【基本情報技術者試験】プロセッサ1~CPUの基本~
今回は【コンピュータ(ハードウェア)編】CPUの基本的な事柄について紹介します。
その中でも特に『クロック周波数』というワードは試験にも出やすいので、しっかり覚えましょう。
CPUの基本
CPU(Central Processing Unit)とは、前回の記事では『コンピュータの制御装置,演算装置』と呼ばれるものでした。
コンピュータを動作させるためには必須のデバイスであり、ハードウェアから受け取った命令を処理します。
CPUはデバイス(機械)なので、中身は電子部品です。
よくCPUは『脳』と例えられるのですが、その性能が良いほど、処理速度が早くなります。
皆さんもパソコンで色々な操作を行うと思いますが、その際に『動作が重たいなぁ』と一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
一度に色々な操作をやり過ぎると、よく『パソコンが重くなる』という状況に陥ります。
この理由の一つとして『受けた命令が多すぎて、それを処理するCPUの動作が間に合っていない』ということがあります。
そこで、CPUの性能をより良いものに変えると、同じような操作をしてもスムーズに処理してます。
もちろん性能の高いCPUほど価格は高価になっていくので、個人が所有するパソコンなどに、気軽に最高級のCPUを組み込むというのは難しいのですが・・・何らかサービスを提供するサーバ用途の場合は、そのサービス提供を円滑に行うために用途にあった性能のCPUをマシンに組み込むことが大事になってきますね。
ではここで、そもそも『CPUの性能』とは、何に違いがあるのかご存じでしょうか?
実は何種類かの要素があります。
今回は、その中の一つの『クロック周波数』『バス』というものを紹介いたします。
クロック周波数
コンピュータの内部では、あらゆる命令が最終的には『1』と『0』の羅列になっています。
この『1』『0』は、『ON(1)』『OFF(0)』と例えたらわかりやすいかもしれないですね。
CPUではこのON/OFF信号を切り替えることで、あらゆる処理を実現しています。
そして、このON/OFF信号の切り替えが速ければ速いほど、処理速度は上がります。
一回のON/OFFを1クロック(クロックパルス)と呼び、1秒間に繰り返せるON/OFF信号の回数を『クロック周波数』と呼びます。周波数なので、単位はHzとなります。
CPUの製品カタログなどを見ていると『クロック周波数 2.5GHz』等と書かれていることが多いのですが、これは、1秒間に250億回のON/OFFサイクルを実行出来るCPUということになります。
基本的には、このクロック周波数に応じてコンピュータの処理速度も上がるのですが、注意点があります。
それは、『クロック周波数が2倍になるとシステム全体の動作速度も必ず2倍になるというわけではない』という点です。
なにか処理を行うということは、記憶装置などの他の装置とも連携をしなければいけなくなるため、それら記憶装置などの性能も関わってくるからです。
また、CPUはクロック周波数を上げるほど処理の中で発熱をしてしまい、それによってパフォーマンス(処理能力)が落ちるということもあります。
この注意点は試験でも問われがちなので、覚えておきましょう。
また、他にも下記の用語も試験に問われることがあります。
内部クロック:CPU内の処理でのクロック周波数
外部クロック:CPU外部とのデータ転送処理でのクロック周波数
ここはちょっと難しい話になるのですが、一言でいうと、このクロック周波数はケースによって変わるということです。
外部クロックは、内部クロックよりも速度は低下します。
クロックに関しては以上となります。
クロック周波数はよく試験に出てくるワードなので、しっかり覚えておきましょう。
バス
CPUがその他装置間とのデータのやりとりを行う伝送回路を『システムバス』と呼びます。
CPUは他の装置の制御を行うわけですが、制御を行うということはつまり命令を送るというわけになります。
この命令を送る経路が、システムバスになります。
CPUと繋がる経路はシステムバスという名前で呼ばれることが多いですが、CPU以外の他の装置間ではまた別の名前で『●●バス』のように呼ばれることが多いです。
このような装置間の伝送回路を広い意味で『バス』と呼びます。
このバスは『バス幅』と呼ばれる要素を持っており、このバス幅が広いと一般的にデータ伝送の速度が上がると呼ばれています。
以上がCPUの基本になります。
試験に問われることが多いので、しっかりと覚えておきましょう。
まとめ
・クロック周波数とは、CPUが1秒間に繰り返せるON/OFF信号の回数
・クロック周波数に応じてCPUの処理速度は上がるが、システム全体の速度となると完全に比例はしない
・装置間の伝送回路を『バス』と呼び、CPUと繋がる経路はシステムバスと呼ばれる
・バス幅が広いと伝送速度は上がる