Infra Engineer

【独学CCNA】028.トランスポート層の概要
2021.08.30
Lv1

【独学CCNA】028.トランスポート層の概要

CCNA対策講座

本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
前回まではネットワーク層について説明してきました。
本記事ではトランスポート層について説明していきます。

  • トランスポート層の役割
  • ポート
  • TCP
  • UDP

トランスポート層の役割

トランスポート層は、送信元/宛先端末内のアプリケーション間での通信を実現するための定義をしている層です。
例としてPCの場合、さまざまなアプリケーションが同時に動いています。OSI参照モデルの第3層まででは端末まではデータが届きますが、そのデータがどのアプリケーションが必要としているデータなのかの判断はできません。端末まで届いたデータが、どのアプリケーションに向けたデータなのかを判断し、該当のアプリケーションまで届ける役割を担っているのが第4層のトランスポート層となります。

PCはアプリケーションごとにデータの入り口をわけています。その入り口のことをポートと呼びます。
また、トランスポート層で利用されているプロトコルは大きなものが2つあります。TCPとUDPです。それ以外にもDCCPやSCTPがありますが、あまり使われていないのでここでは名前の紹介だけにしておきます。

ポート

PCが通信を行う際に使用する、アプリケーション毎に分かれているデータの入り口のことです。トランスポート層では端末まで届いたデータをポート番号という情報によってどのアプリケーションに向けられたデータなのかを識別します。

TCP

トランスポート層が利用するプロトコルの一つにTCPがあります。
TCPは信頼性が必要な通信に利用されます。
TCPでは受信側はデータごとにきちんを受信できたかを、送信側に返事します。送信側は受信側が受け取りに失敗したデータがあった場合そのデータを送り直します。
また、大きなデータを分割し、その分割されたデータの順番の管理などもしてくれるプロトコルです。

UDP

トランスポート層のもう一つのプロトコルにUDPがあります。
UDPは送信側が一方的にデータを送り続ける通信になります。TCPとは違い、きちんとデータが届いたかの確認を行いません。つまり受信側は送られてきたデータに対する応答は行わないため、通信がうまくいかなかったデータがあった場合、双方がそれに気づかずに抜け落ちたデータは抜け落ちたままとなってしまいます。
信頼性は落ちますが、返答にかかる手間がないため速度重視、リアルタイム性重視の通信に利用されます。

確認問題

以下の選択肢から正しいものを選んでください。

  1. TCPは一般的にUDPよりも速度を重視したプロトコルである。
  2. UDPは一般的にTCPよりもデータのやりとりにおける信頼性が高い。
  3. トランスポート層で使われるプロトコルは主にTCPとUDPである。
解答・解説
答え:3

1) TCPは速度よりも信頼性を重視したプロトコルです。
2) UDPよりもTCPの方が信頼性は高くなります。
3) 正解です。トランスポート層では主にこの二つのプロトコルが使用されます。

まとめ

・トランスポート層によってアプリケーション同士の通信ができる。
・トランスポート層ではTCPとUDPの2つのプロトコルが利用されている。
・TCPは信頼性を重視したプロトコル。速度は遅いが、確実な通信ができる。
・UDPは速度を重視したプロトコル。ストリーミング配信など、速度とリアルタイム性が必要な通信で使われる。

今回はトランスポート層について学習しました。
次回は今回出てきたTCPについて詳しく学んでいきます。

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当連載を執筆している講師陣が所属するITスクールSAK

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