Infra Engineer

【独学CCNA】010.MACアドレス
2021.07.23
Lv1

【独学CCNA】010.MACアドレス

CCNA対策講座

本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はネットワークの接続形態、ネットワークトポロジについて説明しました。
今回はイーサネットで通信する際に相手を識別するための識別子について説明します。

  • MACアドレス
  • MACアドレスの構造
  • MACアドレスが重複してしまうケース
  • まとめ

MACアドレス

イーサネットは前回解説したスター型のトポロジのように複数の機器が接続されます。
このときPCから別のPCへ通信しようとするなら、複数接続しているPCから通信したい相手を指定する必要があります。
イーサネットでは通信相手を識別するための識別子としてMACアドレス(Media Access Control address)と呼ばれるものを使用します。
MACアドレスは機器をネットワークに接続するために必要なカードであるNIC(Network Interface Card)につけられている識別子です。
物理的なNICにつけられているアドレスであるため物理アドレスともいわれます。

MACアドレスの構造

コンピューターの世界では、すべてのデータは2進数を使用して1桁に0か1を使い表現しています。
2進数で表せる1桁のことを1ビットと言います。
MACアドレスは48ビット、2進数で48桁となります。
表記する際は48桁も0と1を並べるのは読みづらいため以下のように16進数12桁で表します。

(2進数と16進数について詳細はのちの連載で説明します)
コロンで区切られた16進数2桁、つまり2進数で8桁(8ビット)のことをオクテット(Octet)と言います。
先頭から順番に第一オクテット(28の部分)、第二オクテット(cfの部分)といい、全部で6オクテットの値となります。
前半の3オクテットはOUI(Organizationally Unique Identifier)といい、NICのベンダー(機器メーカー)を表しています。
後半はベンダーが独自にベンダー内で重複がないように管理番号をつけています。
ベンダーが異なれば当然前半部分が異なり、またベンダー内で重複がないように後半部分をつけるため、
MACアドレスは基本的に世界中で重複しないようになっています。
通信相手とMACアドレスが重複してしまうと正常に通信ができなくなりますが、後述の特殊なケースで重複してしまう可能性があります。
家庭内などでPCを通常の使い方をしている場合、MACアドレスが重複することはまずないためそれほど意識することはありません。

MACアドレスが重複してしまうケース

企業のネットワークでは機器が仮想化され使用されていることがあります。
仮想化についてざっくりというと1つのマシン内で複数のマシンが動いているように見せたり、複数の機器を一つに見せたりするなどの技術です。
(仮想化技術に関して、詳細はのちの連載で説明します)
実際に機器についているわけではない仮想的なMACアドレスを使用するため、通信相手とMACアドレスが重複してしまうことがあります。
こういった環境ではMACアドレスの重複に注意する必要があります。

まとめ

  • イーサネットでは通信相手を識別するための識別子をMACアドレスと呼ぶ。
  • MACアドレスは16進数12桁で表される。
  • 前半の3オクテットはOUIという。後半の3オクテットはベンダーが重複がないように値をつけている。
  • MACアドレスは基本的に世界中で重複しない一意のものである。
  • 確認問題

    以下の選択肢から正しいものを選んでください。

    1. MACアドレスはIPアドレスとも呼ばれ、OSI参照モデルに当てはめるとネットワーク層で扱われる値です。
    2. MACアドレスはNICのメーカーを識別するOUIと、ベンダーが重複がないように管理している管理番号で構成されます。
    3. MACアドレスは10進数12桁で表されます。
    解答・解説
    答え:2

    1) MACアドレスは物理アドレスと呼ばれます。OSI参照モデルに当てはめるとデータリンク層で扱われる値になります。
    2) 正解です。MACアドレスはOUIとベンダーが管理している管理番号で構成されます。
    3) MACアドレスは16進数12桁で表されます。


    今回はイーサネットで通信する際に相手を識別するための識別子、MACアドレスについて説明しました。
    次回はMACアドレスを使ったイーサネットでのデータの構造について説明します。

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    当連載を執筆している講師陣が所属するITスクールSAK

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