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【独学CCNA】017.ネットワーク層の機能①
2021.08.23
Lv1

【独学CCNA】017.ネットワーク層の機能①

CCNA対策講座

本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
今回は、ネットワーク層の機能について2回に分けて解説していきます。

  • ネットワーク層とは?
  • ネットワーク層のプロトコル
  • IPアドレスの定義
  • まとめ
  • 確認問題

ネットワーク層とは?

ネットワーク層とは、OSI参照モデルの第3層に当たるレイヤーです。TCP/IPモデルでは、インターネット層がほぼ同等の機能を持つレイヤーになります。
簡単に説明すると、送信元の端末から最終的な宛先までデータを送り届ける役割を担い、それに必要なものを定義しているレイヤーになります。
データリンク層では、直接繋がった端末間の通信を成り立たせるための様々な取り決めが行われていました。それに対して、ネットワーク層では複数のネットワークを越えて端末同士が通信をするための取り決めを行っています。

ある端末から他のネットワーク上の端末への通信の際、最終的な送信元/宛先の情報はネットワーク層で定義しています。また、宛先にたどり着くための道案内もネットワーク層の役割です。送信元から宛先にたどり着くための道中、例えばPCからL2スイッチまでといった直接接続されている端末間の通信については、1つ下層のデータリンク層で定義されています。
また、レイヤ2プロトコルは1つのネットワーク内では同一のものが使われている必要があります。Ethernetを使っているネットワークに存在する各機器はEthernetで通信を行わなければなりません。ですが、世界中全てのネットワークでEthernetが使われているわけではなく、異なるプロトコルをレイヤ2プロトコルとして使っているネットワークも存在します。異なるレイヤ2のプロトコルを使っているネットワーク同士で通信を行うには、どこかでその違いを吸収する仕組みが必要になります。レイヤ3プロトコルはレイヤ2プロトコルの違いを覆い隠し、異なるレイヤ2のプロトコルを用いているネットワーク内の機器同士でも通信が出来るようにしてくれます。

ネットワーク層のプロトコル

ネットワーク層で使われているプロトコルはほとんどがIP(Internet Protocol)です。IPではIPv4とIPv6の2つのバージョンが使われています。
IPは3つの重要な役割を持っています。ネットワーク層のアドレスであるIPアドレスの定義、送信元から宛先までのパケットの転送(ルーティング)、IPパケットの分割と再構築(IPフラグメンテーション)の3つです。

  • IPアドレスの定義
  • ルーティング
  • IPフラグメンテーション

今回はIPアドレスの定義について、簡単に説明します。ルーティングとIPフラグメンテーションについては次回説明します。

IPアドレスの定義

通信を行う際は郵便における住所や電話における電話番号と同じように、通信相手を識別する値が必要になります。データリンク層ではMACアドレスが用いられています。MACアドレスはあくまで1つのネットワーク内で端末の識別に用いられています。では、異なるネットワーク上に存在する端末を識別するためにはどのような値が必要になるでしょうか。
それを定義しているのがネットワーク層のアドレスであるIPアドレスです。TCP/IPを使って通信をする端末は、基本的にIPアドレスを持つ必要があります。

各機器にIPアドレスを設定することで、それらの機器を複数のネットワークを含めた広い範囲で識別することができるようになります。また、IPアドレスを設定することで、異なるネットワーク上の端末を宛先として指定し、通信を行うことができるようになります。

IPアドレスは32bitの値から成り立っており、値に応じて様々な役割や意味が定義されています。
IPアドレスの詳しい解説はこのあとの記事で扱っていきますので、そちらも読んでみてください。

まとめ

  • ネットワーク層は最終的な送信元/宛先間での通信を送り届ける役割を持つ
  • レイヤ2のプロトコルの違いを覆い隠し、複数のネットワークを越える通信を実現させる
  • ネットワーク層で使われる主なプロトコルはIP(IPv4/IPv6)
  • IPの主な役割は IPアドレスの定義/ルーティング/IPフラグメンテーション

確認問題

以下の選択肢から正しいものを選んでください。

  1. ネットワーク層の役割は通信の信頼性の確保や、アプリケーション層のプロトコルへの受け渡しである。
  2. レイヤ2のMACアドレスのように、レイヤ3ではIPv4アドレス/IPv6アドレスが使われている。
  3. ネットワーク層の役割は直接つながった機器間での通信を成立させることである。
解答・解説
答え:3

1) トランスポート層の説明です。
2) 正解です。ネットワーク層では、IP(Internet Protocol)のアドレスであるIPアドレスが使われています。
3) データリンク層の説明です。


今回はネットワーク層の役割について解説しました。
次回も引き続きネットワーク層の役割の残りを説明していきます。

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当連載を執筆している講師陣が所属するITスクールSAK

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