでは、インターフェースにIPアドレスを設定したりするだけでなく、スタティックや動的プロトコルを使用してルーティングを設定したり、アクセスリストなどを用いた詳細なセキュリティの設定を行ったりすることができます。
このように、Ciscoのルータやスイッチは一般向けのルータとは大きく異なったものとなっています。
よく見かけるCiscoのルータやスイッチのシリーズを以下に挙げておきます。
ルータ
- Catalyst 8300シリーズ
- Catalyst 8200シリーズ
- ISR 4000シリーズ
- ISR 1900シリーズ
- ISR 1800シリーズ
- ISR 1000シリーズ
- ISR 900シリーズ
- ISR 800シリーズ
- ASR 9000シリーズ
- ASR 1000シリーズ
- ASR 900シリーズ
- CRSシリーズ
スイッチ
- Catalyst 9600シリーズ
- Catalyst 9500シリーズ
- Catalyst 9400シリーズ
- Catalyst 3650シリーズ
- Catalyst 3560シリーズ
- Catalyst 2960シリーズ
- Catalyst 1000シリーズ
- Nexus 9000シリーズ
Ciscoの機器にはたくさんのシリーズがあり、それぞれ機能や用途が異なります。
実際にこれらに触れる際は、それぞれのシリーズがどのような用途で使われる機器なのか調べてみてください。
Cisco IOSとは
Ciscoルータやスイッチでは、Cisco IOS(Internetworking Operating System)と呼ばれるOSが動作しています。
WindowsやMAC OSのように、コンピュータを動作させるために必要なOSとして、Cisco製品にはCiscoのOSが搭載されているわけですね。
詳しくは次回以降の記事で取り扱いますが、ルータやスイッチといっても、中身は皆さんが使用しているPCなどと大きくは変わりません。CPUやメモリなどが搭載されており、OSが全体の動作を管理しています。
また、WindowsやMAC OSはGUIで動作しますが、Cisco IOSはCLI(Command Line Interface)で動作します。CLIの細かい操作については今後の記事で解説していきます。
Cisco IOSにはIOSの中で更に細かく機能によって種類が分かれていたり、IOS XEやNX-OSといったIOS以外のOSやも存在していたりするのですが、CCNAでは扱いません。実際にそれらが搭載された機器を扱う際に調べてみてください。
まとめ
- Ciscoのルータやスイッチは家庭用ルータなどと機能面で大きく異なる
- Ciscoのルータやスイッチは、Cisco IOSで動作している
確認問題
以下の選択肢から正しいものを選んでください。
- 一般的な家庭用ルータでは、ルーティングプロトコルを使えることが多い
- Ciscoのルータやスイッチは主にGUIで操作する
- Ciscoのルータやスイッチには、Ethernetインターフェースしか搭載されていない
- Cisco IOS以外にも、Cisco製のルータやスイッチ用のOSは存在する
今回はCisco機器とCisco IOSについて解説しました。
次回はCisco機器へのアクセス方法について解説していきます。