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【独学CCNA】015.コリジョンドメインとブロードキャストドメイン
2021.07.23
Lv1

【独学CCNA】015.コリジョンドメインとブロードキャストドメイン

CCNA対策講座

本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます!
今回はコリジョンドメインとブロードキャストドメインについて解説します。

  • ドメインとは?
  • コリジョンドメイン
  • ブロードキャストドメイン
  • まとめ

  • ドメインとは?

    前回まで、データリンク層の機器であるL2スイッチについて解説してきました。
    今回は、データリンク層にまつわるキーワードである、コリジョンドメインブロードキャストドメインについてみていきたいと思います。

    まず前提として、ドメインとは何を表す言葉でしょうか?
    英語のdomainの意味としては主に、「領土、領域、分野」などを表します。
    ITの世界においては、ドメインという言葉はいくつかの意味を持ちます。

    1.ネットワーク上の「住所」を表す
    2.ネットワーク上の「範囲」を表す

    よく使われるのは1の住所を意味するドメインになります。インターネット上のあるネットワークやコンピュータを識別するための名前として用いられます。
    例えば、https://www.google.com/というURLでは、google.comがドメイン、wwwがホスト名を表しています。
    また、Eメールアドレスの@の後ろの部分も同様にドメインと呼ばれることがあります。

    URLとメールアドレスにおけるドメイン

    URLやEメールアドレスは、ネットワーク上の特定の宛先を示します。これらが住所として機能することで、URLを使って特定のWebサイトにアクセスしたりEメールアドレスを使ってメールを相手に送り届けたりすることが出来るわけです。

    2の方はあまり多く使われる意味ではありませんが、今回説明するコリジョンドメインとブロードキャストドメインなどで使われます。
    ネットワーク上のある範囲、例えばスイッチとPCが接続している1セグメント、ルータで区切られた1ネットワークなどを示す際に使うことがあります。

    コリジョンドメイン

    それでは、コリジョンドメインについて確認していきましょう。まず前提として、コリジョンについて振り返っておきましょう。
    コリジョン(Collision)とは、ネットワーク上で発生するデータの衝突を意味します。半二重通信(half-duplex)を用いている場合、ネットワーク上では1つの銅線上を送信受信の2つの通信が行き来することになります。対向の端末同士がいっぺんにデータを送信しようとした場合、データが衝突してしまいます。これがコリジョンです。
    コリジョンドメインとは、このコリジョンが発生し得るネットワークの範囲を示しています。コリジョンドメインとして、主に以下のような例が挙げられます。

    ・10Base-2などの同軸ケーブルを使ったバス型のトポロジで、複数の端末が接続されている状態

    バス型トポロジの場合

    バス型トポロジの場合、半二重通信を行う1つの同軸ケーブルを複数端末で共有することになるため、1度に複数の端末が送信を行おうとするとコリジョンが発生します。1つの同軸ケーブルに繋がった複数端末全てを含むネットワークがコリジョンドメインの範囲となります。
    現状ネットワークで10Base-2などを用いることは稀なので、こういった環境を目にすることはほぼないと思われます。

    ・ハブ、リピーターハブを介して複数の端末が接続されている状態

    ハブやリピーターハブの場合

    ハブやリピーターハブといった物理層の機器は半二重で通信を行います。また、宛先を判断せず、流れてきた電気信号をそのまま転送します。その際、ハブやリピーターハブは宛先を読み取ったりする機能を持たないため、自身の持つ全てのポートに転送を行います。なので、1台のハブやリピーターハブに繋がった複数の端末が同時に送信を行おうとすると、コリジョンが発生します。ハブやリピーターハブに繋がった複数端末全てを含むネットワークがコリジョンドメインの範囲となります。
    ハブやリピーターハブは大体がL2スイッチ(スイッチングハブ)に置き換わっていますので、こういった環境を目にすることは少なくなっています。

    ・L2スイッチと端末が1対1で接続されている状態

    L2スイッチの場合

    L2スイッチやスイッチングハブと呼ばれる機器の場合、MACアドレスを用いて通信の宛先制御を行う点、流れてきた通信を一旦バッファに保持することが出来る点などから、コリジョンドメインが狭くなります。流れてきた通信を宛先のみに送ったり、バッファに一時的にためておくことが出来たりするため、異なるポート間ではコリジョンが発生しません。スイッチの場合、コリジョンドメインはスイッチの1ポートとそこに繋がっている端末が範囲となります。よって、スイッチはコリジョンドメインをポートごとに分割する、などと言ったりします。ルータやL3スイッチといったL2以上の機能を持つ機器も同様です。

    こういったコリジョンドメインで発生するコリジョンを抑制するための手段として、EthernetではCSMA/CD方式と呼ばれるコリジョンの検出、及びそれを回避して通信を行う方式を使用しています。
    ただし、コリジョン自体が半二重通信でしか発生しないものです。現状半二重通信を使うことはほとんどなく、大体の機器が全二重通信に対応しているためコリジョンとコリジョンドメイン、CSMA/CD方式などについて考える必要はなくなってきています。(無線の場合はまた事情が変わりますので、この連載の後半で取り扱います。)

    ブロードキャストドメイン

    次に、ブロードキャストドメインについて確認していきましょう。
    Ethernetにおいてのブロードキャストとは、同じネットワーク内に存在する全ての機器に対してデータを送信する通信方式です。ARPやDHCPといった様々なプロトコルで使われています。
    ブロードキャストドメインは、そのブロードキャストが届く範囲を表します。Ethernetにおいては、ブロードキャストドメイン=1つのネットワークの範囲、と捉えてもらって問題ありません。
    L2スイッチやリピーターハブなどは、ネットワークを分割するためのレイヤ3の機能を有していません。ですので、ブロードキャストドメインを分割することはできません。ブロードキャストドメインは、ルータやL3スイッチなど、ルーティングの機能を持った機器によって分割されます。

    ブロードキャストドメイン

    ブロードキャストはEthernetでは全bitが1のMACアドレス、FF:FF:FF:FF:FF:FF がブロードキャストアドレスとして定義されています。
    IPでのブロードキャストアドレスは、ネットワーク毎に異なります。

    まとめ

    ・ドメインはネットワーク上の住所や範囲を表す
    コリジョンドメインはコリジョンが発生する範囲を表し、L2以上の機器はコリジョンドメインを分割できる
    ブロードキャストドメインはブロードキャストが届く範囲を表し、L3以上の機器はブロードキャストドメインを
     分割できる


    今回はコリジョンドメインとブロードキャストドメインについて解説しました。
    次回はオートネゴシエーションについて解説します!

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