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LPICよくある質問集第②回~コマンド由来編~その4

LPICよくある質問集第②回~コマンド由来編~その4

今回はLPICでよくある質問集の第②回の続きになります。
それでは早速よくある質問ドドーン!

Q2「LPICに出てくるLinuxコマンドってどうやって覚えるんですかー?」

LPICの学習をしているとよく苦戦するのが、数多くあるLinuxコマンドの暗記であります。
Linuxコマンドを覚えることは一番はコマンドを打って覚えることですが、そのきっかけとしてコマンドの由来がどこから来ているのか、ということを知るのは非常に有効な手段になります。
Linuxコマンドはだいたい何かの略称となっています。

今回はその4回目!
これを見てコマンドを暗記していきましょう~!
今回はファイル管理コマンドたちの語源がなんなのか、見ていきます!
それではスタートです!

■ファイル管理コマンド、テキスト処理コマンド

・chmod

語源:change mode(モードを変える)
意味:ファイルのモード(パーミッション、アクセス権)を変更する
書式:chmod [モード] [ファイル名] 
説明:
ファイルやディレクトリのモード(パーミッション、アクセス権)を変更するコマンド。
モードの指定の仕方は、変更対象、変更内容をアルファベットで指定するシンボリックモードと、8進数で指定する数値モードがある。
また、スティッキービットなどの特殊パーミッションの指定もできる。
このコマンドを使って、ファイルやディレクトリに、読み取り権、書き込み権、実行権を付与したり、削除したり、指定したりする。
chmodというコマンド名はモード(MODe)を変える(CHange)ところからきている。

・chown

語源:change owner(オーナーを変える)
意味:ファイルやディレクトリの所有者を変更する
書式:chown [ユーザ名] [ファイル名] 
説明:
ファイルやディレクトリの所有者を変更するコマンド。
「.」や「:」を使うことで所有グループの変更をすることもできる。
Linuxではファイルの利用者を、ファイル所有者、ファイル所有グループ、その他のユーザに区分している。
それらの区分でアクセス権を指定することで、ある利用者が作成したファイルを別の利用者が勝手に書き換えたりしないようにすることができる。
chownというコマンド名は、所有者(OWNer)を変更する(CHange)ところからきている。

・chgrp

語源:change group(グループを変える)
意味:ファイルやディレクトリの所有グループを変更する
書式:chgrp [グループ名] [ファイル名] 
説明:
ファイルやディレクトリの所有グループを変更するコマンド。
chgrpというグループ名は、所有グループ(GRouP)を変更する(CHange)ところからきている。

・ln

語源:link(リンク)
意味:ファイルへリンクを作成する
書式:link [リンク元ファイル] [リンクファイル名] 
説明:
ファイルにシンボリックリンクやハードリンクを作成するコマンド。
Linuxではハードリンクとシンボリックリンクの2種類のリンクがある。
ハードリンクは元ファイルと同一inodeとなり、ファイルの属性や中身まですべて同一のファイルとなる。
つまり元ファイルとの区別がなくなり、ファイルを削除する場合には、元となったファイルとハードリンクすべてを削除するまでファイルの実体は削除できない。
またディレクトリや異なるファイルシステムに対してはハードリンクを作成することはできない。
シンボリックリンクは、リンク元のファイルやディレクトリの場所への情報を持っているだけのファイルである。
つまりリンク元のファイルとはまったくの別ファイルとなる。
シンボリックリンクを残したままリンク元のファイルを削除することもできるが、その場合、シンボリックリンクにアクセスするとエラーとなる。
またシンボリックリンクはディレクトリや異なるファイルシステムに対しても作成することができる。
lnというコマンド名は、リンク(LiNk)を作成するところからきている。

・tar

語源:tape archives(テープアーカイブ)
意味:tar形式でのファイルのアーカイブ化やtar形式のファイルの展開を行う
書式:tar [オプション] [アーカイブファイル名] 
   tar [オプション] [アーカイブファイル名] [ファイルやディレクトリ名] 
説明:
tar形式でファイルのアーカイブ化を行ったり、アーカイブ化と同時に圧縮をしたり、tar形式のアーカイブファイルの展開を行ったり、解凍と同時に展開を行ったりするコマンド。
tarコマンドというコマンド名は、磁気テープ(Tape)デバイス用にファイルをアーカイブする(ARchives)というところからきている。
現在はファイルのファイルのアーカイブ化(複数のファイルを1つのファイルにまとめること)するために用いられるが、元々は磁気テープの操作のためのコマンドであったため、Tape ARchivesという名前になっている。
UNIX系OSでは標準のフォーマットである。

・tr

語源:translate(変換する)
意味:ファイル内の文字の変換、削除を行う
書式:tr [オプション] [文字列1] [文字列2] < ファイル名 
   コマンド | tr [オプション] [文字列1] [文字列2] 
説明:
ファイル内の文字列の変換や削除を行うコマンド。
文字列のところでは「[:upper:](英大文字を表す)」などのクラスを指定することもできる。
標準入力からのみ入力を受けとるので、「<」や「|」を使って使用する。
trというコマンド名は文字列を変換する(TRanslate)ところからきている。

