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【独学CCNA】019.IPアドレスの表記方法
2021.09.29
Lv1

【独学CCNA】019.IPアドレスの表記方法

ゼロからのCCNA独学講座

本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はネットワーク層の機能について説明しました。
今回はIPアドレスの表記方法について説明していきます。

  • IPアドレスの必要性
  • IPv4アドレスの表記方法
  • サブネットマスク
  • プレフィックス長表記
  • IPv4アドレスのクラス
  • まとめ

IPアドレスの必要性

MACアドレスとは同一ネットワーク上の通信相手を識別するための番号のことでした。
対してIPアドレスはインターネットやLANなどのIPネットワークに接続された通信相手を識別するための番号のことです。
例えるとインターネット上の住所や電話番号のようなものです。
現実でも住所や電話番号は一意(重複しないもの)となるのと同様に、インターネット上でも一意にIPアドレスが割り当てられなければなりません。
郵便配達を例にして考えてみましょう。
配達エリアに家が二軒あり、実際の場所が違うのに住所が同じになっていると、郵便局がどちらに手紙を配達したらいいか分からなくなってしまいますね。
IPアドレスも同じです。インターネット上にIPアドレスが同じ機器が存在すると、どの機器と通信したらいいのか分からなくなってしまいます。
現在多くのネットワークで利用されているIPのバージョンは4です。(以後IPv4と表します)

IPv4アドレスの表記方法

コンピュータの世界ではIPv4アドレスは2進数32桁で認識されます。
2進数とは「0」と「1」だけで数値を表現する方法です。詳しくは次回の記事で紹介します。
しかし、「0」と「1」が32桁も並んでいては、人間にとっては見づらく、たまったものではありません。
そこで、8ビット毎にドットで区切り10進数に直すことで、人間が見易い数値でIPv4アドレスを表記しています。
8ビット毎に区切られた単位のことを、オクテット(Octet)と呼びます。MACアドレスのオクテットと意味は同じです。

ちなみにIPv4アドレスは32ビットなので、2^32=約43億のIPアドレスを示すことが出来ます。
(この中には機器に直接割り当てることが出来ないアドレスも含んでいるため、実際にはこれよりも少ない数になります)

サブネットマスク

IPv4アドレスはネットワーク部とホスト部から構成されています。
ネットワーク部はネットワークを識別するためのものです。
ホスト部はネットワーク上のコンピュータを識別するためのものです。
このネットワーク部とホスト部のそれぞれの範囲を識別するための数値がサブネットマスクです。
サブネットマスクもIPv4アドレスと同様に32ビットで表します。

サブネットマスクで「1」のビットが立っている部分をIPアドレスのネットワーク部にあたる範囲とし、
サブネットマスクで「0」のビットが立っている部分をIPアドレスのホスト部にあたる範囲とすることで、それぞれの範囲を示しています。
また、サブネットマスクもIPv4アドレスと同様に10進数に直して表記することがほとんどです。

プレフィックス表記

プレフィックス表記はIPv4アドレスのネットワーク部の長さを表す表記法です。
IPv4アドレスの後ろに「/〇〇」と表記します。「〇〇」にはネットワーク部の長さを表す数値が入ります。
CIDR(Classless Inter-Domain Routing)ともいいます。
例えば下の例だとネットワーク部が24ビットであるため、プレフィックス長表記を使うと「/24」と表すことができます。

IPv4アドレスのクラス

以前はIPv4アドレスを以下のようにアドレス範囲で分け、ネットワーク部とホスト部を定める「クラス」の概念を用いるのが一般的でした。

クラスの概念を用いてIPv4アドレスを割り振ることをクラスフルアドレッシングと言います。
昔はこれで十分でしたが、インターネットの普及が進み約43億しかないIPv4アドレスを効率的に利用する必要が出てきました。
しかしクラスフルアドレッシングは大雑把にIPv4アドレスが割り振るため、IPv4アドレスの効率的に利用することが出来ません。
このような理由からクラスの概念を用いず、サブネットマスクを利用してネットワーク部を指定することで柔軟にIPv4アドレスを割り振るクラスレスアドレッシングが主流になっています。

まとめ

  • IPv4アドレスは32ビットで表現される。
  • IPv4アドレスはネットワーク部とホスト部から構成される。
  • サブネットマスクはネットワーク部とホスト部の範囲を識別するための数値である。
  • IPv4アドレスをクラスに分割して区分してアドレスを割り振る方法をクラスフルアドレッシングと呼ぶ。
  • クラスの概念を用いず柔軟にアドレスを割り振る方法をクラスレスアドレッシングと呼ぶ。

確認問題

次のうち正しいものを選んでください。

  1. IPアドレスは32ビットで表現され、半分の16ビット毎に区切ったものをそれぞれネットワーク部・ホスト部と呼ぶ。
  2. サブネットマスクは16進数を用いて「00:00:5e:00:53:65」のように表現する。
  3. プレフィックス表記は「/16」のように表現することでIPv4アドレスのネットワーク部の長さを示す表記のことである。
解答・解説
答え:3

1)ネットワーク部とホスト部の区切りは16ビットとは決まっていません。サブネットマスクによって区切るのが一般的です。
2)サブネットマスクは10進数を用いて「255.255.255.0」のように表現します。またCIDR表記を用いて「/24」のようにも表現します。
3)正解です。プレフィックス表記はIPv4アドレスのネットワーク部の長さを表す表記法です。「/」の後にネットワーク部の長さを示すことで表記します。


今回はIPv4アドレスの表記方法について説明しました。
次回は2進数と10進数について説明します。

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当連載を執筆している講師陣が所属するITスクールSAK

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