【独学CCNA】056.ルーティングアルゴリズム
ゼロからのCCNA独学講座
本連載では、シスコ技術者認定資格であるCCNA合格を目指して、試験範囲の解説や問題演習などを扱っていきます。
前回はダイナミックルーティングについて説明しました。
今回はルーティングアルゴリズムについて説明します。
- ルーティングアルゴリズムとは
- ディスタンスベクタ型
- リンクステート型
- 拡張ディスタンスベクタ型
- まとめ
- 確認問題
- OSPFは拡張ディスタンスベクタ型に分類される。
- ネットワークに変更があった際、リンクステート型は各ルータが全体のネットワークを把握する必要があるため、ディスタンスベクタ型に比べてコンバージェンスまでに時間がかかる。
- ディスタンスベクタ型は定期的にルータ間でルーティングテーブルを交換する。
ルーティングアルゴリズムとは
ルーティングアルゴリズムとは、ダイナミックルーティングにおいて最適なルートを計算する際の考え方のことです。
以前の記事でルーティングプロトコルは大きくIGPとEGPの2種類に分けられると説明しました。
今回はそのうちのIGPに分類されるプロトコルについて、ルーティングアルゴリズムでさらに分類してみましょう。
ディスタンスベクタ型
ディスタンスベクタ(Distance vector)型はルータ間で定期的にルーティングテーブルを交換し、距離(Distance)と方向(Vector)を基に最適経路を選出する方式です。
具体的には距離とはメトリックのことで、方向とはネクストホップやインターフェースのことを指しています。
また、最適経路を選出する際のアルゴリズムにはベルマンフォード法を用います。
ディスタンスベクタ型は仕組みが単純で、ルータに掛かる負担が低いことが特徴としてあげられます。
一方、障害などで経路情報に変更が発生した際に経路情報の変更が通知されるまでにアップデートの時間がかかるため、大規模なネットワークには向きません。
ディスタンスベクタ型に分類されるルーティングプロトコルはRIPです。
リンクステート型
リンクステート型はそれぞれのルータが自身に直接接続されているネットワークなどの情報(リンクステート情報といいます。LSAとも(Link State Advertisement))を交換することで、全体のネットワークを把握し最適経路を選出する方式です。
最適経路を選出する際のアルゴリズムはSPFアルゴリズム(ダイクストラ法)を用います。
ディスタンスベクタ型よりも大規模なネットワーク向きに開発されたプロトコルで、各ルータがネットワーク全体を把握しているため障害などで経路情報に変更が発生した際に素早く経路を切り替えることが出来ます。
しかし、各ルータがネットワーク全体を把握するためにはディスタンスベクタ型に比べてルータに負荷が掛かってしまいます。
リンクステート型に分類されるルーティングプロトコルはOSPF、IS-ISです。
拡張ディスタンスベクタ型
拡張ディスタンスベクタ型はCisco独自のルーティングアルゴリズムで、ディスタンスベクタ型の欠点を改良するための機能拡張が行われている方式です。
ディスタンスベクタ型の仕組みが簡単という特徴と、リンクステート型の経路情報の変更の対応が早い特徴を兼ね備えています。ゆえに、ハイブリッド型とも呼ばれます。
最適経路を選出する際のアルゴリズムにはDUALを用います。
拡張ディスタンスベクタ型に分類されるルーティングプロトコルはEIGRPです。
まとめ
IGPに分類されるダイナミックルーティングプロトコルの特徴をルーティングアルゴリズム別に表にまとめると以下のようになります。
確認問題
次のうち正しい選択肢を選んでください。
今回はルーティングアルゴリズムについて説明しました。
次回はダイナミックルーティングの用語について説明します。