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【ExcelVBA】環境構築
2020.10.06
Lv1

【ExcelVBA】環境構築

はじめに

VBAはMicrosoftのExcel、Word、Outlookなどの中に使えるプログラミング言語です。本書では、Excelで使用できるVBAに関してプログラミングの基礎から実践的なプログラム作成方法まで紹介していきます。
VBAはMicrosoft Office内のいろいろな製品で使用することができますが、それぞれで使用できる機能が大きく異なります。必ずExcelを使用するようにしてください。
「マクロ」という言葉を聞いたことがある読者もいらっしゃるかもしれません。「マクロ」とは、複数の操作を一纏めにして簡単に何度も繰り返すことができるようにする機能のことで、これは内部でプログラミング言語を用いて実現さています。このプログラミング言語が「VBA」になります。VBAを学習していくことで自然にマクロも使えるようになっていきます。イメージしにくいという方は「マクロ」≒「VBA」と思っていただいても差し支えありません。
Excelと同じ製品ジャンルである表計算ソフトと呼ばれる他の製品、たとえばGoogleのスプレッドシートやAppleのPages、LibreOfficeのCalcではVBAを使うことができません。必ず、Excelを使用する必要があります。
また、クラウド化が進んでいるためExcelをブラウザ上(IEやEdge、Safari、Chromeなど)で使用することができるようになっていますが、このブラウザ上のExcelでもVBAを使うことはできません。必ず、PCへExcelをインストールする必要があります。

開発環境

環境とは、「PCに必要なソフトウェアがインストール・設定されている状態」を指すエンジニアが使用する言葉です。読者の皆さんが普段PCで何か作業をするときには、誰かが作成したソフトウェアをPCにインストールしてからそのソフトウェアを実行して作業を行うかと思います。このように、「誰かが作成したソフトウェア」を実行するための環境を「実行環境」と呼びます。そのソフトウェアをインストールすることで「実行環境」が整ったということになります。
本書で得学ぶのはソフトウェアを作成することです。そのための環境を「開発環境」と呼びます。「VBAで作るものはソフトウェアか?」と思われるかもしれませんが、筆者は広義のソフトウェアと呼んで差し支えないと考えています。また、これらの「開発環境」「実行環境」という言葉は、VBAからステップアップして他の開発言語を学ぶときにも同様に使える考え方になります。是非覚えておくことをお勧めします。
最後に、この「開発環境」を整える(構築するとも言います。)ことは、一般的に「実行環境」を構築するよりも難しいことが多いです。開発者向けの操作になるので一般向けにはなっていないといえるかもしれません。。

VBAの開発環境に必要なソフトウェアは以下となります。
・WindowsがインストールされているPC
・Office2019
※バージョンは必ずしも2019である必要はありませんが、本書では2019を使用しますのでバージョンを合わせて頂いた方が問題は発生しにくいです。プログラミングを初めて学ぶ場合には2019にして頂いた方が無難です。

環境構築

実際に開発環境を構築していきましょう。

Excelのインストール

まずは、いつも使っておられるWindows PCにOffice2019をインストールします。既にインストール済みの方はそのまま次の手順に進んでください。Officeのライセンスをお持ちでない場合は、永続(買い切り)のライセンスのほかに、サブスクリプション(月額)もありますので、ご自分の利用用途に合ったものを選んでください。

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「開発」タブの表示

VBAを利用するために「開発」タブを表示しておく必要があります。

インストールが終わりましたらExcelを起動しましょう。
[001-【ExcelVBA】環境構築-001.png]

オプションをクリックします。
[001-【ExcelVBA】環境構築-002.png]

「Excelのオプション」という画面が表示されますので、「リボンのユーザー設定」から「開発」のチェックをONにしてください。
[001-【ExcelVBA】環境構築-003.png]

「OK」ボタンをクリックして画面を閉じたら、空のExcelが表示されるかと思います。
リボンに「開発」タブが表示されていれば設定完了です。

[001-【ExcelVBA】環境構築-004.png]

マクロのセキュリティ設定

作成したマクロを実行するためにセキュリティの設定を行います。

「開発」タブの表示で使った「Excelのオプション」画面を再度表示します。
「トラストセンター」から「トラストセンターの設定」をクリックします。
[001-【ExcelVBA】環境構築-005.png]

「トラストセンター」という画面が表示されますので、「マクロの設定」から「警告を表示して全てのマクロを無効にする」のチェックを入れてください。
※既にこの設定になっている方も多いかと思います。
[001-【ExcelVBA】環境構築-006.png]

「OK」ボタンをクリックして画面を閉じます。

VBAのプログラムが含まれるExcelファイルを開くと次のような警告メッセージが表示されます。
プログラムを実行した場合には、「コンテンツの有効化」をクリックします。
[001-【ExcelVBA】環境構築-007.png]

このようにExcelを起動した時点では一時的にマクロを無効にしておく設定にしました。
これは、かつてこのマクロ(VBA)を利用してコンピュータウィルスが作成されたことがあり、そのための対策となっています。自分で作成したExcelなど出所が明確になっている場合には、「コンテンツの有効化」のボタンをクリックして構いませんが、作成者が不明な場合には安易にクリックしないようにしましょう。

 
 

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