【OSPF徹底解説】コストの計算方法とコストの変更


コストの計算方法とコストの変更


今回はOSPFのメトリックに使用されるコストの計算方法について見ていきましょう。


コストの計算方法

5種類のパケットをやり取りし、LSDBが更新されると、ダイクストラのアルゴリズムを使用してSPFツリーを作成します。
ダイクストラのアルゴリズムは、各ルータを起点として宛先ネットワークへ向かうために使用するインターフェイスの
コストの和から最短の経路を計算するアルゴリズムです。このアルゴリズムを使用して、SPFツリーを作成します。

『OSPFの特徴』で述べたように、コストの計算はデフォルトの場合、10の8乗÷帯域幅(bps)
各インターフェイスのコストが算出され、宛先ネットワークへの各インターフェイスの値を加算します。

例えば、次の図のような構成の場合、各ルータのインターフェイスがFastEthernetとすると、
インターフェイスのコストは1となります。10.0.0.0/24までに経由するインターフェイスは3つとなるため、
Router1から10.0.0.0/24へのコストはトータルで3となります。


等コストロードバランシング

OSPFには等コストロードバランシングの機能があります。
次の図の構成でどういったものか確認しましょう。

この構成の場合、Router1からRouter3経由の経路はGigabitEthernet(10の9乗bps)となっていますが、
10の8乗÷10の9乗で0.1となりますが、OSPFのコストの値は整数値のため、切り上げされコスト1となります。

結果、10.0.0.0/24への経路は、Router2を経由する場合もRouter3を経由する場合もコストの和は3で同じ値になります。

つまり、Router1のルーティングテーブルには、10.0.0.0/24宛のエントリが2つ登録されることになります。
パケットを転送する際には、デフォルトでフローごと(宛先ごと)に2つの経路に分散させて転送することになります。

この機能を等コストロードバランシングといいます。


コストの変更

デフォルトの計算では100Mbps以上の帯域幅の場合、コストが全て1となってしまいます。
先ほどの図のようにGigabitEthernetもFastEthernetも同一コストとなってしまうため、
等コストと見なされてしまいます。

そこで、コストに差を付けて帯域幅の大きい方を優先させたい場合は手動でインターフェイスのコストを設定するか、
計算に使用する分子の値を変更する必要があります。

計算に使用する分子の値はデフォルトでは10の8乗となっていますが、設定を変更し10の9乗などにすれば、
GigabitEthernetなら1、FastEthernetなら10となり、帯域によりコストの値に差をつけることができます。

その結果、GigabitEthernetの経路の方がより良い経路と判断され、その経路だけが
ルーティングテーブルに登録されます。


今回のまとめ

今回はOSPFのコストの計算方法について見てきました。
OSPFでは、デフォルトでFastEthernet以上の帯域ではコストに差が付きません。
また等コストロードバランシングの機能もあるため、先ほどの図で見たように、
たとえGigabitEthernetの方が早かったとしてもGigabitEthernetとFastEthernetの
両方の経路を使ってしまうこともあります。

そのような場合はコストの値を変更することでより良いGigabitEthernetの経路を優先させることができます。


 ■今回のポイント

 ・コストの合計値は宛先ネットワークへの各インターフェイスのコストの値を加算して求められる
 ・デフォルトではFastEthernet以上の帯域ではコストは1となる
 ・OSPFにはコストが同じ場合、等コストロードバランシングの機能が働く
 ・コストの値を変更することで、FastEthernet以上の帯域にもコストの優劣をつけることができる


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