【独学CCNA】007.イーサネットLANのケーブルと規格2
CCNA対策講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はリンク層で利用されるプロトコルであるイーサネット規格のケーブルについて学びました。
今回はその中でもLAN環境で広く使われているツイストペアケーブルについて深く学んでいきましょう。
- RJ45(Registered Jack-45)コネクタ
- LANケーブルのピンの割り当て
- MDI(Medium Dependent Interface)とMDI-X
- AutoMDI/MDI-X
- まとめ
RJ45(Registered Jack-45)コネクタ
一般的にLANケーブルとして使われているツイストペアケーブルの両端にはRJ45という規格のコネクタがついています。
コネクタとは機器と機器を接続するための器具のことです。
ツイストペアケーブルは銅線を2本ずつペアにして撚り合わせたケーブルでしたね。
コネクタにRJ45を採用しているツイストペアケーブルは、この銅線2本のペアが4組存在します。
RJ45コネクタにも2×4=8本の導線からの通信が送出できるよう、
それぞれの銅線に対応した8本のピン(送出口)が存在します。
以降、このRJ45コネクタを採用しているケーブルを例に進めていきます。
LANケーブルのピンの割り当て
LANケーブルにはストレートケーブルとクロスケーブルの2種類があります。
これらは上述のピンの並びにそれぞれ違いがあります。
ストレートケーブル
ストレートケーブルは銅線がストレートに配線されているため、
両端のコネクタにおいて、ピンの並びが同じとなっています。
クロスケーブル
クロスケーブルは銅線の一部がクロスして配線されているため、
両端のコネクタにおいて、ピンの並びが異なっています。
これらの使い分けはLANケーブルを差し込むポートの仕様によって変わってきます。
MDI(Medium Dependent Interface)とMDI-X
LANケーブルを差し込むポートにはMDIとMDI-Xの2種類があります。
機器によってどちらのポートが使われているかが違い、
それぞれ次のように受信と送信で使用するピンが異なる仕様となっています。
・MDI 1番目と2番目を送信、3番目と6番目を受信に使用する
・MDI-X 1番目と2番目を受信、3番目と6番目を送信に使用する
一般的にはルータやPC、サーバ等はMDIが使用されており、スイッチやハブはMDI-Xが使用されています。
MDIのポートを持つ機器とMDI-Xのポートを持つ機器をストレートケーブルで接続すると、
1番目と2番目が送信、受信のピンにそれぞれ接続することができ、
同様に3番目と6番目が受信、送信のピンにそれぞれ接続することが出来ます。
しかし、MDIのポートを持つ機器同士をストレートケーブルで接続してしまうと、
1番目、2番目の送信で使われるピンがお互いに接続されてしまいます。
また、3番目、6番目の受信で使われるピンがお互いに接続されてしまいます。
これでは通信ができなくなってしまいます。
同様に、MDI-Xのポートを持つ機器同士をストレートケーブルで接続すると、
受信と受信、送信と送信で接続されてしまいます。
そこでクロスケーブルを使うことで、送信と受信が向かい合うようにするわけです。
このようにしてケーブルを使い分けしっかり配線をすることで、正しい通信が出来るようになります。
AutoMDI/MDI-X
近年では通信相手がMDIポートなのかMDI-Xポートなのかを自動認識して切り替えることの出来る、
AutoMDI/MDI-Xという機能を持った機器がほとんどになってきています。
どちらかがAutoMDI/MDI-Xに対応していれば機器やケーブルをユーザが区別しなくても相互通信が可能になるため、
このようなケーブルの使い分けを行わなくても済むようになってきています。
まとめ
・ツイストペアケーブルの両端には一般的にRJ45というコネクタがついている。
・LANケーブルにはストレートケーブルとクロスケーブルの2種類があり、
両端のコネクタにおいてピンの配列が同じものがストレートケーブル
異なっているものがクロスケーブルである。
・接続する機器によってストレートケーブルとクロスケーブルを使い分ける必要がある。
しかし近年はAutoMDI/MDI-Xという機能によって使い分けを行わなくても済むようになっている。
次回はLANケーブルの規格について学んでいきます。