・sed

語源:stream editor(ストリームエディタ)
意味:ファイル内文字列の置換、行の削除を行う
書式:sed [オプション] [編集コマンド] [ファイル名] 
説明:
入力ストリーム(ファイルやパイプラインからの入力)に対して基本的なテキスト変換を行うコマンド。
テキスト変換というのは、ファイル内文字列の置換だったり、行の削除だったりのことである。
あるファイルを決まったパターンで編集したいとかっていうときに使われるコマンド。
書式は少し複雑だが、使いこなせるとちょっとかっこいいかもしれない。
sedというコマンド名は、ストリームエディタ(StreamEDitor)からきている。

・dd

語源:dataset definitionまたはdata definition(データセットの定義)
意味:ファイルを変換してコピーする
書式:dd if=[ファイルのパス] of=[ファイルのパス] bs=[ブロックサイズ] 
説明:
ディスクのコピー、ディスクのバックアップ、リストア、データの消去、破壊などを行うコマンド。
dataset definitionの略だが、他にも諸説あり、Copy and Convertの略でccとしたかったがコンパイラとしてccがすでに存在していたのでddとなった説やdata dumpの略という説などがある。今回は一番有力な情報である(筆者調べによる)dataset definitionの略で紹介する。
書式は普通のコマンドとは少し変わっているが、ifinput fileのことで、ここで入力ファイルを指定する。
ofoutput fileの略で出力ファイルを指定する。bsblock sizeの略でブロックサイズを指定する。
またデータセットというのはデータのひとまとまりのことであり、
ddというコマンド名は、データ(Dataset)を定義(Definition)するところからきている。

・nl

語源:number line(行番号)
意味:ファイルに行番号をつけて出力する
書式:nl [ファイル名] 
説明:
ファイル内の一部または全部に行番号をつけて出力するコマンド。
論理ページのセクションごとに行番号をつけたりつけなかったりすることをオプションで指定することができる。
デフォルトでは空白行を除いて行番号をつけてファイルを出力する。
nlというコマンド名は、行(Line)番号(Number)をつけるというところからきている。

・wc

語源:word count(単語を数える)
意味:ファイルの行数、単語数、バイト数を表示する
書式:wc [ファイル名] 
説明:
ファイルの行数、単語数、バイト数のそれぞれを出力するコマンド。
オプションを使えば、行数のみ、単語数のみ、バイト数のみを出力することができる。
デフォルトではそれら3つともの情報を出力する。表示順番は、行数、単語数、バイト数、ファイル名、の順。
wcというコマンド名は、単語数(Word)を数える(Count)というところからきている。

・pr

語源:print(印刷する)
意味:印刷用にファイルの書式を整形する
書式:pr [ファイル名] 
説明:
印刷用にファイルのページづけ・段組みを行うコマンド。
ファイルの内容にページを付けて標準出力に書き出す。
またそれぞれのページには、2行の空行、日付・ファイル名・ページ番号の行、2行の空行、合わせて5行のヘッダと5行の空行からなるフッタが出力される。
オプションを使うと開始ページや終了ページの指定、ヘッダのファイル名のところに出力される文字列、ヘッダとフッタも含めたページの行数を指定することができる。
デフォルトでは66行である。
prというコマンド名は、印刷(PRint)用にファイルのページ付けを行うところからきている。

・fmt

語源:formatter(フォーマッタ)
意味:テキストを段落に整形する
書式:fmt [ファイル名] 
説明:
テキストを決められた桁に整形するコマンド。
テキストファイルを段落で分けるために使用される。
幅を指定することで、その幅でファイルの整形を行う。
デフォルトでは75桁になっている。
フォーマッタというのは、テキストを決められた書式にするもののことで、
fmtというコマンド名は、簡単なテキストフォーマッタ(simple text ForMaTter)というところからきている。

・od

語源:octal dump(8進数ダンプ)
意味:ファイルを8進数でダンプする
書式:od [ファイル名] 
説明:
ファイルを8進数または他の形式で出力するコマンド。
ダンプするというのはメモリの内容を出力したり、プログラムの内容を出力すること。
デフォルトでは8進数でダンプするが、オプションを使うと16進数や10進数など他の形式で出力することも可能。
odというコマンド名は、8進数で(Octal)出力する(Dump)ところからきている。

・hexdump

語源:hexadecimal dump(16進数ダンプ)
意味:ファイルを16進数でダンプする
書式:hexdump [ファイル名] 
説明:
ファイルを16進数または他の形式で出力するコマンド。
デフォルトでは16進数でダンプするが、オプションを使うとASCIIや10進数、8進数など他の形式で出力することも可能。
hexdumpというコマンド名は、16進数で(HEXadecimal)出力する(DUMP)ところからきている。

以上、今回は12個のファイル管理コマンド、テキスト処理コマンドの由来を紹介しました。
コマンドの使い方が分からない場合には、語源だけではなく意味や書式、説明なんかのほうも見てみてください。
それではまた次回、乞うご期待!!!!

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